故障・修理
更新日:2022.01.01 / 掲載日:2022.01.01

DIY“俺”バイク製作記【VOL28】

自分だけのオリジナルバイクを作ってみたい!そんな思いからスタートしたオートメカニック誌の長期連載企画。さまざまな困難を乗り越えて完成を目指す!
 タンクとシートが定位置に収まったことで、ようやく乗車時のシートポジションを決める環境が整った。そこで、ハンドルとステップを製作することにしたが、エイプのフロントフォークが余っているという連絡が。迷わず、移植することにした。

●文:オートメカニック編集部(鈴木伸一) ●写真:飛澤 慎
この記事の目次

03 ハンドルを製作する

ステムを利用してセパレートハンドルを作る
 製作するのはセパレートハンドル、通称「セパハン」で、ステアリングステムのホルダー部を切り離してパイプを溶接するだけと、作り方は簡単⁉
 ただし、走行中に剥がれたら洒落にならないため、キッチリ確実に溶接することが大前提! このため、誰でも作れるというわけにはいかない。安全を考えると上級レベルの溶接スキルが必須だ。
 なお、ステアリングステムとフロントフォークはエイプに換装したため、材料もこれに合わせてエイプ用を調達した。
セパハンの材料はなんと「ステアリングステム」。インナーチュブをホールドするホルダー部を流用してセパハンに仕立てるのだ。これならインナーチューブにガッチリ固定できる。ホルダー部を切り落としてパイプを溶接するだけと、作り方も基本的には簡単だ。
左右両端のホルダー面を切り離す
足回りはエイプに換装したため、材料のステアリングステムもエイプのものを使用する。ホルダー端から40㎜の位置に切り出し線を記入する。ディスクグラインダーにカット刃を組み付け、ステアリングステムに記した切り出し線に沿ってカットして、左右のホルダー部を切り離す。切り出したホルダー部の上面を背合わせにしてインナーチュブにはめ込み、固定ボルトをキッチリ締め込み固定する。ディスクグラインダーで切断面に残ったバリを削り落としつつ、腕の長さと断面角を揃える。
切断面にパイプを溶接する
ハンドルパイプはフレーム製作に使用したφ22㎜パイプで、このように先端を少し飛び出させた状態でホルダー部の切断面に溶接する。飛び出し量は30㎜に設定。位置合わせ用の目印を記入する。ホルダー切断面にパイプを密着させ、位置合わせをして点付けで仮固定。ホルダー部を立てた状態で安定させ、接続面を端から端まで切れ目なく溶接する。インナーチュブに組み付けて持ち手部分の長さを検討する。グリップ末端からスイッチホルダー端まで約170㎜。これに30㎜ほどの余裕をみて200㎜とした。溶接面端から200㎜を残してパイプカッターでカットする。アクスルグリップを組み付けて収まりを確認。巧く収まった。見た目のバランスもよい。
右ハンドルに合わせて左ハンドルを製作する
完成した右ハンドルのホルダー部上面と背合わせにして左ホルダー部をはめ込み、仮固定。パイプを沿わせて飛び出し量を揃え、溶接位置とカット位置を記入する。左ホルダー部を取り外し、右側と同様の手順でパイプを溶接。パイプをカッして完成だ。
フレーム側にステアリングストッパーを取り付ける

ステアリングステムの上面にある突起はハンドルストッパーで、フレーム側に設けられた左右の切れ角を制限するプレートに接することで、それ以上ハンドルが切れるのを防ぐ働きをする。次に、その制限プレートを設ける。ハンドストッパーがないと据え切りした時ハンドルとタンクの間に手が挟まれてしまうからだ。制限プレートは帯材を利用して、このようにヘッドチューブ側面に設置する。ストッパーを支えるのに必要な長さにカットし、切断面のバリを落として形を整える。ハンドルとタンクの間に一定のクリアランスが確保できる切り角にし、制限プレートの設置位置を確認。その位置に点付けで仮固定。ハンドルを回して作業スペースを広げ、本溶接する。これでストッパーが機能するようになった。右側も同様に制限プレートを設置する。


トップブリッジを組んで収まりを確認
付け高さを合わせてトップキャップを締め込む。そして、ステムホルダー部の固定ボルトをキッチリ締め、定位置に固定する。トップブリッジを一旦外してセパハンを組み付ける。トップブリッジを元通り組み付け、据え切り状態にしてハンドルとタンクの間に木片を挟み込む。この状態でセパハンホルダー部の固定ボルトをキッチリ締め込み固定する。右ハンドルも同様の手順で固定して、ハンドルまわりの完成だ。

取材で毎回お世話になっているのが「表現工房」さんだ
表現工房 八王子作業所・事務所


モノ作り教室を開催している「表現工房」の本拠地は東京都八王子市の「八王子作業所」で、幹線道路に面した路地の突き当たりにある。


〒193-0813
東京都八王子市四谷町604ー3
●URL/http://hyougenkoubou.jp/
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ライタープロフィール

内外出版/オートメカニック
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