故障・修理
更新日:2021.02.18 / 掲載日:2021.02.18
アウディのエンジンOHに挑戦!4
オイルパンの中ほどに飛び出ているのが、エンジンオイル量を計測するセンサー。目視確認のレベルゲージは装着されない。
再使用不可のカバーだが再使用してしまった。
液体ガスケットを塗り過ぎると内部にはみ出し、ストレーナーの詰まりの原因になるので注意深く塗っていく。
菊の花びら形状でセンターを出す珍しい形状のクランクプーリーは、取り付位置を間違うと「花びら」が潰れてしまうので慎重に行う。
エンジンスタンドを外して、リヤメインシールを交換する。装着時は右写真のようにガイドボルトを使うと、ずれることなくピタリと装着できる。
エンジン組付けはひと段落。エンジンクレーンを用いてエンジンルームに収める準備に取り掛かる。作業もようやく終わりが見えてきた。
オイルパンやタイミングカバーを装着する前に、今一度整備書の手順を復習。ボルト締め忘れやパーツの取り付け方法、タイミング系の再確認に加え、ワッシャーなどの装着忘れもチェックして万全を期す。またデジカメでステップ毎の作業画像を撮っておくと、後でトラブルが起きた時に確認作業が楽になる。エンジンはやり直しも面倒なので、手順確認は大いに役立つのだ。
エンジンの火入れは珍しく一発で始動。難解作業ゆえに時間をかけたのが良かったのかも? 始動後はLLCのエア抜きの状態や水温、油圧を確認。抜けにくいエンジンだと暖気中にガレージの天井まで熱水が吹き出すこともあるが、今回はスムーズにエアが抜けた。また締め忘れたホースクランプから熱湯が漏れることもあるが、この問題もクリア。久々の渾身のOHになった予感がする(笑)。
早速テスト走行に出かけると、リバース時に感じたガクガクするショックが無くなったことにまず気が付いた。これは千切れたエンジンマウントを交換した効果だろう。今回はバルブ回りの清掃は行っていないが、エンジンの調子もすこぶる良くなった。これはカーボンが堆積したピストンを交換したことによる、燃焼室の掃除効果のおかげだろう。あとはオイル消費が改善すれば万々歳です。
3/8インチのアダプターはあっさりと折れてしまうほどの強大トルク。ここは整備書通りに新品ボルトを購入した。
ベルハウジングの取り付けボルトの長さが異なるので、装着位置を事前に確認。取り付けボルトはアルミ製。ネジ山は壊したくない。
フレックスプレートの位置を確認しながらミッションを持ち上げる。
エンジンブロックにガイドボルトを仮装着してスムーズな合体を目指す。
走行10万km弱で右側のエンジンマウントはバラバラ。左右ともマイレ製に交換することにした。バック時のショックはこれが原因か?
シリンダーの摩耗予防のためにエアクリナーは新品を使う。取り付けをミスるとダストの原因になるので、装着は慎重に行った。
ドイツ車はタンク内にタブレット状の冷却系防錆剤が装着されていることもある。適合するLLCを使ったほうが安心。
LLCを入れたら漏れとエア抜き確認を行う。今回はスムーズに抜けたが、抜けにくいクルマは熱水噴出することもあるので注意。
ATFクーラーを取り外した際にATFが漏れてしまったので追加で補充する。アウディはDSGなので専用オイルが必要だ。
問題だったオイル消耗は解決!苦労しただけの見返りはありました!
リングの交換前は、千キロあたり4Lという驚愕のオイル消費だったが、交換後は正常範囲内の250ccまで低下した。リングの当たりがつけばもう少し低下するかも(歓喜)。