故障・修理
更新日:2019.12.24 / 掲載日:2019.12.24

クルマを真っ直ぐ心地よく走らせる基礎メカニズム Part.1-4

タイヤ側面のペイントマーク
新品タイヤでは黄色や赤色のマークを見かけることが多い。黄色は重量の軽い部分を示す「軽点マーク」、赤色はユニフォーミティの一次ピーク位置を示すもの。なお、精度の高いタイヤではマークのないものもある。

タイヤの剛性/重量バランスは均等ではない

純正ホイールの例

純正タイヤはタイヤの剛性ムラから起こる振動を防ぐため、ホイールリムの低い部分とタイヤのRFVの一次ピークを合わせる。これは日産車の例だが、他メーカーでも組み立てライン内ではホイールのマーキングがあり、

タイヤの内側

タイヤは複数枚のゴムの布を貼り合わせて作られるため、内側に継ぎ目の盛り上がり部が見られることもある。もちろん、タイヤによっては内周の段差がないタイプもある。

タイヤの縦剛性のピークが上下動を起こす

 タイヤを新品にしたり、ほかのホイールへ付け替えた場合は、ホイールバランス調整を行うのが常識だ。これは主にタイヤの重量の偏りを補正するために行っている。このことはゴムや各種化学繊維、スチールコードを様々に組み合わせて作られるタイヤの重量や形状を均質に作ることが非常に困難なことを示している。さらにトレッドやサイドウォールの硬さについても同様のことがいえる。タイヤは車重によって接地面がたわんだ状態で転がるが、簡単にいうと硬いところと軟らかいところがある。これを評価するのが剛性のユニフォーミティ(均一性)で縦、横、前後、ねじれ力の項目がある。

 新品タイヤには赤や黄色のマーキングがしてあることが多いが、赤がユニフォーミティのRFV一次ピークマークである。RFVはRadial Force Variationで、縦方向の力の変動を意味している。ホイールのリムも正常とされる範囲で僅かな変位があるので、純正装着タイヤではタイヤのRFVのピークとホイールの低いところを合わせて、できるだけRFVの影響を抑えるようにしている。日産車などでは、アルミホイールでも白いマーキングが付着してあるのを見ることができる。純正タイヤとホイールはそれなりに気を遣って組んであるのだ。

 整備機器にはハンターのGSP9700のようにタイヤのRFVや横流れ力(ラテラルフォース)、およびホイールの振れ(ランナウト)をラジアル(接地側)とラテラル(横振れ)の両方で測定し、ユニフォーミティのバラツキからくる振動をホイールとタイヤの組み合わせ位置やマッチングを実施することを可能にした装置もある。

ホイールとタイヤのマッチングをするマシンの例

ハンター GSP9700
世界初のホイールバランス+ラジアルフォース+ラテラルフォース測定機能を搭載。独自のロードローラーで最大約567kgまで荷重をかけて走行状態のたわみを再現。
取り扱い:(株)イヤサカ

タイヤはサイドウォールの剛性のムラなどにより縦バネの強弱が発生し上下しながら転がる。

ホイールのランナウトも測り、この影響を少なくする組み付け位置をガイドするフォースマッチングを行う。

ロードフォースの計測ではロードローラーがタイヤに押し付けられて回転する。

この時、タイヤの横流れ(ラテラルフォース)も計測。

直進性のよい組み合わせをガイドする。

ブレーキング時のみ振動する場合は?

ローターの振れ過大

巡航時は何ともないが、ブレーキをかけた時にフロアやブレーキペダルに振動が発生することがある。この場合、その多くがブレーキローターの振れが原因だ。

新品へ交換

その場合、新品への交換がひとつの方法。

研磨

もうひとつの方法が研磨して平面出しを行う(状況により再発することもある)。併せてホイールベアリングの点検も行うこと。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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