故障・修理
更新日:2019.10.04 / 掲載日:2019.10.04

絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第11回 スタビライザーで安定性向上」

TT/TV系サンバーは実用性重視。ところがワゴン系はさすがに乗用車、乗り心地快適で乗って驚くTW系なのだ。同系シャシーでありながら、こうも違うと快適性を追求したくなる。まずはハイトワゴンのロールを減らすスタビライザーの装着だ!

SUBARU Sambar TV1 app.K (2007)

TW系純正部品流用は苦難の道のりが待っていた

 先日たまたまTWワゴン系のサンバーに乗る機会があった。普段自分が乗っているサンバーはバンの4ナンバーなのだが、TW系5ナンバーに乗ってみると、まぁなんと快適なことか。これならどこまででも走れてしまいそうなしなやかな動きなのだ。

 フルキャブゆえに座面の真下にフロントサスペンションの取り付け部分があり、普段は嫌というほどの突き上げを臀部に食らい、ちょっとしたギャップもガンガン体を痛めつけてくれる。TW系にはそれが全く感じられないのだ。そして郊外を走ってみれば、ハンドリングがスムーズで柔らかい足でありながら、ロールが少なく跳ねてピョンピョンするようなコーナリング感覚にならないのが不思議だった。

 調べてみれば決定的な違いはサスペンションバネの柔らかさと、それに合わせたかのようなスタビライザーが挿入されていて、ロールをうまく押さえ込んでいることが判明。  

 まずバネを交換しようかとも考えたが、柔らかいバネで舵角が多くなった時の前転しそうなコーナリングは非常に怖いので、まずはスタビライザーを装着してみることにした。

 TW系のパーツリストをディーラーで確認しながら部品発注。決定的なTWとの違いはロワアームにスタビリンクの取り付け部分がなく、ロワアームから全交換となるところ。サンバーは人気車種ゆえ、中古なども含めるとかなり走行距離が伸びた車も多いので、ブッシュ交換も考えるとアームソックリ交換というのが簡単だろうと判断して部品発注。

 シャシーは同系列だから作業は簡単だろうと思っていたら、スバルさん芸が細かい。微妙なところでコストダウンされていて、スタビライザーのシャシー側マウントが一切ないということが部品を取り付けながら発覚。ボルトオンではなく溶接による部品製作が必要となってしまった。

 鉄工所に発注を踏まえて今回はサイズ表記ありにしてみた。ちょっとした溶接なのでDIYでも可能だからTT/TV系ユーザーはチャレンジしてみては!

スタビライザーで安定性向上

ちょうど運転席座面真下にストラットサスペンションがあり、タイヤからの衝撃はスプリングが動く前に臀部直撃で痛い。

足回り交換ではアライメントが狂いやすく、車高はきちんと計測しておく。ホイール下部からフェンダーアーチで530ミリだった。

530mm

スタビライザー関連部分をパーツリストで見る。最近は部品統一でTV/TWのロワアームはすべてブラケット付きとなる。

装着純正部品がこれ(ネジ除く)。ロワアームがねじ止め成形というのがサンバーらしい。この段階では装着できると思っていた!

バンにはないブラケットがこれ。溶接加工でも製作可能だから、腕に自信があればリンクだけの購入でリーズナブルに仕上げることも。

ボールジョイントは交換しなくても問題ないが走行距離に応じて新品に。セパレーターがなくてもハンマーで脱着できる。

「バンにはない」ロワアームはトランスバースリンクという部品名称で登録されている。形状はリンクブラケット以外は左のバン用と全く同じものだ。

わずかに浮かせる
ロワアームを交換したらすべてを仮締めして最終的に1G締めを行う。

わずかにジャッキポイントが浮いた状態で本締めするといい。

ロワアーム交換はリヤ側のブラケット(矢印)を全体で緩めると交換がやりやすくなる。ブッシュがねじれて入れにくく、前側の位置決めがやりやすくなる。

ボールジョイント側は新品の割りピンを忘れずに入れること。

丸で囲んである部分にブラケットがつくと思ったら、アクセルワイヤー固定ブラケットの部分が共用となることが判明!

「25ミリ角」シャシーから全体をかさ上げしないと装着できないのでワイヤー固定位置を基準に計測すると、助手席側は汎用25ミリ角パイプを85ミリ長。

「19ミリ角」運転席は19ミリ角パイプを85ミリ長でざっくり切って仮組みで確認。

小型のロッキングプライヤーで固定して位置決めと当たる部分を確認する。ブラケット自体がスタビ軸方向に動くので慎重に作業。

ウォッシャータンクにステー角が当たりそうなので角パイプ片側を78ミリまで斜めにカット。実際にはもう少し右側に寄る。

運転席側はボルト穴が流用できるのでそこが基準になる。隙間は18-20ミリくらいなので角パイプがすんなりハマった。

下駄完成!
「ナット溶接」純正ボルトを使用するので、位置決めの後にリンクから穴を写して穴あけ。8ミリナットを溶接。溶接後必ずタップを通しておく。

ようやく下駄完成! ホームセンターでも鉄パイプが購入できるので、溶接道具があればここまでは簡単に製作可能。装着は次回!

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ