故障・修理
更新日:2020.12.27 / 掲載日:2020.12.27
スライドドア不具合対策 スバルサンバーを快・懐走仕様!2
交換はそれほど面倒ではないが
最後の位置出しは根気よく
アーム交換作業など初めてやる人はスライドドアの開閉レバーとウインドウレギュレーターハンドルの外し方がポイントになるだろう。専用のフックなどの特殊工具もあるが、布一枚で簡単に外すことができる。クリップが差し込まれている向きを隙間から確認して、レバーとトリムワッシャーの間に布を滑り込ませる。どちらか片側を動かないように手で固定して、反対側をさらに滑り込ませると、いとも簡単にクリップは外れてハンドル(レバー)は抜ける、中途半端に外れたら、クリップをラジオペンチで抜けばいい。
この作業で注意するのはクリップが外れた時にどこかに飛んで行ってしまう恐れがあるので、布をひと回しして交差させることで飛散を防ぐことができる。数回やってみればコツをつかめるだろう。
内装パネルはバン系の場合ペラペラなのでクリップリムーバーを差し込んだ時にパネルを折らないようにすること。できるだけ全部のクリップを外したほうが破損防止にはなる。特に開閉で車両後部のパネルは外しにくいので、数か所外れたらクリップがまた入ってしまわないようにウエスをかけておくとよい。
ここまでできたらドアを少しだけ開けて、ドア後部にジャッキをかませてほぼプレスラインに合わせたところで3か所のボルトを抜くとセンターアームは外れる。今回の場合、ローラー欠損でドアが下がっていたので、わずかにジャッキは高めに設定。
このままの状態で新しいセンターアームを入れて、仮固定して開閉具合をみる。最後のストライカーとの嵌合がポイントで、隙間から覗いたりして、力を入れなくてもスパン!と閉まる位置を数回に分けて位置調整して追い込む。この作業が一番時間がかかるが愛車のためです!
パネルが外れたらドア後部に黒いシールが貼ってある部分が見える。
このシール奥にアーム固定ネジが3か所ある。
ドアはわずかに開いた状態で、ジャッキで位置を保持しておく。プレスラインを大体合わせ、アームローラーがわずかに浮いた位置。
固定ボルトは3か所あり、ショートソケットでは若干レンチが回しにくいが使用可。写真はミドルソケット。ロングは抜く時に当たる。
センターアームがフリーになったので、レールに沿って車体後部から引き抜く。ボディに傷をつけないように注意すること。
センターアーム構造図。上につく樹脂ローラー(白)は摩耗して小さくなっているのが分かる。バタつきが出て黒い樹脂が崩壊。
TV TW KV共通
62178TA022(右)
62178TA032(左)
センターアーム
62255TA000
(ローラー各2個)
色付きのパーツがセンターアームと樹脂ローラー。TV TW KV共通。ドアも間違いなく流用!
新品と比較。ベアリングの黒い樹脂はなくなっているが、全体のサビは多くない。だが可動部分はすべて動きが渋くなっていた。
この黒い樹脂はかなり弾性があり、スライドドアの音消しにも役立っているはず。約5ミリ程度だが、欠損するとその分ドアが下がる。
樹脂ローラーの入る部分に、最近お気に入りのタミヤのセラグリスを塗布。挿入して手で回転させてみると滑らかさに感動。
アームを元に戻したら、ボルトをすべて指できつく締めてドアを開閉してみる。特にロック時のストライカーのハマり具合を確認。
何度か手でドアを上下に調整しながらスライドを行ってスムーズになるように追い込んでいく。この数回の作業で快適さが変わる。
目安として、ドアを閉めた時の周囲の隙間が均等になるようにする。自車はクリップ外しにウエスをかませてチリを追い込んでいった。
この時点で3本のボルトを本締めしてドア位置調整は終了。どうしても合わない時はこの後ストライカーを若干上下すること。
黒いシールはビニールテープのような素材で粘着性が高く再利用できる。このシールの奥は「外」なので必ず封印しておくこと。
レバー類のクリップは後入れではなく先に元に戻しておく。レバー本体の白濁はこのタイミングで「激落ちくん」で綺麗にする。
内装パネルを取り付けて、クリップの全挿入を確認できたら、レバーを軸に押し込む。パチンという音がしたら完成だ。