軽自動車を除けば、国内で現在もっとも確かな存在感を放つ三菱はアウトランダーと言っていいだろう。
初代がデビューしたのは平成17年。折しもリコール隠しの発覚で地に落ちた三菱が、経営陣を刷新し再建に向けてスタートを切った年だった。アウトランダーにはエアトレックの後継モデルとしての成功だけでなく、新生三菱の成否を大きく左右する命運が託された。
初代は国内で従来なかったスポーツ性の高いオンロードSUVとして人気を集め、北米を中心とした海外市場でも見事成功。イザというときに便利な7人乗りの設定、上下開閉式テールゲートといった、ミドルクラスでは珍しい使い勝手の提案も光った。新開発のプラットフォームやエンジンなどがこのクルマからのちの新型車に展開されることもあり、アウトランダーは新生三菱の象徴的とも言える存在となったのだ。
約7年ぶりのフルモデルチェンジで登場した現行型は、パッケージこそ初代を忠実に踏襲したが、内外装や走りの洗練度が大幅に向上。性能面もレベルアップを遂げ、オンロードSUVの魅力を深化させている。
さらに、モータースポーツで築いた伝統の4WD技術とアイミーヴで培ったEV(電気自動車)技術を余すことなく注ぎ込んだ、世界最先端のPHEVを投入。一時バッテリーのリコールに揺れたが受注の勢いは衰えず、新車販売では今やガソリン車を凌ぐ人気を獲得している。
アウトランダーは2代目にして三菱の先進性の象徴にもなったのだ。
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