BMWのモデル名には基本的なルールがあるのをご存知だろうか。1桁の数字が車格(クラス)を示し、それにエンジンの出力と種別を示す2桁の数字+英字1文字を組み合わせだ。最近ではさらに、デザインラインを示す名称を加えてグレード名としている。
たとえば“318i Luxury”なら、3シリーズのボディに1.8リッター相当とBMWが考える性能のガソリンエンジンを搭載した上級トリム(Luxury)のモデルということになる。
デザインラインはシリーズごとに異なり、何も付かない基準車、“Sport”、“Style”、“Luxury”、“M Sport”などが設定されている。ここで注意しておきたいのが、“Sport”と“M Sport”の違いだ。
“Sport”とは、基準車にスポーティな雰囲気をもたらす装備を取り入れた仕様。3シリーズを例にすると、外観ではクローム仕上げのキドニーグリル、ハイグロスブラックのBピラーフィニッシャー、ブラッククローム仕上げのテールパイプなどディテールが変更され、内装ではレッドステッチのスポーツレザーステアリングやメーターパネルの赤いリング、ダコタレザーシートなどが採用されている。よって、あくまでも“雰囲気”であり、走りの性能自体にじつは変化はない。
対する“M Sport”は、インチアップされたアロイホイール、車高が10mm下がるMスポーツ・サスペンション、スポーツシートなどが装着され、走りのフィールが基準車や“Sprot”とは明らかに異なる。だから、“Luxury”と“Sport”から選ぶのなら両方を試乗する必要はなく、見た目だけで決めてかまわないが、“Sport”と“M Sport”なら可能な限り試乗することをお薦めしたい。
ちなみに、さらにスポーツ性を徹底したモデルで、グレード名が“M”で始まるものも存在する。「M3」や「M5」など、“M”に続く数字が1桁の「Mモデル」は、BMWのスポーツ部門であるM社が車体そのものから製造したスペシャル。“M240i”など数字が3桁のモデルは、M社のパーツを組み込んでBMWが製造している。ノーマルモデルとMモデルの中間的なキャラクターだ。