現在ではファミリーカーとして絶対的な地位を確立し、圧倒的な人気を誇るミニバン。しかし日本でミニバンが認知されたのは比較的近年のこと。それ以前の大勢乗れるクルマといえば、商用車をベースとした1ボックスタイプが主流だったのだ。しかしそんな時代に、北米で先行販売され、後に日本国内でも販売されたのがMPVである。
初代MPVは、乗用車のシャシーにボンネットを持つワゴンタイプボディを架装したミニバンの先駆け。しかしそれゆえに、駆動方式はFRで、リヤドアもヒンジ式を採用。デビュー当時は革新的なパッケージングだったが、時代の流れとともにライバルたちに遅れを取ってしまったことは否めなかった。
そこで平成11年に登場した2代目では、初代の優れている部分を受け継ぎつつ、より時代にマッチしたパッケージングを採用。室内高を稼げるFF方式とし、両側スライドドアを装備して、さらに幅広いユーザーに対応するモデルに進化したのである。
そして現行モデルではミニバンの基本性能に加え、走りの性能を飛躍的にアップ。走りが楽しめるミニバンとして、新たなる一歩を踏み出したのだ。
そこで、そんなミニバンの移り変わりとともに進化してきたMPVを大特集。現在の中古車市場でメインとなっている先代と、今後いっそう勢力を増すであろう現行を中心に、モデル解説から中古車市場まで徹底解剖しよう。
|