BMWでは現在、大きくわけて2種類のディーゼルエンジンを用意している。ひとつが、2.0リッター直4で、これは1シリーズ、2シリーズのアクティブ ツアラーとグラン ツアラー、3シリーズのセダンとツーリング、5シリーズのセダンとツーリング、Xシリーズの1と3に搭載されている。そしてもうひとつが3.0リッター直6のツインパワー・ターボ・ディーゼルエンジンで、これはX5に搭載されている。たとえば118dと118iなど、同じクラスのガソリン車と比べると、ディーゼル車は20〜30%ほどJC08モード燃費がいい。
ガソリン | クリーンディーゼル | |
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1シリーズ | 18.1km/L | 22.2km/L |
2シリーズ | 17.3km/L | 22.2km/L |
3シリーズ | 16.0km/L | 21.4km/L |
5シリーズ | 14.2km/L | 16.6km/L |
X1 | 15.6km/L | 19.6km/L |
X3 | 13.7km/L | 18.6km/L |
X5 | 10.3km/L | 14.0km/L |
このアドバンテージはほとんどそのまま実燃費に当てはまるのだが、都市部などゴー&ストップが多い使用状況だとさらに差が開くケースが多いようだ。ディーゼルならでは圧倒的な低速トルクとターボラグの少なさが、発進時にアクセルの無駄な踏み込みを抑える効果をもたらすためだろう。
新車の場合、同等のトリムのガソリン車とディーゼル車の価格差は20万円強。下取り価格にその半分弱の10万円の差が出るとして、ディーゼルがガソリンよりも25%燃費がよくて14km/L程度だとするなら、現在のハイオクガソリンと軽油の価格は130円と96円程度なので、手放すまでに2万1000kmほど走る人なら元が取れる計算だ。より多く燃料を消費する5シリーズやX5、あるいは車両価格差が新車時より小さい中古車ならば、必要な走行距離はさらに短くなる。
もっとも、燃費を抜きにしても、発進の瞬間からどこまでも力強くフラットなトルク感は、価格差を補ってあまりある体験になるはず。ガソリンエンジンとはひと味違う、もうひとつのBMWの“走る歓び”をぜひご堪能してもらいたい。