ファミリーやスペース派にいちばん人気のミニバン。2Lミドルクラスは各メーカーがしのぎを削るが、その下のコンパクトクラスと言えば、人気はフリードに言をまたない。平成20年5月の発売以来、つねにコンパクトミニバンのベストセラーに君臨。同年下半期にはミドルクラスを抑え、ミニバン全体の中でも販売台数トップに輝いた。
最大の魅力は、もちろん全長4m少々のコンパクトボディで本格的な3列ユースを可能にしたパッケージング。その“ミニ・ミニバン”としての高い実力は、フィットをベースに開発された前身のモビリオから備えていた。だが、モビリオはまさに“自動車離れ”したユニークなスタイリングが裏目に。マイナーチェンジでフロントフェイスを刷新したが、実力どおりの支持を得ることは結局できなかった。
モビリオと異なり、フリードにフィットベースという表現はあまり当てはまらない。車両の基礎となるプラットフォームでフィットと共通性を持つのはエンジンルームのみで、それ以外は新設計。2列目シートの足元空間(=1列目のシート下)を拡大するため、燃料タンクはモビリオの1列目下(つまりセンタータンクレイアウト)から2列目下に移設した。さらに全長を160mm伸ばし、室内空間は大幅に拡大。
外観も打って変わってスタイリッシュ。5ナンバーミニバン初となるハイブリッドも追加し、幅広いユーザーニーズを満たす多彩な魅力を備えているのだ。
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