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DIY“俺”バイク製作記【VOL11】

車検・オイル交換・キズ・ヘコミ
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整備・修理・塗装・板金
掲載日:2021.09.08 / 更新日:2021.10.30

DIY“俺”バイク製作記【VOL11】

自分だけのオリジナルバイクを作ってみたい!そんな思いからスタートしたオートメカニック誌の長期連載企画。さまざまな困難を乗り越えて完成を目指す!

 製作したフレームは「スクランブラー」に仕立てるべく設計されたものだったため、オリジナルバイクも当初はその方向で製作する予定だった。が、諸般の事情から「スポーツ」モデルへと変更。それに伴いパーツの製作順も微妙に変化してきた。
●文:鈴木伸一 ●写真:飛澤 慎

05:積層と型抜き

雌型内にマットを積層して固め、抜き出す

 原型の周囲に貼り込んだFRPから原型を引き抜けば雌型の完成となるが、原型が貼り付いてしまって抜けなくなってしまった。

 離型処理してあるため本来、端を引き剥がして隙間を作ればスポっと抜けてくる。どうやら、その離型処理があまかったようだ。とはいえ、作り直すだけの時間的余裕もない。

 そこで、最後の手段。原型を破壊して取り出した。幸い雌型は無傷で、問題なく使うことができた。

完成した雌型から原型を引き抜く

フランジ成型用の厚紙を剥がし、原型と雌型の間にプラスチックヘラを差し込んで隙間をつくり、そこにエアブローガンで圧縮空気を送り込む。通常、これでパリッと原型は剥がれるのだが、ビクともしない。雌型をキズ付けてしまっては元も子もないため原型を破壊して取り出す。なんとかキズを付けずに取り除けた。

研磨して型内面を滑らかに仕上げる

雌型に貼り付いて残った原型の残骸をサンドペーパーで削り落として平らに均す。指先で撫で回して細かな凹凸や残っている箇所がないか確認する。問題がなければ離型処理を行う。隅々までFRP離型用特殊ワックスを塗り込んで十分乾燥。これを最低3回、繰り返す。

型内面をカバーできるサイズにクロスをカット

雌型に包装紙を重ね、中心部を押し込んで型内に密着させる。そこを基点に周辺部を、内から外に向かって型内に密着させていく。ピッタリ密着したら雌型の外周部をペンでなぞってマーキングする。包装紙を抜き出してマーキングラインに沿って切り抜く。これは貼り込み面の型紙で、積層用のマットとクロスはこの形状に切り出しておく。型紙をガラスクロスに重ね、外周をペンでなぞることで型紙形状を転写する。転写した形状にガラスクロスを切りだし、ガラスマットに重ねて形状を転写して同様に切り出す。

ガラスマットを2~3層、積層する

ガラスマットを雌型に重ね、中心部を押し込んで型内に密着させる。カウル面の前端をポリエステル樹脂を染みこませた刷毛の毛先で突くようにして樹脂を浸透させつつ貼り込む。樹脂がムラなく浸透して雌型に密着したら外周に向かって貼り進める。そして、カウル面を貼り終わったところで脱泡ローラーを擦って泡抜きしつつ表面を慣らしていく。残りの座面側を前方方向に向かって貼り進めていく。貼り終わったら、脱泡ローラーで擦って表面を慣らし、この上に同様の手順でガラスマットを2~3層積層する。

最後にガラスクロスを貼り込む

切り出しておいたガラスクロスに型紙を重ね、曲面合わせ用の切り込み入れる。雌型内にピッタリ納まる位置に重ね、かるく押し込む。まず、カウル面の前端をポリエステル樹脂を染みこませた刷毛の毛先で突くようにして貼り込む。樹脂がムラなく浸透して雌型に密着したら、カウル面の残りを外周に向かって貼り進めていく。カウル面を一通り貼り終わったら、脱泡ローラーで擦って樹脂が均一にガラスマットに含浸し、平に仕上がるよう泡抜きと表面慣らしを行う。そして、残りの座面側を前方方向に向かって貼り進め、仕上げに脱泡ローラーで擦って表面を慣らして貼り込み作業は完了。

硬化したら雌型から分離して完成!

本来のゲル仕様で作り直したカウル

完全に硬化したら雌型から脱型する。雌型と作品の間にプラスチックヘラを刺し込んで隙間を広げていく。全体的にすき間ができたところで、引き剥がす。フランジの根元を狙ってエアソーでトリミングして完成だ。なお、本編取材時は時間短縮を目的にゲルコート抜きで仕上げたため、仕上がりもそれなり。それを気にしていた嶋本氏。なんとゲルコート仕上げのカウルを作ってくれていた。これが本来の完成バージョンだ!

■次回はシート位置を基点にタンクを製作!

タンクデザイン変更後の図面

シート位置変更前のタンクはずんぐりとしたイメージで、どちらかと言えばオフロードっぽい形状だった。下の図面は着座位置の変更に伴うタンクデザイン変更後の図面で、全長を10cm伸ばしただけで、スリムでスポーティなイメージに! だいぶそれらしくなってきた。次回はこのタンクをアルミで製作する。

取材で毎回お世話になっているのが「表現工房」さんだ

表現工房 八王子作業所・事務所

〒193-0813
東京都八王子市四谷町604ー3
●URL/http://hyougenkoubou.jp/

モノ作り教室を開催している「表現工房」の本拠地は東京都八王子市の「八王子作業所」で、幹線道路に面した路地の突き当たりにある。

ライタープロフィール

内外出版/オートメカニック
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