車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.07.10 / 掲載日:2018.07.10

安全性向上計画Part.3 業者取り付けが原則のシステム

DIY取り付けが困難だったり、無理なシステム。そんな製品も多々ある。先進機能ゆえに、取り付けやセッティングには細心の注意が求められるからだ。最後に、そんな先進機能を有した興味深いシステムをピックアップしてみた。

 安全運転を支援する安全装備は先進技術の塊で、正確に機能させるためには取り付け作業はもちろんのこと、組み付け後のセッティングをマニュアルに忠実に行うことが重要となる。また、そのセッティングを行う際、専用機器を必要としたり、広い作業スペースが求められる。
 このため、DIY取り付けが困難、あるいは不可という製品も多々ある。たとえば、ITEM1の「モービルアイ」は作業開始時やセッティング時に製造メーカーのサーバーにアクセスする必要がある。そのための専用ソフトやサーバーのアクセス権は一般には入手不可。メーカー認定の専門業者でなければ手に入らないため、取り付けは専門業者への依頼が原則となっているのだ。

ITEM.01 5つの警報で事故を防ぐ、後付け可能な衝突防止補助ツール

Mobileye570

●問い合わせ先:ジャパン・トゥエンティワン株式会社アイモバイル事業部●http://www.imobile.bz●標準価格:172,800円(税込)標準取付工賃:乗用車37,800円(税込)中大型車48,600円(税込)

高精度な認識率で走行中に遭遇する様々な危険をキャッチ
 フロントガラスに後付けするカメラが捉えた映像解析によって前方車両・歩行者・オートバイ・車線を、それぞれ個別に検知。衝突の危険が迫るとアイコン表示とビープ音によって警報を発してくれる衝突防止補助システム。
 運輸事業向けトラックバスといった商用車ユーザーに支持され6万台の実績を誇る信頼のシステムで、専用ハードゆえ認識率はかなり高精度で走行中に遭遇する様々な危険を的確にキャッチ。路肩にたてられた速度標識も読み取って認識、制限速度を超えた時に警告を発するなど、とにかく高機能。安全運転を強力にサポートしてくれる。

前方車両衝突警報

前を走る車両との相対速度、相対加速度などから2.7秒以内に衝突する危険があると判断した際、警報ブザーと赤いアイコンで警告。

前方車間距離警報

前方車両までの距離を自車の秒速で割った秒単位の車間距離をリアルタイムで表示。設定秒数より車間が短くなると警告を発する。

車線逸脱警報

渋滞時や信号待ち時、クリープ等で前進することであらかじめ設定した仮想バンパーの範囲内まで近づいてしまった時警告を発する。

低速時前方車両衝突警報

時速55km以上で走行中にウインカーを出すことなく車線をそれた際、警報ブザーと逸脱した側の白線上のアイコン表示で警告する。

歩行者衝突警報

独自のテクノロジーで日中の歩行者を識別。2秒以内に衝突する危険性があると判断した際、警報ブザーと赤いアイコンで警告する。

作業時、取り付けるクルマの詳細なデータを計測する必要があり、サーバーへのアクセスや専用ソフトを立ち上げたPCを接続した状態での各種設定も行われる。

ITEM.02 アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぐ! オートバックスペダルの見張り番

ペダルの見張り番

●問い合わせ先:株式会社オートバックスセブン●https://www.autobacs.com/●オートバックス標準価格:43,198円(取付工賃込・税込)店舗受け取り+取り付けが必須で、本体のみの購入は不可。それゆえ、取付に必要な部品と工賃がセットになったコミコミ価格となっている。

OACとBOSの2つの機能で急発進を防止!
 昨今、高齢者や運転に不慣れなユーザーによる「アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い」による事故が相次いで発生している。「ペダルの見張り番」は、そのような事故を未然に防ぐことを目的に開発された急発進防止装置で、アクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違えた際に機能する「オーバーアクセルキャンセラー(OAC)」。アクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏んだ際に機能する「ブレーキオーバーライドシステム(BOS)」の2つの機能を備えている。
●オーバーアクセルキャンセラー(OAC):ブレーキペダルを踏もうとして誤ってアクセルペダルを強く踏み込んでしまった際、車両側の車速・ブレーキ信号を検知してアクセル開度を電気的に制御することで誤発進を防止する。制御レベルは3段階で設定可能で、停止時および徐行時(前進/後退ともに10km/h未満)に機能する。
●ブレーキオーバーライドシステム(BOS):アクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏まれた際、ブレーキ動作を優先させる働きを行う。これら2つの機能によって「発進時のブレーキとアクセルを踏み間違い」、「アクセルを強く踏み込でしまったことによる急発進」を防止し、後退時の踏み間違いによる急発進も抑制。制御がかかった時はブザー音で警告もしてくれるのだ。アクセルペダルを電気的に制御するという構造から必然的に、ケーブル操作のクルマには取り付けることができないが、軽自動車からミニバンまで、国産車100車種以上に幅広く対応する。が、本製品は店舗受け取り+取り付けが必須で、本体のみの購入や持ち帰りは不可。
 それゆえ、オートバックスグループ店舗で購入して取り付けたオートバックス会員を被保険者とした、1年間の保険付帯サービス(傷害死亡保険金:100万円、障害後遺障害保険金:程度に応じて4万円~100万円)も付属する。

周囲360度を真上から見た映像で表示するシステムも後付け可能

その気になれば容易に手に入る環境が整ってきた
 車両の前/後、左右の4か所に、広範囲を撮影できる超広角の魚眼カメラを設置。広角レンズの使用によって生じた歪みをリアルタイムで補正・合成処理し、車両の真上から見ているかのごとくの映像として表示する「3Dビューアーモニタリングシステム(メーカーによって呼び名は異なる)」は、普及途上で純正採用しているクルマも限られる。
 そんな最新システムの後付けキットが既に流通しているのだ。製造しているのは中国のメーカーで、複数のメーカーから発売されているものの日本国内での販売ルートはかなり限られていた。が、ついにAmazonにも登場。その気になれば容易に手に入る環境が整ってきた。
 ただし、このシステム、取り付け難易度が高く、設置後の補正作業にかなりの手間がかかる。キッチリ動作させるためには中級レベルのスキルでも荷が重いのが現実。購入を考えていたなら、取り付けと仕上げの補正作業までキッチリ面倒見てくれる信頼できる業者を選定・依頼したい。必然的に高価になるものの、結果的に最も賢明な選択となるからだ。

ウインカーを点滅させると視点が移動、点灯側のボディ側面から眺めているような映像となる。

取り付け完了後は歪みを補正するキャリブレーションが必須。クルマ数台分の作業スペースが必要で、手間もそれなりにかかるのだ。




提供元:オートメカニック


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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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