走ると後ろから「ゴゴ～」っと唸り音が。４ＷＤカップリングを支える、ベアリングからでした。トヨタ：プレミオ｜車検・点検・修理のグーネットピット

「タイヤなのがい～？？、最近やたら気になって・・」と、Ｔ様より異音のご相談です。お車はトヨタ：プレミオの４ＷＤ。季節柄、現在は冬タイヤ（スタッドレス）を装着しています。
劣化したスタッドレスで、特に寒い日の乾燥路を走ると、音が高く感じるのは確かにあります。
同乗で症状確認。後部座席の下当たりから「ゴゴ～ゴォワンゴォワン」と、ハッキリ聞こえます。原因はタイヤじゃありませんね。
リフトアップで空回し。発生源はリヤデフの先ッチョからになります。
ココのケース内部はカップリングです。ハンドルを切って動く時、前後の内輪差で抵抗となり、ブレーキが掛かった様な現象（今となっては体験した人の方が少ないかも？）が起きます。その４ＷＤタイトコーナーブレーキング現象を回避しながら、４ＷＤの動力は伝える。といった物です。
現在、高級タイプだと、電磁的に摩擦具合を調整してる物もあります。が、軽自動車や小型乗用クラスだとまだ見かけません（上質ですが車両代が高くなりますので）。
説明が長くなりました。
音の状況と一連はこちら↓↓

修理お見積りご提案は、４パターン。
デフ含むリビルト、カップリング部のみリビルト、中古のアッセンブリ、カップリングのベアリングのみ取替、です。
走行距離は１０キロ超え。各部の摩耗も心配なので、こちら側からの理想は、カップリング含む、リヤデフもリビルトで一式交換になります。
当店の事例になりますが、別車種でカップリングをリビルト交換、その後すぐにデフも・・がありました。作業内容も変わる（技術料）ので、価格に差も出ます。悩み所であります。
Ｔ様とご相談。とりあえず「壊れたら壊れたで、その時考えっべ～」の方向で、カップリングのベアリングのみ取替で、対応する事になりました。
一応の確認で、ハンドル切って移動の際、異音や振動が無いので、カップリングに問題は無いと判断、というか、そうであって下さい・・です。
プロペラシャフトの連結部を外し、カップリングのケースごと取り外します。

ベアリングを手で回して確認。
ケッコウな「ゴロゴロ」が感じられ、この部分！が確認できました。
まずは、ホッとしてます。
後は、ベアリングプーラーで抜き取り、油圧プレスで圧入します。
圧入する際の治具が無かったので、古いベアリングをカット。
インナーレースの虫食いボコボコが、手で感じられる程の「ゴロゴロ」になってた状況がわかります。（冒頭に拡大図）
グリースは汚れて、ボールにもキズが各所に確認できます。

折角なので、ミッドシールを交換致します。
ここからギヤオイルが漏れると、再度カップリングの脱着が必要になるので。
折り返しで組付け。
早速、カラで回転させ音の点検です。
状況はオッケーです。元は、こんなに静かなんですね。
ギヤオイルの付着した箇所を、シッカリ清掃し試運転。
音も静か、オイルの漏れも無し、が確認でき、作業完了となりました。
お引渡し後、Ｔ様から感想を頂きました。
「俺の車って、こんなに静かだったんだねー」と。
ありがとうございました。
こちら側としても、マジ良かったっス～。