新型ステップワゴン、それは何とも革命的なモデルである。室内を広くしたり工夫を凝らした収納スペースを盛り込んだりと、ミニバンとしての正常進化はもちろんのこと、新たに投入された2つの新アイテムがなんとも凄いのだ。 ひとつは心臓となるエンジン。これまでこのクラスは排気量2Lのエンジンが主流だったが、新型ステップワゴンはなんと1.5Lしかない。それで大丈夫なのか?と思うひともいるかもしれないが、心配ご無用。ターボを装着してパワーを補うことで、これまでの自然吸気2Lエンジン同様の加速性能を手に入れているのだ。いわゆるダウンサイジングというやつである。 そのうえ最新ターボエンジンの特徴である低い回転域から力を発生する特性が、街中での発進加速にマッチしていて、従来のモデルよりも力強い運転感覚なのだから魅力的。高回転域を使うことが少なくなるから燃費もよくなり、自動車税も従来モデルより年間で5000円安く済むという、一石三鳥のエンジンなのだ。 もうひとつの特徴、そして新型ステップワゴンの実用性をライバルから大きく引き離した飛び道具と言えるのが「わくわくゲート」。リヤゲートを通常の上側だけでなく、横にも開くようにした仕掛けである。 このわくわくゲートがまたすごい。メリットは上に開くよりも簡単にラクな姿勢で開閉できることと、車両後方が狭くても開けられること。実際使ってみると横開きの便利さは想像以上で、「普段はこの方法でしか開けない」と思えるほどだ。 もちろん、大きな荷物を積む際などは従来どおり上にも開く。これまでも横開きゲートは存在したが「横にも上にも開く」のはステップワゴンがはじめてで、なんとも衝撃的だ。 ライバルがしのぎを削るこのジャンルは、「広くて便利」というのはもう当たり前。そんななか、2つの武器を手に入れたステップワゴンはライバルを”大きく“リードしたと言わざるを得ない。
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