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ミッション・駆動系修理・整備 [2020.05.11 UP]

【フライホイールとは?】役割から軽量化のメリット・デメリットまでをご紹介!

【フライホイールとは?】役割から軽量化のメリット・デメリットまでをご紹介!

MT車には必ず付いているフライホイール。エンジンを始動する際も使用されているため、なくてはならないパーツの1つです。車好きな方なら、「軽量フライホイール」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

しかし、フライホイールの役割について知らない方のほうが圧倒的多数だと思います。どんな形をしていて、どんな役割を果たしているのでしょうか?

この記事では、「フライホイールの役割から軽量化のメリット・デメリット」までをご紹介します。

フライホイールの原理

まずは、フライホイールの原理について見ていきましょう。

フライホイールは日本語で「弾み車」と呼ばれ、遠心力によって回転運動のムラを打ち消すための部品です。フライホイールの原理をイメージするためには、腕をぐるぐると回してみると分かりやすいです。

両手に何も持っていない状態で腕を回せば、簡単に回し始めることができますし、止めたいところで止めることもできるはずです。
ところが、両手に重たいものを持つとどうでしょうか?例えば、ダンベルを両手に持った状態で腕を回すことをイメージしてみてください。

回り始めは重くて大変ですし、止めようと思っても急には止められないはずです。これは、中学校の理科で習う「慣性の法則」が働くためです。
静止した物体を動かし始めるにはエネルギーが必要で、一度動いた物体はそのまま運動を続けようとします。

フライホイールの原理は、これとまったく同じものです。回転運動をする物体に回転ムラ(力や速度のムラ)が発生しても、重量物を取り付けておけば慣性によって回転を続けようとします。慣性の力を利用すれば、回転ムラを抑えてスムーズに回転させることができるのです。

フライホイールの役割

フライホイールの役割

フライホイールの原理についてはご理解いただけたかと思いますが、その役割はどういったものなのでしょうか?
フライホイールが持つ3つの役割を、以下でご紹介します。

エンジンの回転ムラを抑える

一般的なレシプロ4サイクルエンジンでは、ピストンが上下に往復しながら「吸気・圧縮・燃焼・排気」という4行程を繰り返します。このピストンの往復運動は、クランクシャフトによって回転運動に変換されます。
これら4行程のうち、力が生み出されるのは燃焼行程のみです。残りの3行程では力を発生させることはありません。

ここで疑問となるのが、ピストンは燃焼した力で下方向に押し下げられたあと、どうして上方向に戻ってきて残りの3行程をこなすのか?という点です。
先ほどの腕を回す運動をイメージすればわかりますが、腕を下げたところで力を加えることをやめると、腕は上がらずに止まるはずです。

そこで登場するのが、フライホイールです。クランクシャフトに円盤状の重りを持たせることによって、ピストンが下がって力を使い切っても慣性によって回転を続けようとします。
ダンベルを手に持って振り回すことをやめても、急には止まらずに回転し続けようとするのと同じです。

4サイクル単気筒エンジンの場合、燃焼1回に対してクランクシャフトは2回転します。燃焼で得られる力はピストンが下がるまでの半回転なので、残りの1回転半は慣性で回し切る必要があるのです。
その上、燃焼の前には圧縮行程があります。混合気を慣性の力で圧縮するためには、かなりの質量を持ったフライホイールが必要になります。

しかし、4気筒や6気筒といった多気筒エンジンであれば、どこかのピストンが下がりきった時点で別のピストンが爆発力を得ることができます。
そのため、クランクシャフト2回転に必要な回転エネルギーが均等化されます。

ただし、多気筒エンジンでも回転ムラがまったく発生しないわけではありません。単気筒ほどの質量は必要ないまでも、多気筒エンジンにもフライホイールは必要不可欠なパーツです。

動力をクラッチディスクに伝達する

エンジンの回転ムラを抑えるというメインの役割に加えて、フライホイールは動力をクラッチディスクに伝達する役割も兼ね備えています。
エンジンが発生する出力は、トランスミッションを経由してタイヤまで伝わります。このエンジンとトランスミッションの間を繋ぐのが、クラッチとフライホイールです。

エンジン側に繋がるフライホイールと、ミッション側に繋がるクラッチディスクがくっついたり離れたりすることで動力の伝達・遮断をおこなっています。
伝達・遮断の操作は、クラッチペダルを踏み込むことによっておこなわれます。

セルモーターからの動力を受け止める

エンジンは一度始動すれば回転し続けますが、始動時だけは外部から回してあげる必要があります。その役割を担っているのがセルモーターです。
エンジン始動時に「キュルキュル」と音がしますが、それはセルモーターがエンジンを回している音です。

余談ですが、始動時に外部からエンジンを回す動作を人力でおこなう機構も存在します。バイクでよく見かける「キック」です。キックを蹴り降ろすことで、セルモーターの代わりにエンジンを回して始動させています。

セルモーターはクランクシャフトに直接繋がっているわけではなく、フライホイールの外周にあるギア(リングギア)に噛み合ってフライホイールを回しています。
フライホイールには、セルモーターからの動力を受け止める役割もあるのです。

ちなみに、一部のハイブリッド車ではセルモーターの代わりにクランク直結の走行用モーターを使ってエンジンを始動するシステムもあります。
近い将来、セルモーターでフライホイールを回す機構はなくなるかもしれません。

エンジン以外にもフライホイールは使われている?

エンジン以外にもフライホイールは使われている?

エンジンに使われる一般的なフライホイールの役割は以上ですが、一部の車種では他の用途に使われることもあります。
どのような用途に使われているのかを、以下でご紹介していきます。

トラックの架装へ動力を伝える

ダンプカーの荷台を上下させたりミキサー車のドラムを回したりと、トラックは架装にも動力が必要な場合があります。この動力がどこから取り出されているのかというと、エンジンです。

このエンジンから動力を取り出すシステムのことを、「パワーテイクオフ」略して「PTO」と呼びます。PTOには、動力の取り出し方によって3つの種類があります。

・トランスミッションPTO
・フライホイールPTO
・フルパワーPTO

これらはそれぞれ用途によって使い分けられ、例えばトランスミッションPTOは停車時にしか動力を使わない場合に用いられるシステムです。

トランスミッションに外部から噛み合わせるためのギアを設けて、そこにギアを噛み合わせて動力を取り出しています。トランスミッションPTOはその構造上、PTOを使いながら走行することはできません。
そのため停車時にのみ使う架装、主に高所作業に使うクレーン車などに使われています。

フライホイールPTOは、停車時でも走行時でも関係なく動力を伝達できるシステムです。トランスミッションPTOのように、停車時のみの使用に限定されません。
フライホイールPTOの場合は基本的に常に動力が伝達されます。ただし、PTOをオン・オフするスイッチが付いている場合もあります。
フライホイールのリングギアに噛み合うセルモーターのように、外部からフライホイールにギアを噛み合わせることによって動力を取り出しています。
フライホイールが回転していれば動力を取り出せるため、走行中・停車中を問わずPTOが使えるわけです。
フライホイールPTOは、走行中でも稼働している必要のあるミキサー車や冷凍・冷蔵車に使われることが多いです。ただし、冷凍・冷蔵車のなかにはPTOを使わずに専用のエンジンで稼働させているものもあります。

フルパワーPTOは、その名の通りエンジンの動力をフルパワーで取り出すためのPTOシステムです。エンジンのパワーを100%使うため、PTOを使用できるのは停車時に限られます。
フルパワーPTOでは、エンジンパワーをフルに引き出せるように、エンジンとトランスミッションの間にPTOシステムが取り付けられています。そのため、別名「中挟みPTO」とも呼ばれます。
フルパワーPTOは、架装が大きな力を必要とするダンプカーやバキュームカー、消防車などに搭載されています。

蓄電装置としての役割

これはあまり一般的ではありませんが、フライホイールは蓄電装置として使われることもあります。この技術は「フライホイールバッテリー」と呼ばれ、すでに実用化されています。

フライホイールでどのように蓄電するか?というと、その原理は意外とシンプルです。モーターでフライホイールを回転させて慣性エネルギーを持たせた状態で保存しておき、必要になったらその回転力を取り出す仕組みです。

フライホイールが回っていることが蓄電になるといわれてもピンとこないかもしれませんが、回転力はエネルギーの一種です。例えば、風力発電は風の力でモーターを回して発電しています。
つまり、モーターを回す力を電力に変換しているわけです。

フライホイールを回転させてモーターを止めても、フライホイールは慣性の力で回り続けます。回り続けるフライホイールの回転力を取り出せば、別のエネルギーに変換できるのです。

ところで、「回転し続ける物体はいつか止まるのでは?」と疑問に思うかもしれません。例えば、コマを回してもいつか回転は止まってしまいます。フライホイールにも同じことがいえそうです。

コマが止まってしまう大きな原因は、空気抵抗と軸に発生する摩擦抵抗の2つです。
フライホイールバッテリーではこれを解決するために、真空状態の容器に入れ非接触の軸受けを採用しています。

非接触の軸受には磁気軸受と呼ばれるものが使われており、磁力で浮かせることで軸受を非接触状態に保っています。接触しないため摩擦抵抗は発生しません。

ここまでの話では車と関係ないように聞こえると思いますが、車のブレーキに加わる力をフライホイールを回す力に変換できるとしたらどうでしょうか?

ブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変換して放出してしまいますが(エネルギーを貯めておけない)、フライホイールは運動エネルギーを回転エネルギーにして貯めておくことが可能です。
フライホイールに貯められた回転エネルギーは、発電や駆動力などに再利用できます。

実は、このシステムを車に実用した例があります。1990年代にクライスラー社がフライホイールバッテリーを利用した「パトリオット」 というレーシングカーで、ル・マン24時間レースに出場しようとしたのです。
基本的にはガスタービンを用いて発電し、モーターを駆動するハイブリッド方式でしたが、フライホイールから動力を取り出す「ジャイロ回生システム」も搭載されていました。
発想自体は素晴らしいものだったのですが、レーシングカーの激しい横Gにシステムが耐えられず、フライホイールが吹き飛ぶ事故が発生し、残念ながらパトリオットがレースで実走することはありませんでした。

パトリオットの後、F1でもジャイロ回生システムが開発されたことがありました。
2009年から運動エネルギー回生システムである(KERS)がレギュレーションで許可され 、多くのチームは一般的なハイブリッドカーと同じシステムの電気式KERSを搭載しました。
多くのチームが電気式KERSを搭載するなか、ウィリアムズはフライホイールにエネルギーを蓄電する機械式KERSを考案し、開発を進めました。
最終的にはウィリアムズも電気式KERSを搭載しましたが、開発した機械式KERSが無駄になったわけではありません。
2012年のル・マン24時間レースにおいて、機械式KERSを搭載した「アウディ・R18e-tornクワトロ」がハイブリッドカー初の総合優勝を果たしたのです。

フライホイールの構造

フライホイールの構造

ここまでフライホイールの役割を解説してきましたが、フライホイールの構造や材質はどのようなものでしょうか?

フライホイールの構造について、詳しく見ていきましょう。

装着箇所はクランクシャフトの末端

フライホイールが取り付けられているのは、クランクシャフトの末端です。クラッチと対になっていることからもわかるように、トランスミッションとエンジンの接合部あたりに装着されます。
クランクシャフトにはフライホイール以外にも、ピストンと繋がるコンロッドやカムを回すためのプーリーなども接合されています。

慣性モーメントを発生させるための設計と材質

フライホイールは慣性によって回転を滑らかにしているため、慣性モーメントを効率よく発生させるための設計と材質が用いられています。

まず設計ですが、慣性モーメントは外径が大きいほうがより大きくなります。また、外側が重いほど慣性モーメントは大きくなります。
そのためフライホイールは、その車のエンジンに適した慣性モーメントを発生するように、外形と重量配分を調整して作られています。

また、慣性モーメントを調整する以外に、一部のフライホイールではダンパー(スプリング)を用いてクラッチを繋いだ際の衝撃を吸収する設計もなされています。
フライホイールに使われる材料は、鋳鉄やクロムモリブデン鋼、アルミなどがメインです。
純正のフライホイールには鋳鉄が採用されることが多く、クロムモリブデン鋼やアルミは社外品の軽量フライホイールに使われることが多いです。

フライホイールを軽量化させる目的とは

フライホイールを軽量化させる目的とは

先ほど軽量フライホイールという単語を出しましたが、フライホイールにはある程度の質量が必要であるとすでに解説しました。それにもかかわらず“軽量”というのはなんだか矛盾しているように思えるかもしれません。
しかし実際、軽量フライホイールというパーツは競技用途で重宝されているのです。

フライホイールは、その質量によってエンジンの回転を滑らかにするのが本来の仕事です。
重すぎてエンジンが回せないほどになると話は別ですが、重ければ重いほど回転は安定し滑らかになります。

これだけ聞くとフライホイールは重いほうが良いように思えますが、実は重いことによって弊害も発生するのです。やたらと重ければいいというものではありません。
最初にフライホイールの役割を解説したとき、腕を回す例を出しました。そのイメージを思い出してもらうと、重たいものを持っていると止めたいときに腕の回転をすぐには止められません。
フライホイールもこれと同じで、慣性の法則によって現在の回転数を保とうとする力が働きます。フライホイールの回転数を変えるには力を加える必要がありますが、必要な力の大きさは慣性力の大きさに比例します。
つまり、フライホイールが重いほど必要な力も多くなるということです。
この特性は一概に悪いものとはいえず、車の走らせ方によってメリットにもデメリットにもなり得ます。

例えば、一定の速度を保ってゆっくり走る人であれば、重いフライホイールのほうが運転は楽です。維持したい速度まで到達すれば、その速度を保とうとする力が大きいからです。
タイヤの摩擦抵抗などによって減速することは避けられませんが、速度を維持するために必要なエネルギーは少なくて済みます。そのため運転しやすいだけでなく、燃費も良くなります。

この理屈は自転車にもいえることで、大きくて重いホイールを装備した自転車(ロードバイクなど)は一定速度に達するまでは大変ですが、到達後に速度を保つのは楽です。
その逆に、小さくて軽いホイールを装備した自転車(折りたたみ自転車など)は速度を保つのは大変ですが一定速度に到達するまで加速するのは楽です。
軽量フライホイールはこれと同じで、加速や減速を繰り返すようなシチュエーションでは重いフライホイールよりもパフォーマンスを発揮します。
つまり、モータースポーツなどの競技用途では軽量フライホイールのほうがメリットは多いのです。

軽くしすぎてアイドリングが不安定になってしまうのは極端として、できるだけ軽いほうが加速や減速に必要なエネルギーが少なくて済みます。
これらの情報を踏まえて、軽量フライホイールにはどのようなメリット・デメリットがあるのかを以下で解説していきます。

メリット

①:レスポンスアップ

もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、軽量フライホイールの一番のメリットはレスポンスアップです。
フライホイールを軽量化することによって、回転数を変化させるのに必要な力が少なくて済みます。つまり、簡単に回転数を変えやすくなるということです。
この効果はアクセルを踏んだ際のレスポンスに影響し、エンジンの吹け上がりが軽快になります。また、アクセルを緩めた際にエンジンの回転数が下がるスピードも速くなります。
モータースポーツの世界では、タイヤのグリップを100%活かして走るために繊細なアクセルワークとそれに応えるエンジンのレスポンスが求められます。
そのため、レーシングカーではレスポンスアップを狙える軽量フライホイールがマストアイテムとなっています。

②:加減速性能アップ

エンジンレスポンスの向上に伴い、車の加速も良くなります。
レスポンスアップの項目でも解説しましたが、軽量フライホイールは慣性モーメントが小さいので動かすのに必要なエネルギーが少なくて済みます。
そのため、加速に使えるエネルギーが増えて加速性能がアップするのです。
実際、軽量フライホイールを装着するとゼロヨン(0-400m加速)のタイムは向上します。コーナーの脱出でも、その恩恵を感じることができるでしょう。
また同様の理由で、減速の際もブレーキの負担が減るため減速性能がアップ(制動距離が縮む)します。エンジンブレーキの効きも良くなるので、フットブレーキの負担も軽減されます。

軽量フライホイールに交換したからといって、実感できるほど制動距離が縮むことは稀ですが、エンジンの回転落ちが速くなることは体感できるでしょう。
実はこの「エンジンの回転落ちが速くなる」という効果が、③のメリットにつながってきます。

③:速くシフトアップできる

フライホイールの重量とシフトの速さは一見関係がないように思えますが、実は関係があります。
先ほど「エンジンの回転落ちが速くなる」ことを触れましたが、これがシフトアップのスピードに関係します。

シフトアップすると、次のギアに入ることでエンジンの回転数が落ちます。例えば、3速3000回転で走っていて、ギアを上げると4速2000回転になる車があったとします。
この場合、シフトアップによって変化した回転数は1000回転です。つまり、1000回転下がるまではシフトを待たなければいけません。

MT車を運転したことがある方であれば、ギアを素早く上げようとしてもシフトが入らなかったり、「ガリガリ」とギア鳴りしたりした経験があると思います。
回転数が適正に下がるまで、無意識にシフトを待っているはずです。

早く回転が下がれば、その分シフトの待ち時間を減らすことができます。
軽量フライホイールに交換すると回転落ちが速くなるため、シフトする際に回転落ちを待つ時間が少なくなるのです。

普段の街乗りでその効果を感じることは少ないと思いますが、サーキットなどアクセル全開でできるだけ早くシフトアップしたい状況では、非常に有利に働くでしょう。

デメリット

①:アクセル操作がシビアに

ここまでフライホイールを軽量化するメリットについて解説してきましたが、もちろんデメリットがないわけではありません。そもそも、良いこと尽くめなら純正フライホイールが軽量化されているはずです。

軽量フライホイールのデメリットとしてまず挙げられるのが、アクセル操作のシビアさです。レスポンスアップといえば聞こえはいいですが、言い方を変えれば敏感すぎて扱いづらいともいえます。
一般的な乗用車では、アクセルレスポンスよりも乗り心地や運転のしやすさが重視されます。フライホイールを軽量化してしまうと、エンジンの回転ムラが大きくなり速度を一定に保つのも難しくなります。

また、エンジンのピックアップが良くなることで、アクセル操作が雑だとピッチングを起こしやすくなります。
ピッチングというのは縦方向の動きのことで、加速時には後ろが沈み、減速時には前が沈みます。要するに急ブレーキ急発進と同じ動きになるので、乗り心地の観点からいえばピッチングはなるべく起こしたくない動きです。
フライホイールを軽量にしても丁寧なアクセル操作を心がければピッチングは起こりませんが、アクセルに神経を集中させる必要があり、結果的に運転していて疲れやすい車になってしまいます。

②:燃費の悪化

フライホイールには慣性モーメントが働くため、惰性で回り続けようとします。フライホイールバッテリーの項目でも説明したように、慣性モーメントは立派な運動エネルギーです。
フライホイールを軽量化すると、慣性モーメントが減ってしまいます。その結果、同じ速度を保つために必要なエネルギーが増加してしまうのです。つまり、エンジンがより多くのエネルギーを発生させなければいけなくなります。
エンジンがエネルギーを得るためには、ガソリンが必要です。当たり前ですが、アクセルを踏み込む量が大きくなればそれだけ燃費は悪化します。

基本的には純正フライホイールで十分

純正のフライホイールはメーカーが膨大なテストを重ねて設定した重量になっているので、その車にとって最もバランスのとれた状態になっています。
むしろ下手に軽量化すると、アイドリングが不安定になったり回転ムラによってエンジンの振動が激しくなったりします。

また、慣性モーメントが減少することによって、アクセルを踏み込んだ際のエンジンレスポンスは向上しますが、アクセルを戻したときに回転数が下がりすぎてしまい運転しにくくなります。
タイムを競うモータースポーツの世界では、軽量フライホイールは素晴らしいアイテムです。むしろ、なくては勝負にならないといっても過言ではないでしょう。

しかし、一般公道を走るうえでは軽量フライホイールはメリットよりもデメリットのほうが多くなってしまいます。一般道で高回転までエンジンを回すのは現実的ではありませんし、渋滞にはまればアイドリングが不安定で落ち着きません。
街乗りに使われる一般的な乗用車であれば、純正のフライホイールで十分と考えて良いでしょう。

フライホイール交換にかかる費用はどのくらい?

フライホイール交換にかかる費用はどのくらい?

前提として、フライホイール交換の必要に迫られることはほぼありません。

なぜなら、フライホイールは消耗して使えなくなることがほとんどないからです。クラッチと対になって摩擦していますが、消耗するのはクラッチディスク側でフライホイールはほとんど摩耗しません。
もしフライホイールを交換する機会があるとしたら、軽量フライホイールに付け変えるときぐらいでしょう。

ただし、クラッチディスクが交換時期を過ぎて異常に磨耗したまま走行していると、摩材下の素地がむき出しになったクラッチディスクがフライホイールを傷つけることがあります。
フライホイール交換には高額な修理費が発生するので、使用限度を超えたクラッチは交換するようにしましょう。

フライホイール本体の価格

もしフライホイールの交換をおこなう場合、部品代はどのくらいなのでしょうか?

純正フライホイールの場合、価格はおよそ1~6万円くらいに なります。価格に幅があるのは、車種によって価格差が大きいためです。
愛車のフライホイールの価格が知りたい場合は、ディーラーなどに問い合わせてみるといいでしょう。

軽量フライホイールの場合、価格は安いものだと3万円くらいです。6万円を予算に見ておけば 、ほとんどの軽量フライホイールが選択肢に入るはずです。

ただし、純正フライホイールと同様、車種やメーカーによって価格差がありますので、購入前に事前によく調べてください。

ちなみに、人気スポーツカーである「トヨタ・86」を例にすると、およそ4~5.5万円くらいが軽量フライホイールの相場のようです。

フライホイールの交換工賃は?

フライホイールの交換工賃については、実をいうと情報がほとんどありません。
というのも、フライホイール交換はほとんどの場合クラッチ交換とセットでおこなわれるため、フライホイール交換単体の工賃が設定されないからです。

場合によっては、クラッチ交換の工賃にフライホイール交換工賃をサービスしてくれることもあるようです。
どうしてもフライホイールだけを交換したい場合は別ですが、基本的にはクラッチとセットで交換することを推奨します。

まとめ

今回はフライホイールの役割や軽量化のメリット・デメリットについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

フライホイールは慣性モーメントによってエンジンのスムーズな回転を助け、速度の維持を容易にする役割があるということでした。
見た目は「単なる円盤状の重り」ですが、エンジンにとってなくてはならないパーツの1つです。

基本的にフライホイールは交換することがない部品なので、現物を見ることはほぼないでしょう。しかし、もしこの記事を読んで興味が湧いた方がいれば、クラッチ交換の際にぜひフライホイールを覗いてみてください。

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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