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エンジン関連修理・整備 [2021.03.22 UP]

HONDA S600のエンジン全バラ&OH! その4

短いスタッドボルトならボーリングヘッドがかわすことができるが、ホンダスポーツAS-E系エンジンのそれは、スタッドが長過ぎる。無理に作業すると高い精度を得られない結果となってしまう。

プラトーホーニングでナラシ運転時間は減少

 メーカー純正補修部品の製造納品を行っている井上ボーリングでは、ピストンとシリンダーのナラシ時間を最小限に抑えることができる技術「プラトーホーニング」を取り入れている。旧車エンジンのシリンダーはICBM化がトレンドだが、ASエンジンでもテスト計画があるそうだ。

内燃機加工を依頼した埼玉県川越市のiB井上ボーリングでは、メーカー依頼の純正補修部品の製作と同様にNC管理のボーリングマシンを利用している。

 コンディションが良いエンジン作りで極めて重要なのが、良い圧縮からの爆発燃焼を得ることだろう。今回分解したエンジンには、何とSTDボアのノーマルピストンが組み込まれていた。エンジンコンプリートで持ち込まれたため、事前にコンプレッションデータは測定していないが、ピストンリングの減りや吸排気バルブのアタリ具合から、決してコンディションが良い状態ではなかったことは、察することができる。
 今回は、現代的なハガネリングを採用したショップオリジナルのオーバーサイズピストンを組み込む。理想的には、僅かなボーリングで済む0.50OSもしくは0.75OSをチョイスしたかったが、ショップ在庫が1.25OSしか無かったので、φ55.75mmのピストンを購入。ちなみに同サイズから、さらなるオーバーサイズピストンが数種類ラインナップされているそうだ。
 その昔、ホンダはアッパークランクケースやSTDサイズのスリーブを部品供給していた時代もあった。当時は、内燃機加工を依頼せず、アッパークランクケースに新品の純正スリーブと新品の純正STDサイズピストンを組み合せ、エンジンリビルドすることが可能だった。また、オーバーサイズピストンを組み込む際にも、アッパーケースとシリンダースリーブを一体化してボーリング依頼するのではなく、鋳鉄スリーブ単体でボーリング&ホーニング依頼する例も珍しくなかったそうだ。
 しかし、スリーブ単体でボーリング&ホーニングを施した後にアッパーケースへ圧入すると、ケース側の加工精度に影響され、せっかく高精度に加工したスリーブが、ケースへの低圧入によって歪んでしまい、結果的にはエンジンコンディションが著しく低下。本来持つべき性能は発揮されず、オイル上がりや偏摩耗による抵抗過多で、気持ち良く走れないエンジンに仕上がってしまったこともあったそうだ。
 そんな現実を踏まえ、オーバーサイズピストンを組み込む際には、ボーリング依頼前にアッパーケースのスタッドボルトをすべて抜き取り、新品Oリングと液体ガスケット(トヨタ純正指定の黒色シリコンガスケット)を併用し、スリーブを低圧入。それから締付けボルト代わりになるダミーボルトでスリーブフランジを規定トルクで締め上げ、内燃機ショップにボーリング&ホーニング依頼している。
 シリンダーヘッドに関しては、吸排気バルブを抜き取ると、バルブステムの減りやバルブガイドに目立ったガタは無かった。しかし、排気バルブのフェースが偏アタリをしていたので、吸排気各4本のバルブはフェース加工を依頼した。

NCフライス盤で精密ボーリング

単純にボアサイズを拡大するだけではなく、4気筒の中心線が一致するように、高精度かつ迅速に加工できるのがNCマシンの特徴だ。

ボアを広げても真直度に倒れや気筒間センターにズレがあっては高精度な仕上がりにならない。

ボーリング作業はあくまで粗仕上げ段階だが、これほどまでに美しいボアに加工されるのは、切れの良いツール(刃具)を使って、安定的に機械を稼働させているから。

切れの悪いツールではこのような仕上がりにならない。

プラトーホーニングの美しさは格別!!

ホーニング技術、仕上げ面粗度の決定には様々な手段あり、それはホーニング担当技師の経験と勘に委ねられることが多い。そんな中でもプラトーホーニング仕上げは、最高峰の技術と言えるだろう。

仕上げ寸法のボアサイズに対して、35-40/1000mm手前までボーリングマシンでオーバーサイズ加工を進める。ピストン外径を測定してから、数回に分けで徐々に狙った寸法へ近づけていくのだ。

ダイヤモンド砥石で深溝ホーニング

ボーリング加工の仕上げ寸法は、ピストンクリアランスを残したピストン外径実寸値とほぼ等しいと考えて良い。プラトーホーニングは粗磨きのダイヤモンド砥石を使った後に、仕上げ専用砥石でプラトー(高原)形状に磨き上げられる。

プラトーホーニング後は面粗度測定

ダイヤモンド砥石を使って粗い溝を掘ってから、仕上げ砥石で粗削り先端を磨き、平らな面を高原状に仕上げるプラトーホーニング。

作業後は面粗度計でシリンダー壁面粗度をデータ化し納品する。高原面と溝の混在がわかる。

内燃機加工の未来を積極模索

取材に協力してくれた、自社開発のアルミ特殊メッキシリンダー「ICBM」が好調なiB井上ボーリング。普段の足としても利用している井上社長の愛車、ホンダビートのエンジンにもICBMシリンダーが組み込まれている。近い将来、ホンダS800のオールアルミスリーブICBM計画もあるそうだ!!

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