フロントバンパーがずれた（外れた）場合の修理（はめる）方法

ちょっと縁石にひっかけたり、こすったりしてしまうとフロントバンパーが外れてしまったり、ずれて傾いてしまう事があります。フロントバンパーが外れそうだったり、ずれたままの状態は、いつバンパーが外れて脱落してしまってもおかしくない、危険な状態とも言えます。ここではフロントバンパーがずれた場合の修理方法について説明します。

この記事の目次

1. 日本車のフロントバンパーの特性
2. フロントバンパーはどのように取付けられているのか
3. フロントバンパーがずれた場合の修理方法（応急処置）について
4. フロントバンパーがずれた場合はバンパー脱落の危険性を考える

日本車のフロントバンパーの特性

日本車のフロントバンパーはほとんど、金属より剛性の弱い樹脂製です。万が一の事故の際に歩行者に与える衝撃を少しでも少なくしたいという考えが浸透しているため、あえて衝撃により変形しやすい素材を使用していることが一般的です。衝撃によって簡単に凹む柔らかさを持つバンパーですから、少しぶつけただけでも変形したり、ずれたり、外れてしまう場合があります。

フロントバンパーは、大きなパーツの割にネジ止めされている箇所は多くありません。位置決めのために数ヶ所と、フロントタイヤ付近のフェンダー部がネジ止めされている他は、ボディ側とバンパーを接続するためのクリップをはめて差し込む形で固定されています。バンパーがずれたり、外れてしまった時の多くは、このクリップの外れによるものです。

まずは、フロントバンパーとボディを接続する、クリップを正常に戻すことが重要となります。クリップの向きに注意して強く押し込むと、クリップがハマり、フロントバンパーが固定されます。この時のコツは、なるべく上方向に押し上げながら押し込む事です。フロントバンパーのずれを直すのは、さほど難しい作業ではありません。しかし、これはあくまでも「応急処置」と考えてください。

フロントバンパーが完全に外れて脱落してしまった場合、前輪はバンパーを巻き込んで乗り上げる形になり、ハンドルが全く効かなくなってしまうと同時に地面との摩擦も小さくなるのでブレーキも利かなくなってしまいます。前輪はかじ取りの役割をしているので大変危険な状態になります。上記方法でクリップなどをはめて「応急処置」をしても、念のため更に粘着テープ等でボディに必ず固定してください。バンパーがずれる程の衝撃を受けているのですから、一見クリップが正常にはめられているように見えても、クリップ固定部が破損している可能性が非常に高く、完全に固定できなくなっている事も考えられます。フロントバンパーがずれてしまった場合は、なるべく早急に修理工場やディーラーなどプロの人間に診てもらい、固定部の損傷がないかを確認する必要があります。確実な確認のためには、バンパーの取り外しが必要になるでしょう。フォグランプやソナーがついている車では、バンパーの脱着作業も難しいものになります。フロントバンパーがずれた場合、自分での修理は「応急処置」だけして、本格的なフロントバンパーの修理作業はプロに依頼しましょう。