サスペンション・足回り修理・整備[2019.12.24 UP]

クルマを真っ直ぐ心地よく走らせる基礎メカニズム Part.2-1  ホイールアライメントは調整するな!?

フロントサスペンションを下から見る

知られざるアライメントの盲点を大公開

ロワアームをボディとメンバーで支持した例

フロントのストラット式サスペンション(トヨタ86)。ロワアームは前側がボディ側に装着。

後ろ側がサスペンションメンバー部に装着。もしメンバーが動いたらどうなるだろうか?

サスペンションメンバーのズレに注目

 クルマが真っ直ぐ走らない、タイヤが偏摩耗する、コーナリングのフィーリングが左右で違うなど、走りに関する不具合に対しては、ホイールアライメントの調整で対処することが多く本誌でも用語の意味や調整の効用については何度もレポートしてきたが、今回はもっと基礎的な部分から考えてみる。

 左ページはトヨタ86のフロントサスペンションを下から見たものだ。サスペンション形式はストラット式で、サスペンションメンバーにL字形ロワアームの後ろ側、ボディ骨格側にロワアームの前側ブッシュが固定される。またステアリングギヤボックスもサスペンションメンバーに固定され、トー調整を行うタイロッドが両サイドのナックルアームと接続される。通常アライメント調整する場合、タイロッドを回してトー調整をしたり、キャンバー調整ではストラットのアッパーをずらしたり、ハブキャリアとの接続部のボルトを細いタイプにして、角度をずらせるようにする。このほかロワアームの支点に偏心カムなどの調整部を持つ方式もある。

 ここで注目したいのは、サスペンションメンバーの取り付け部だ。実は、ここのボルトと取り付け穴には数ミリの間隔が設けてある。これは生産時の組み付けを素早くするためや、衝突時にメンバーをスライドさせて衝撃吸収に使う意図がある。問題なのは、このすき間によってサスペンションメンバーがボディの中心と前後左右にずれたり、斜めになって装着されるケースが多いことである。サスペンションメンバーとボディの前後中心線が一致し、平行であれば、理論的にはタイロッドやサスペンションアームの調整部は左右均等になるはずである。

サスペンションメンバーの取り付けボルトを抜いてみる

サスペンションメンバーの固定ボルトを抜いてみると、メンバー側の穴が大きめに設定されているが、そのすき間には偏りがあることが分かる。

製造ラインでは、エンジンやロワアームが付いた状態で下からボディへ結合する。ボルト穴は余裕を持たせ、取り付け性を確保。

左右の前側を外してみると、それぞれにボルトの接触跡とボルト穴の中心が違っているのが分かる。

つまり、斜めにメンバーが取り付けられている可能性がある。

ボルトと取り付け穴の寸法を比較すると・・・・・・

メンバー側のボルト穴は約11.8mm。形状は楕円に見える。

長円側は約15.80mm。ボルト径に対して約4mm大きくなっている。ここは組み付けに際しての厳密な精度出しはしていないようだ。

サスペンションメンバーは約4mmずれることが可能

中央側のズレは外側で拡大される
メンバー取り付け部は単に前後に均等にずれるならまだマシだが、上から見た時に回転方向にずれると外側のズレ寸法が拡大される。

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

グーネット SNS公式アカウント

車の整備は事前に予約 空いた時間を有効活用
タイヤ・オイル交換は かんたんネット予約
COPYRIGHT©PROTO CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.