DIY“俺”バイク製作記【VOL23】

　前回の作業でやり残してしまったタンクの漏れチェックとフレームへの固定。そして、本塗装の1歩手前までの仕上げ。今月はこれらを行い、ドカッと座った状態でハンドルやステップのポジション確認ができる状態にまで仕上げる。

●文：オートメカニック編集部（鈴木伸一）　●写真：飛澤　慎

05溶接で組み上げる

後端の固定ステーを作りタンクに溶接する
　シートカウルが定位置にネジ止めできるようになったところで、次にアルミタンクの固定ステーに取りかかる。
　この固定ステー、前端部は作り付けのため、作業のメインは後端のステー作りと取り付けとなる。その後端ステー、1枚のアルミ板から周囲を囲む補強リブを馬蹄形状に叩き出すという、凝った作りの入魂の一作。必見だ。また、前端ステーはラバーグロメットを利用したフローティング構造となる。
　ところで、このアルミタンクの材質。以前のリポートで「3000番台」のアルミ合金と称してしまったが、正しくは「5000番台」。ここに間違いをお詫びするとともに訂正いたします。

アルミ板を加工してタンク後端の固定ステーを制作する

タンク後端のステーもアルミ板を加工して製作する。ただし、1枚板では弱いため、周囲にリブを設けることで強度を高める。まず、幅広の帯状にカットする。円柱の鉄材を用意し、切りだした板材の中心にくるよう配置した状態で万力にしっかり固定する。板上端を円柱に巻き付ける感じに半円に叩き起こす。ある程度円柱に密着したら外して一定幅になるようカット。万力にセットして形を整え、90度回転させて側面を円柱幅にまっすぐ叩き起こす。反対側面も同様に叩き起こしたら取り外し、リブ幅を5㎜ほどに合わせてカットする。形を整え、円柱からはみ出す底面部をまっすぐカットする。これで完成！

慎重に位置決めしてタンク後端に溶接する

アルミタンクをフレームにセットし、完成したステーをタンク後端に当てがってどのように固定するか検討する。円柱跡の中心がシートフレームの横棒中心にくるよう、タンク中心線上に固定すべく、現物合わせで固定位置をタンク後端面にマーキング。アルミタンクをフレームから外し、固定ステーをガムテープでマーキング位置に仮固定する。固定ステーの両端をタンクに点付けする。仮止めしたところで、フレームにスムーズに脱着できるか確認する。問題が無ければタンク接する面をグルッと一周、本溶接してガッチリ固定。リブ上端の角をヤスリがけして丸めておく。

固定用のネジ穴を設ける

アルミタンクをフレームにセットして固定ステーをシートレールの横パイプに密着させ、円柱跡の中心が横パイプの中心に合致することを確認する。円柱跡の中心にφ6㎜の穴をあけ、フレームにセットして現物合わせでフレーム側のネジ穴位置をマーキングする。その位置にφ5㎜の下穴をあけ、M6のタップで雌ネジを切る。

後端を決めたところで前端の固定ポイントを加工する

完成した後端ブラケットをシートフレームにセット。位置合わせ後、点付けで仮固定する。シートカウルをセットしてブラケット上面がカウル裏と平行に接アルミタンクをフレームにセット。後端ステーのネジ穴を横パイプのネジ穴に合致させてボルト止めする。前端ステーの中心部にネジ穴位置を印し、その位置にφ８㎜の穴をあける。前端ステーにあけたネジ穴位置に合致するフレーム側のネジ穴位置を現物合わせでアッパーパイプに印し、φ５㎜の下穴をあけてＭ６のタップで雌ネジを切る。前端ステーとアッパーパイプの間にはゴムのグロメットを組み込む。そのグロメットにφ８㎜のアルミパイプを通して前端ステーの下からはめ込んでフレームにセット。パイプ端がステー上面から軽く飛び出すようアルミパイプの長さを調整。Ｍ６ボルトを締めて完成だ。

アルミタンクをフレームにキッチリ固定できたところでシートカウルを組み付け、脱着時や固定時、固定状態で干渉する箇所がないか確認。問題が無ければ一段落。いよいよ今回の予定メニューの最終工程に入る。

取材で毎回お世話になっているのが「表現工房」さんだ

表現工房　八王子作業所・事務所


モノ作り教室を開催している「表現工房」の本拠地は東京都八王子市の「八王子作業所」で、幹線道路に面した路地の突き当たりにある。


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