故障・修理
更新日:2022.01.01 / 掲載日:2022.01.01

DIY“俺”バイク製作記【VOL27】

自分だけのオリジナルバイクを作ってみたい!そんな思いからスタートしたオートメカニック誌の長期連載企画。さまざまな困難を乗り越えて完成を目指す!
 タンクとシートが定位置に収まったことで、ようやく乗車時のシートポジションを決める環境が整った。そこで、ハンドルとステップを製作することにしたが、エイプのフロントフォークが余っているという連絡が。迷わず、移植することにした。

●文:オートメカニック編集部(鈴木伸一) ●写真:飛澤 慎
この記事の目次

02 フロントサスを組む②

ホイール中心をフレーム中心線に合わせる
 フロントホイールはCD90を利用するが、エイプの左右フロントフォークの間隔はCD90より広く、ホイールを仮組みしてみるとアクスルカラーとボトムケースの間に5㎜ほどの隙間が生じる。
 ところが、それでいてホイールはアクスルカラー側に寄っており、センターを合わせるためにブレーキパネル側にズラす必要があるのだ。しかし、それを行うとアクスルカラーとボトムケース間のクリアランスはさらに広がることになる。
 このため、やはりポン付けというわけにはいかないのだ。
 なお、アクスルシャフトの直径も異なるため、シャフトを作り直すかホイールベアリングを打ち替える必要がある。が、すぐには材料が揃わないため、後日対処することとして作業を進めることにした。

アクスルシャフトは作り直す必要がある
CD90のアクスルシャフトはエイプと比較して雄ネジの長さ分短く、直径も細いため作り直す必要がある。が、後日対処する。タイヤが組み付けられたCD90のフロントホイールを組み付けるとインナーチューブが100㎜ほど飛び出てしまう。しかも、ボトムムースも長いためストロークが少なすぎ。フロントフォークに合わせて組み上げることにした。
幅には余裕があるがセンター合わせが必須
CD90のアクスルシャフトは細いため、そのままではガタガタ。ホルダー部のスペーサーも必要だ。しかし、ナットは締められないもののボトムケース間は届いているため、このまま作業を進める。CD90のホイールからタイヤを取り外す。これでなんとか定盤に載せたまま、フロントフォークに組み付けることができる。ホイールがアクスルカラー側に寄っているためドラム側にズラす必要がある。それでも5㎜ほど隙間が生じる。
治具を作ってセンターを割り出す
ボトムケースの内側頂点位置に厚紙を貼り付ける。反対側からも同様に厚紙を貼り、重なった面を押さえつつテープを貼って繋ぎ合わせる。ケース間隔に合致させた厚紙を外して中心を割り出し、中心線を記入する。再び、ボトムケースに組み付ける。この厚紙の中心線がセンターの基準となる。型取りゲージでリム形状を写し取り、厚紙に転写する。切り出してリムにあてがい、ピッタリ収まるよう微調整する。リム間の幅から中心を割り出し、中心線を記入する。リムにあてがい、中心位置を記入する。センター基準線に沿うよう針金を貼り付けてて延長し、リムに描いた中心線からどれだけズレているか確認する。測定値は2.8㎜で、ドラム側のボトムケースの当たり面を削って合わせる。
ドラムストッパーをズレ分、削り込む
削るのはドラムストッパーとアクスルシャフト穴の2か所。フライス盤のマシンバイスにシャフト穴端面が水平になるよう固定。切削面にエンドミルが軽く接触するまで主軸を下ろして0点を合わせる。ゲージを確認しながら外側から内側に向かって四角を描くようにして、2.8㎜削り込む。
ドラム当たり面も同量削り込む

削り込んだドラムストッパーの端面を基準に、アクスルシャフト穴の側面に切り込む面位置を記入する。エンドミル下に切削面を移動。エンドミルが軽く接触するまで主軸を下ろして0合わせする。ゲージを確認しながら2.8㎜削り込んでいく。工作機械ゆえ、垂直かつキッチリ平面が出ている。

アクスルカラーも作り直す
ブレーキドラムとの接触面を削ったことでリム中心がセンターにピッタリ合致! ただし、ドラム位置を横にズラしたことでアクスルカラーとボトムケースの隙間はさらに広がった。その隙間をアクスルシャフトにマーキングしてホイールを取り外す。隙間は7.4㎜。純正アクスルカラーの長さは23㎜あるため、30.4㎜のカラーを製作する。材料は丸棒鋼材で、目的のサイズに旋盤で削り出す。チャックにセットして芯出ししつつφ21㎜に仕上げる。仕上がり寸法を確認。OK、次の工程に入る。
削り出した棒材にシャフト径の穴を開ける
センタードリルを使用して丸棒の中心にセンター穴を開ける。シャフト径サイズのドリルに組み替え、シャフト穴を開けていく。加工部分を必要な長さに切り落とす。なお、この作業は通常、ハイスバイトで突っ切りするが、時間短縮でディスクグラインダーを利用とのこと。切り落とした加工部分をチャックにセットし、切断面の平面出しをしつつ目的の長さに削り込む。仕上がりを確認。ジャスト30.4㎜。純正カラーと比較してこれだけ長くなった。ホイールに組み付けて収まりを確認。ピッタリ、これで一段落だ。
取材で毎回お世話になっているのが「表現工房」さんだ
表現工房 八王子作業所・事務所


モノ作り教室を開催している「表現工房」の本拠地は東京都八王子市の「八王子作業所」で、幹線道路に面した路地の突き当たりにある。


〒193-0813
東京都八王子市四谷町604ー3
●URL/http://hyougenkoubou.jp/
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ライタープロフィール

内外出版/オートメカニック
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