故障・修理
更新日:2021.12.27 / 掲載日:2021.12.27

DIY“俺”バイク製作記【VOL20】

自分だけのオリジナルバイクを作ってみたい!そんな思いからスタートしたオートメカニック誌の長期連載企画。さまざまな困難を乗り越えて完成を目指す!
 前回の作業でやり残してしまったタンクの漏れチェックとフレームへの固定。そして、本塗装の1歩手前までの仕上げ。今月はこれらを行い、ドカッと座った状態でハンドルやステップのポジション確認ができる状態にまで仕上げる。

●文:オートメカニック編集部(鈴木伸一) ●写真:飛澤 慎
この記事の目次

02気密性のチェック②

漏れをつぶしきるまで削って埋めるを繰り返す
 漏れ穴は溶接で埋めるが、漏れ箇所には「す」が入っている確率が高く、上から溶接しただけだとすが入って弱まっている部分に圧力が逃げ、新たな漏れ箇所が生じる可能性がある。
 そんな状況に陥ってしまうとモグラ叩きをしているがごとく、埋めては漏れの繰り返しで時間を無駄に消費するだけ。なかなか漏れが止まらなくなる。
 このため、発見したエア漏れ部位はリューターで削って深くえぐることで、すが入っている可能性がある面も取り除いてから溶接で埋め戻す。この作業を漏れ箇所をつぶしきるまで繰り返すのだ。
エア漏れしている部位を削り落とす
ブクブクと泡立つ部位を見つけたらウエスでさっと水分を拭き取り、ただちにリューターで削り込む。この際、深くえぐるように削り込む。エア漏れを起こしている溶接面にはすが入っている確率が高く、それを放っておくと漏れ穴が広がる可能性があるからで、深くえぐり取ることですが入っていると疑わしき面ごと取り除いてしまうのだ。
削った面を溶接で塞ぎ、再度もれチェック!
削り込んだ面に残った削りカスをきれいに取り除き、水分を確実に拭き取る。TIG溶接で削り込んだ面を加熱し、アルミ溶接棒を溶け込ませることでえぐり取った面を埋め戻す。キッチリ埋め戻したら、再度漏れチェック。圧縮エアでタンク内に圧力をかけ、溶接した面に洗剤溶液をスプレーして泡立たないことを確認する。もしもまだ漏れるようなら、再びリューターで削り込んで溶接し直す。
同様にして漏れ箇所を全て塞ぐ
アルミ板を溶接でつなぎ合わせた面は全て漏れチェックを行い。漏れを発見したならリューターで削り込んで溶接。これを漏れがなくなるまで繰り返す。また、溶接跡を研磨して平らに均した面は、プレスラインが途切れることなく再現できるよう、削り代を見越して多めに盛り上げておく。
最後に水に浸して微細な漏れを確認!
発見した大穴を一通り埋め、いくら洗剤溶液をスプレーしても泡立たつ箇所が見つからなくなったら、アルミタンクがスッポリ収まる容器を用意して水を張る。そして、圧縮エアで加圧した状態で水に沈めてみる。微細な穴が残っていれば、その部位から細い泡柱が立ち上る。なにも起こらなければ気密性のチェック完了!
タンクの溶接部から泡が! 気密性が保たれていない証拠。修正作業に取り掛かるぞ!
取材で毎回お世話になっているのが「表現工房」さんだ
表現工房 八王子作業所・事務所


モノ作り教室を開催している「表現工房」の本拠地は東京都八王子市の「八王子作業所」で、幹線道路に面した路地の突き当たりにある。


〒193-0813
東京都八王子市四谷町604ー3
●URL/http://hyougenkoubou.jp/
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ライタープロフィール

内外出版/オートメカニック
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