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サスペンション・足回り修理・整備 [2019.07.10 UP]

ブレーキの仕組み

現在のブレーキシステムは油圧の原理なしでは成り立たない。ブレーキフルードを介して、ブレーキペダルに加わった力を4輪に伝え、しかも前後の制動力を適正に調整する。ブレーキの基本仕組みを見てみよう。

 ブレーキは物と物を強く接触させ、そこに発生する摩擦抵抗を制動力とする。摩擦には熱が伴い、力学的には運動エネルギーを熱に変えることによって、運動エネルギーを減少させる装置ということになる。
 クルマのブレーキは二つに大別される。一つがブレーキペダルを踏む足の力をブレーキフルードに伝え、圧力を受け止めたブレーキフルードが、各輪に装着されたピストン、あるいはシリンダーを押し開き、ブレーキシューやブレーキパッドの摩擦によって制動力を発生する仕組みのもの。もう一つがレバーやペダルに伝わる力をワイヤー、ロッドなどを介し、機械的に車輪に伝えるしくみのものだ。前者が通常のブレーキとして、後者が駐車時にクルマを安全に停車させるパーキングブレーキとして用いられる。
 また、これらの分類には属さないが、大型トラックには排気ブレーキとリターダーが採用されている。排気ブレーキはエキゾーストマニホールドの中にバルブを設け、それを閉じることによって排気の圧力を上げ、エンジンブレーキの利きを増加させるシステムだ。アクセルオフ、クラッチ切断など限られた条件で、スイッチをオンにした時に作動する。バルブは電気または圧縮空気によって制御される。
 リターダーは、遅らせる、あるいは妨げるという意味で、プロペラシャフトの周囲を電磁石、あるいは永久磁石を内蔵したユニットで囲い、相反する磁界の抵抗によってプロペラシャフトの回転を規制する。

フットブレーキ

ブレーキペダルを踏んで液圧を発生させる仕組み。マスターシリンダーとペダルの間にブースターが挿入され、ペダルからの力を増大させている。

 主ブレーキとなるフットブレーキにはドラムブレーキとディスクブレーキがある。歴史の項でも触れたように、最初にドラムブレーキが普及し、後にディスクブレーキが登場した。ドラムブレーキはドラムの内部に、シリンダーによって外側に広げられるシューを内蔵し、外部の埃、泥などの影響を受けにくい利点があるが、放熱性に劣り、クルマの性能が上がり、ブレーキにかかる負担が大きくなると共に、それが問題となった。
 ディスクブレーキは、ローターが露出し、ブレーキパッドを押すピストンの一部も露出している。さらにローターが回転することによって放熱性に優れ、ドラムブレーキに代わるものとして普及した。ドラムブレーキに対する利点は放熱性だけではなく、安定した制動性にもある。ドラムブレーキが、その構造から、シューとドラムの接触面積が、ブレーキ踏力によって変動し、利き方にもムラが表れるのに対し、ディスクブレーキは常に一定の面積でブレーキパッドとローターが接し、踏力の変化に対して比例的に制動力も変化するという安定した特性を持つ。
 ただ、同じ踏力に対する制動力という点では、ディスクブレーキはドラムブレーキより劣る。そこで導入されたのが、踏力倍力装置だ。実際にブレーキペダルを踏む力以上の力をシリンダーに加え、このウイークポンイトを解消している。倍力装置はディスクブレーキが開発された初期の段階から導入されていて、いわばディスクブレーキと一体のシステムといえる。

ブレーキの油圧回路の仕組み

 ブレーキの主役は油圧回路だといっても過言ではない。フルードを満たした容器の一方の端に力を加えると、もう一方の端に同じ力が伝えられるというパスカルの原理を応用したものだ。パスカルの原理をもう少し正確に説明すれば「容器の中に密閉された液体の一部に加えられた圧力は、等しい圧力で液体各部へ伝わる」というものだ。
 たとえば一辺が10cmの四角い容器に水を満たし、その内側にピッタリ収まる形状の100gの重りを載せる。重りは容器に満たされた水と釣り合って、そのままの位置を保ち、水はあふれ出ない。この時の力学関係は100cm2に100gの力がかかり、1cm2当たりでは1gの圧力ということになる。次に容器の側面、下部に穴を開け、そこに圧力計を装着して液圧を測ってみると、1g/cm2という値が出る。これでパスカルの「等しい圧力で液体各部へ伝わる」という原理が証明される。
 パスカルの原理はまた、伝える側の圧力と、取り出す側の圧力を自在に変化させられるということも証明している。たとえば1cm2のピストンで力を加え、その液圧を2cm2のシリンダーに伝えると、加えた圧力の2倍の力がシリンダーを押す力となって表れる。ただ、圧力が2倍になることによって、加えた側のピストンストロークに対して、シリンダー側の出力ストロークは1/2に減少する。同じように、面積比が3倍になれば取り出す力も3倍となって、この関係は常に比例する。
 このような原理を活用して現代の油圧ブレーキは成り立っている。一般的にブレーキペダルの踏力はテコの原理で増大してブレーキのマスターシリンダーへ伝えられ、マスターシリンダーより直径の大きいホイールシリンダーを用いることでさらに圧力が増大される。
 ドラムブレーキの場合、自己倍力作用が働くため、ホイールシリンダーの直径はマスターシリンダーのそれに比べて、そう大きくはないが、ディスクブレーキでは倍力作用が働かないので、より強い力でブレーキパッドをブレーキローターに押しつける必要がある。そのためピストンの直径はドラムブレーキのそれより大きなものとなっている。

ブレーキ回路の構成。ブレーキペダルを踏むことによってマスターシリンダーで発生した液圧はブレーキホースを経由して各ホイールシリンダーに送られ、ブレーキパッドやブレーキシューに作用して制動力が発揮される。前輪ディスクブレーキの他に、前ディスク、後ろドラムという組み合わせも採用されている。


油圧を発生させるメカニズム・仕組み

 ブレーキ系は、ブレーキペダル-倍力装置-マスターシリンダー-ブレーキホース-ホイールシリンダーという経路で構成されている。ブレーキペダルを踏む足の力がロッドによってブースターに伝えられ、ブースターに接合されたロッドが、ブレーキフルードが満たされたマスターシリンダーのピストンを押し、そこにかかった圧力がブレーキパイプを経由して、各ホイールシリンダーのピストンを作動させる。
 ブレーキペダルは、その構造から、ドライバーズシートからは先端部分しか見えないが、アームの先端がピボットとなり、その中間にプッシュロッドのピボットが設けられている。中間のピボット位置を変えることによって、入力に対する出力の比率を変えることができ、踏力以上の力をプッシュロッドに加えることができる。一般に3から5対1の間に設定される。アームにはブレーキランプ点灯のためのスイッチが設けられている。 マスターシリンダーは油圧を発生させるための要となるパートだ。水鉄砲と同じ原理で油圧を発生させるシリンダー部分と、ブレーキフルードをためておくリザーバータンクから成っている。シリンダー内はプッシュロッド、ピストン、プライマリーカップ、セカンダリーカップ、リターンスプリング、チェックバルブで構成され、インレットポートとコンペンセーティングポートがシリンダーとリザーバータンク間を結ぶ。
 作動は以下のように行われる。ブレーキペダルを踏むとプッシュロッドがピストンを押し、プライマリーカップがインレットポートを通過し、さらにコンペンセーティングポートを通過して、それを閉じる。リザーバータンクへの戻り口をふさがれたブレーキフルードはさらに圧力が高まり、シリンダーの末端にセットされたチェックバルブを押し開き、ブレーキパイプ内のフルードに圧力を伝える。圧力が伝えられたフルードは同じ圧力を各ブレーキのシリンダーに与え、シリンダー面積に応じた制動力が発揮される。
 ブレーキペダルから足を放すと、リターンスプリングによって戻り、それに伴ってシリンダー内のピストンも自動的に元の位置に戻る。シリンダー内の圧力低下と共にチェックバルブが開き、ブレーキパイプ内で高圧になったフルードがシリンダー内に逆流し、コンペンセーティングポートを経由してリザーバータンクに戻る。ABS装着車ではマスターシリンダーと各ブレーキシリンダーの間にABSハイドロリックユニットが挿入されるが、基本作動に変わりはない。
 ブレーキホースには化学繊維で補強し、重層構造になったゴム製と金属製が使い分けられる。ボディ部分には金属製が、ボディから離れたホイール部分への接合にはゴム製が用いられ、車輪の上下、操舵による動きを吸収する。

ブレーキブースターの役割り

 ブレーキペダル部分でのテコ原理、マスターシリンダーとホイールシリンダー面積の差による圧力増大原理を用いてもなお、ブレーキ力は不足する。特に自己倍力作用のないディスクブレーキではその傾向が顕著となる。そのためにマスターシリンダーのピストンを押す力を人工的に増大させるのがブレーキブースターだ。
 ブレーキペダルに接続されるロッド、コントロールバルブ、ピストン、ブースター本体から成り、ブレーキマスターシリンダーが接続される。
 ブースターチャンバーは隔壁によって2分され、いずれにもインテークマニホールドで発生している負圧が導入され、大気圧以下となっている。ブレーキペダルを踏むと、一方のチャンバーに大気圧が自動的に導入される。これによって、負圧のままになっているもう一方のチャンバーとの間に圧力差が生まれ、ピストンは負圧側へと引き寄せられる。この力がブレーキマスターシリンダーのピストンを押す力を増大させる。ブレーキブースターにはシングルタイプと、2重構造になった、倍力効果の高いタンデムタイプがある。

ブレーキブースターの構造。ブースターチャンバーは隔壁によって2分されている。いずれの部屋にもインテークマニホールドの負圧が導入され、真空状態になっている。ブレーキペダルを踏むと、それに連動して一方の部屋に大気が導入される。負圧のままの部屋との間に圧力差が発生し、それがペダル踏力以上の力となってロッドに伝えられる。


安全のための油圧回路

ブレーキフルードが漏れるとブレーキが利かなくなってしまう。それを防止するために取り入れられたのが複数系統のブレーキラインだ。前後、あるいはX字形に配管され、一方のラインにトラブルが生じても、もう一方のラインで安全を確保する。


 油圧ブレーキは様々な利点を持っているが、その一番に挙げられるのが力を入力する部分とそれを取り出す部分の位置関係に大きな自由度があるということだ。ブレーキペダルの設定位置や角度に関係なく、各車輪にブレーキシステムを装着できる。しかしその利点は大きな欠点も含んでいる。ブレーキラインの一部が破損し、ブレーキフルードが漏れると、ブレーキシステムそのものが機能しなくなってしまう。
 このような危険を回避するために考案されたのが2系統ブレーキシステムだ。油圧ラインを前後、あるいはX字型に配管し、一方のラインに漏れや破損が生じ、フルードが漏れても、もう一方のラインで制動力を確保する。
 そのために用いられるのがタンデムマスターシリンダーだ。シリンダー内に二つのピストンを設け、それぞれが1系統ずつに対応し、一方のラインに漏れが生じても、もう一方のシリンダーがブレーキフルードを送り出す。

ディスクブレーキのメカニズム

1951年、ダンロップによって開発された自動車用ディスクブレーキは、大きく形を変えることなく、現在もブレーキ形式の主流となっている。しかし細部では常に進化し、時代に合った性能を提供している。

ディスクブレーキの基本メカニズム・仕組み

 回転している円盤をプライヤーで挟んだとしよう。軽く挟むと円盤の速度が低下し、さらに強く挟むと回転はさらに低下し、最後には停止する。ディスクブレーキのメカニズムはこれと同じで、プライヤーの役割をしているのがブレーキキャリパーと、そこに内蔵されたシリンダー、ピストン、そしてブレーキパッドで、プライヤーで挟む力は、ブレーキペダルを踏む力によって作られた油圧。円盤はブレーキローターということになる。
 ブレーキの回路、油圧の働きなどは既に解説したので、この項目ではディスクブレーキの構造、バリエーションについて解説しよう。

キャリパー形式によるバリエーション

固定型ブレーキキャリパー。キャリパーはナックルに固定され、その両側にピストンが設けられる。高い剛性を保つが、部品点数が多くなる。

マウンティングブラケットにスライドピンを介して、左右に自由に移動するシリンダーボディが装着された全浮動型ブレーキキャリパー。現在のディスクブレーキの多くがこの方式を採用している。

 ブレーキパッドをブレーキローターに押しつけるためのユニットがブレーキキャリパーだ。キャリパーはブレーキパッドを保持する部分、マスターシリンダーからの油圧を受けて、ブレーキパッドを押すピストン部分で構成されている。基本的な役割は同一だが、キャリパーには固定型、全浮動型、半浮動型の3種の形式がある。

・固定型
 キャリパーはナックルに固定され、ピストンだけ移動するのが固定型キャリパー。この場合、左右から均等にブレーキパッドを押すために、ピストンは、ブレーキローターを挟んだ両側に設けられる。初期のディスクブレーキはこの方式を採用し、現在でも高性能車の一部やリヤ用として採用されている。高い剛性を持つという利点がある反面、複数のピストンやパーツが必要で、さらに外側のシリンダーは空気が当たりにくく、冷却性にやや劣るというウイークポイントも抱えている。

・半浮動型
 大きな特徴は一つのシリンダーで、ブレーキローターを両側から均等な力で挟み込む力を発生することだ。シリンダーボディはトルクプレートに2本のピンで固定され、シリンダーのピストンに油圧がかかると、シリンダーボディはボディの内側方向に移動する。外側のブレーキパッドは、シリンダーボディで圧力を受け、回転方向のピンにトルクを伝え、内側のブレーキパッドの反力はトルクプレートに伝えられる。
 固定型が開発された後、簡易型として普及したものだが、現在では主ブレーキとしては使われていない。

・全浮動式
 マウンティングブラケットにスライドピンを介して、左右に自由に移動するシリンダーボディが装着され、一個のピストンによってブレーキローターを両側から均等に締め付けるのが全浮動式。内側のブレーキパッドは直接ピストンが押し、その反力によってシリンダーボディのアームが内側へ移動し、それに伴って外側のブレーキパッドがローターに押しつけられる。
 スライドピンをどのように活用するかで、全浮動式は大きく二つに分類される。ひとつはスライドピンをシリンダーボディに固定し、スライドピンがマウンティングブラケットの中で移動するFS型といわれるもの、もう一つがスライドピンをマウンティングブラケットに固定し、ピンの上でシリンダーボディが移動するAD型といわれるものだ。

ピストン形式のバリエーション

固定型ブレーキキャリパーの基本は一対のピストンだが、高性能車では4、あるいはそれ以上の複数のピストンを装着し、ブレーキパッドに均一な力を加える。アフターマーケットでは12個というものも販売されている。

 固定キャリパーでは2個、全浮動では1個のピストンを用いるのが一般的だが、さらに強い制動力を求める場合は複数のピストンを用いる。ブレーキパッドの広い面積を均一な力で押すことによって、ブレーキローターとの均一な接触が得られる。全浮動では2個、固定キャリパーでは4個が基本となるが、レーシングカーやラリーカーではさらにその数が増え、WRCでは8個、アフターマーケットでは12個というものも発売されている。また、複数のピストンの外径を変え、ローターの回転方向に合わせて使い分け、均等な摩擦力を追求しているものもある。
 ピストンの中間にはゴムリングが装着され、シール性を高めると共に、移動した時にわずかに変形し、その変形が元に戻ろうとする力を利用してピストンをもとの位置に戻す働きをしている。このリングがあることによって、ディスクブレーキにはリターンスプリングのような復元機構が不要になっている。

ブレーキローターの構造

ブレーキローターにも様々な形状が取り入れられている。基本となるのはソリッド型だが、より冷却性能を向上させるためにベンチレーテッド型が採用され、さらにベンチの内部にも工夫が取り入れられている。

 ホイールボルトなどによってハブに固定され、車輪と一緒に回転するのがブレーキローターだ。この上にブレーキキャリパーが被せられ、ローターをブレーキパッドで挟み込むことによって制動力が発揮される。単純な円形に見えるが、これにも様々なバリエーションがある。
 もっとも多く使われているのがソリッドディスクで、その名のとおり、一枚の板で構成されている。もともと放熱性に優れたディクブレーキだが、長い坂をブレーキをかけたまま下ると、放熱のバランスが崩れ、温度が上昇し、それに伴ってブレーキ性能が低下するフェード減少が発生する。モータースポーツでも同じような減少が起こる。
 これを抑えるために開発されたのがローター内に空気を取り入れ、冷却性能を向上させたベンチレーテッドタイプだ。厚いローターの中間に穴を開けたタイプの他にフィン形状に成形したもの、フィンを内部で分割して、放熱面積を増やしたもの、さらにピンホールを複数開け、放熱性を向上させたものなど、様々な工夫が取り入れられている。

ドラムブレーキのメカニズム

1960年代、高性能車にディスクブレーキが導入されるまで、ブレーキといえばドラムブレーキを指した。それ以後ディスクブレーキが普及したが、後輪には引き続きドラムブレーキが採用され、今も小型車の多くに採用されている。

ドラムブレーキの基本構造

 ドラムブレーキは円形のドラムの中にブレーキシューを内蔵し、ホイールシリンダーの力によってブレーキシューを外側に押し開き、ドラムの内側に押しつけることによって制動力を発生させる。1960年代に高性能車にディスクブレーキが導入され、そしてそれが普及するまではブレーキの主役だったが、現在、ほとんどのクルマが前輪にディスクブレーキを採用するようになり、ドラムブレーキはコンパクトカーの後輪やパーキングブレーキとして使用されている。

ドラムブレーキのバリエーション

 ドラムにブレーキシューを押しつけるという点で全てのドラムブレーキは共通した構造を持つが、ブレーキシューを開く方法によって、大きく3つに分類される。

・リーディングトレーリング型
 アジャスティングシリンダーによってブレーキシューの下部が支持され、上部には1個のホイールシリンダーがセットされる。ブレーキペダルを踏み、ホイールシリンダーに液圧が伝わるとホイールシリンダーのピストンが左右に押し出され、それに伴ってブレーキシューが押し広げられる。
 クルマの前進方向にセットされるのがプライマリーシュー、反対側にセットされるのがセカンダリーシューと言われるが、プライマリーシューはドラムの回転によって、さらにドラムに食い込む力が強まる自己倍力作用が働き、セカンダリーシューへの作用は少ない。しかし、クルマが後退する場合、セカンダリーシューには自己倍力作用が働く。このためリーディングトレーリングは後輪用ブレーキとして使用され、パーキングブレーキとしても作用する。

・ツーリーディング型
 ピストンを1個しか持たないホイールシリンダーを上下に2個備えたのがツーリーディング型。この構造のため、2枚のブレーキシューはいずれもプライマリーシューとして機能する。前進時は強力な自己倍力作用が得られるが、後退時には、いずれのブレーキシューもプライマリーシューとしての機能しか発揮しないので、利きは低下する。この形式は前輪に用いられていたが、ディスクブレーキの普及に伴い、現在は使用される例はほとんどない。

・ユニサーボ型
 一個のホイールシリンダーでツーリーディングと同じ効果を発揮させるために考案されたのがユニサーボ型。2枚のブレーキシューの下部はアジャスティングシリンダーで連結され、プライマリーシューがホイールシリンダーによって押されると、シューの末端がアジャスティングシリンダーを介してセカンダリーシューの下端を押し広げる。いずれのシューにも自己倍力作用が働くため、強い制動力が得られる。前輪に採用されていたが、現在では使用されていない。

・デュオサーボ型
 ユニサーボ型を基本に、ホイールシリンダーに二つのピストンを組み込んだのがデュオサーボ型。ピストンによってリーディングシューとセカンダリーシューが押し広げられ、さらにアジャスティングシリンダーによってもシューは押し広げられる。これによって前進でも後退でも自己倍力作用が働き、効果的な制動力が得られる。このような特性を持つため、現在は後輪ディスクブレーキに内蔵されるパーキングブレーキとして使用されている。

リーディングトレーリング型ドラムブレーキ。ホイールシリンダーは上部に1個のみで、ブレーキシューを左右に押し開く。左側のプライマリーシューには自己倍力作用が働き、強い利きが得られ、後退ではその逆となる。

上部のシリンダーに二つのピストンを組み込んだデュオサーボ型。前進、後退にかかわらず自己倍力作用が発生し、確実な制動力が得られる。ドラムインディスク方式のパーキングブレーキに用いられている。

グーネットピット編集部

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グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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