故障・修理
更新日:2020.02.05 / 掲載日:2020.02.05
溶接&金属加工入門 【7】
加平ガレージに導入した小型旋盤を利用して削り出す!
用意した研磨ベルトの幅は50mm。これに適合するローラーが市販品では見当たらなかったため、自作することにした。
材料は機械的強度、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性、機械加工性が良好で、ローラー用途にも適するというナイロン棒材。直径50mmのムクの丸棒材で、外径は削らずそのまま利用する。削るのはシャフト穴で、駆動プーリーの取り付け穴を、従動プーリーとテンションプーリーにはベアリングの組み込み穴を削り出し加工する。
プーリーの製作 ナイロン棒材の削り出しによるワンオフ!
自作するプーリーの幅を検討する
ベルトの逃げを考慮してベルト幅の50mmより若干、広めにする。
ドライブシャフト固定部の長さは30mm。倍の60mmなら余裕で保持できるはず、ということでプリ-幅は60mmに決定。
シャフト径はφ13mm。
固定ナットのサイズは19mmで、適合するソケットの外径は25mmだ。
ナイロン丸棒を60mm幅にカットする
旋盤の3爪チャックにナイロン棒材をはめ込み、チャックハンドルを締めてキッチリ固定。芯押し台に回転センターを組み付け、ナイロン棒材に先端を軽く食い込ませ、芯押し台をロックする。
ナイロン棒材に末端から60mmの位置を印す。
回転数は削れ具合を見ながら調整するとして、とりあえず250rpm。
「突っ切りバイト」で60mm位置で切り落とす。
バイト長が短くて切りきれない。高速カッターでは摩擦熱で固着してしまう!?
結果的に、旋盤で切り溝を入れて。
ノコギリでカットした。
センターにシャフト径に合致する穴を開ける
60mm幅にカットしたナイロン棒材を3爪チャックに固定。
切断面を削って。
平面出しを行う。
芯押し台にドリルチャックをセットして「センタードリル」を組み付け、ナイロン棒材の中心に誘導穴を開ける。
φ13mmドリル刃に組み替え、対面端まで貫通させる。これがドライブシャフトへの組み付け穴となる。
19mmソケットがはまるサイズに広げる
ドライブシャフトへの固定は19mmナットを使用するため。
ナット締め付け面までソケットがはめ込めるφ25mmに広げる。
シャフト端までの深さが30mm。
ナットの締め付けクリアランスとして、そこからさらに10mm(計40mm)削り込んで、駆動プーリーの完成だ。
完成した駆動プーリーを組み付ける
砥石裏にセットされていた平ワッシャーを介して駆動プーリーをドライブシャフトに組み付ける。
プラハンで叩いて奥まで確実にはめ込む。
19mmソケットに固定ナットをはめて駆動プーリーに押し込み.
ドライブシャフトに締め込み固定する。
プーリーに組み込むベアリングの寸法を確認
ベアリングの外径を計測する。実測でφ30mmだ。
厚みは9mm。
そして、内輪の直径はφ16mm。回転時にフリーとなるよう、この内面と接する面は若干大きめのサイズで数mm掘り下げる。
ナイロン棒を60mm幅で2個、切り出す。
両端にペアリング組み込み穴を削り込む
ナイロン棒材を3爪チャックに固定して面出し。中心にφ10mmの穴を貫通させてから内径をφ30mmに広げる。
深さ9mmまで広げたら一段落。
内輪と接する面を掘り下げる。
サイズはφ19mm。深さは2mm弱。
反対端も同様に加工後、同じものをもう1個製作する。
ベアリングをキッチリはめ込む
ベアリング組み込み穴に用意したベアリングをまっすぐ重ね、面一になるまでプラハンで叩き込む。
反対端にも同様にベアリングを組み込む。
M10ボルト(ネジ長90mm)をはめ込み、M10ナットを軽く締め込む。
そして、この状態で軽く回るか確認。OK問題なしだ。
メインフレームに組み付ける
フレーム側面から駆動プーリー裏の平ワッシャーまでの距離を計測。測定値は10mm。
フレーム側面までのクリアランスが10mmになるよう平ワッシャーで調整して従動プーリーを組み付ける。
ガタが出ない程度に締め。
プレート裏からナットを締めてロックする。