故障・修理
更新日:2018.10.10 / 掲載日:2018.10.10
絶対やっちゃダメ!禁断のクルマ実験室01 パワーウインドウに巻き込まれてみるとどうなる?
クルマのタブーに敢えてトライすることで、設計思想の奥行きや限界を知ることができるかもしれないという当企画。今年はついにHVを導入し未体験ゾーンにチャレンジした。
当企画初のハイブリッドが登場!
TOYOTA プリウス NHW20
平成17年(2005年)の前期型。トヨタのサイトでの車体番号検索に加え、エレクトロマルチビジョンやパーキングアシストが付いていることから、Sツーリングセレクションプレミアムと思われる。
ハイブリッド特有のメカニズムでもタブーにトライ!
クルマは使い方を間違ったり、限度を越えて使うと故障や事故につながりかねない、やってはいけないことがたくさんある。また、ユーザーが間違って行いそうなことを想定して、危険な状態にならないような安全機構も備わっている。そこをあえて実行するのがクルマ実験室。
前回は、ガソリン車2台を使ったが、今年はハイブリッドカーのプリウスを入手。電装系や駆動系では独特の機構を備えるクルマだ。例えば、前回のガソリン車はATのシフトがメカ式で、走行中にRやPに入れると、操作の通りに異常が発生したが、プリウスはエレクトロシフトマチックという電制方式が採用されている。エアコンでも、エンジン車はコンプレッサーをエンジンで回すが、プリウスは電動コンプレッサーが付いている。それらに対しては、従来車と同じ実験をしても結果が違ってくると想像できる。
このプリウスは、走行33万kmだが、ハイブリッドバッテリーもまだ元気なようで、燃費も条件が良ければ25km/Lをオーバーする。駆動系は、エンジン停止から再始動する時に、瞬間的にタイヤに駆動力がかかって揺さぶられたり、バックでCVTのジャダーのようなユサユサ振動が出るなど、不具合の徴候も少し見られるが、実験のプログラムをこなす力は十分あると考えられる。
吸盤取り付け用品が巻き込まれやすい
パワーウインドウの作動力はかなり強力で、時々痛ましい事故につながることがある。挟み込み実験は前回やっているので、今回は巻き込み実験を行った。巻き込みとは下降側でウインドウとドア内装の隙間に引き込まれることで、起こる可能性は挟み込みより圧倒的に少ないだろうし、あっても危険になりにくい気がする。せいぜい、髪の毛が巻き込まれるくらいか。あるいは、水切りゴムがヘタって隙間が大きくなった時に幼児の指が挟まれる恐れがあるかも知れない。
プリウスでは全席オートで挟み込み防止は付いているが、この世代では巻き込み防止はない模様。そのため下降力は強力。吸盤式の日除けは、2つある吸盤のうち1つは飛んでいき、もう一つ吸盤を巻き込んだ時点で止まった。過負荷防止が働いたのだろう。用品によっては内装にダメージが及ぶ恐れがある。
一級自動車整備士まで取得できる自動車整備の名門校。リーフやプリウスPHV、GT-Rなどの最新車も導入。校内はエンジンなどのカットモデルが多数展示され、見学も楽しい。公開イベントもあるのでサイトでもチェック。