ライト・ウィンカー類修理・整備[2018.08.01 UP]

番外編2「黄ばんだライトにウレタンコートを試す」

黄ばんだヘッドライトの磨き・再コーティングの方法としてこのところウレタンクリアが注目されているようだが、ネット上でも失敗例や成功例が入り乱れていてよく分からない。そこで、AMガレージで実際に試してみることにした。

関連情報

メンテナンス・整備・修理 ライト ランプ・警告灯

DIYコーティングは持続性が難点だった

一般ユーザー向けに市販されているヘッドライトコーティング剤の耐久性は長くて半年。意外に短いのだ。

透明度を復活させたい。

今回の実験車モビリオのヘッドライトは下部固定部がバンパー裏に隠れており、脱着時はフロントバンパーを外す。

今回使用したITME類と必要なツール
【イサム塗料 レンズリフォーマー補修塗料キット】

ヘッドライトレンズの塗装用として特別に開発された製品で、ヘッドライトレンズの塗装専用と謳われているウレタンクリア塗料。ただしこれはプロ向けの製品だ。
●下塗りプライマー 400g×1●レンズクリヤー主剤400g×1●レンズクリヤー硬化剤200g×1

【エアスプレーガン】

下塗り塗料と上塗り塗料とで基材が異なるため、混合回避を目的にガンは2台用意した。

【ボッシュ ランダムアクションサンダー】

研磨パッドが偏芯運動することで磨き跡が目立たない電動研磨具。

【アクリサンデー アクリルコンパウンド】

平均3から5ミクロンのきめ細かい粒子で曇りひとつない透明度が復活する、樹脂磨きの専用品。

【エスケー化研 ウレタンシンナー】

2液ウレタン樹脂塗料を薄める時に使用するウレタン塗料専用のシンナー。塗料店で購入。

ヘッドライト専用のプロ用ウレタンコート剤を試す

経年劣化で黄ばみや薄く白濁してしまっている。

ライトボディの上下に設置されたボルトを外しバルブホルダーを分離してヘッドライトを取り外す。

レンズ面全体が薄すらと黄色く変色。表面には細かなクラックが無数に入っているようだ。

まずはマスキング
水研ぎ、水洗いなどを行うため、ランプ内に水が浸入しないようバルブの取り付け穴はマスキングして密閉しておく。

マスキング完成。

サンダーで古いコートを落とす
レンズ面にスリキズなどの損傷がある場合、まずその損傷を消す。#320をサンダーにセット。

サンダーをできるだけフラットにレンズ面に当て、平滑性を保ちながらキズ溝の底まで研磨して平らに均す。

ペーパーとコンパウンドでシートで磨きをかける
#400でレンズ全体を水研ぎし、レンズ表面の旧クリアー膜を取り除く。

黄色みを帯びた削りカスがやがて白くなるまで、ムラなく研磨。

P600からP1000まで徐々に番手を上げて研磨目を落としていく。

最後にコンパウンドシートで磨き上げる。

液体コンパウンドから……
液体コンパウンドの粒子を細目→極細→鏡面仕上げと細かくしていって、研磨キズを磨き落とす。

面白いようにきれいになっていく。

最後はアクリルコンパウンドでピカピカに仕上げる
仕上げにアクリルサンデー研磨剤で磨き上げる。綿ウエスをボール状に丸めて持ち、適量を塗布して連続した円を描く感じに磨いていく。

これで細かな磨きキズが落ち、透明度が格段に向上する。

中性洗剤溶液とスポンジでレンズ全体を擦り洗い後、洗剤分が残らないようホースの水でよく洗い流す。

ホコリや汚れが付着しないよう清掃した置き台にのせて日向干しし、残った水分を完全に乾かしきる。

完全に“指定用途外”だが市販のボディ用ウレタンクリアを試してみると……?

 ソルベントクラック現象は特定の溶剤と樹脂の組み合わせの時に起こりやすい。ボディ塗装向けの2液ウレタンクリアがその条件に該当する危険性もあるため「ヘッドライトレンズへは使用不可」というのが用品メーカーの見解だ。ネット上でも失敗例・成功例が色々あるようだ。そこで、試しに旧車のヘッドライトにボディ塗装用2液ウレタンクリアを塗布してみた。あえて多めに吹いてみたものの何の問題もなく塗れてしまった。恐らくそれほど表面の劣化が進行していなかったのだろうが「少なくとも必ず失敗するわけではない」ことは確認できた。

#400から始めてコンパウンドシートで仕上げ、コンパウンドで磨き上げる。

シリコンオフを染みこませたウエスで拭いて削りカスを拭き取りつつ脱脂する。

離し気味にフワッと塗料を飛ばせば乾燥が早まりヒビ割れしにくくなる。

思ったよりうまくいった!

これがコツ「普通の塗装より低目のエア圧」
塗装時のエア圧は一般に0.3から0.4Mpaに設定するが、本製品は0.1から0.3Mpaと低め。

下塗りプライマーを塗装
密着性を向上させるため、まず下塗りプライマーを塗装する。1台目のガンの塗料カップに下塗りプライマーを入れる。

乾燥時間を10から20分とって薄く2回塗りする。厚く塗り過ぎるとソルベントクラックの原因となるから、薄くふわりと。

エアガンの洗浄は徹底的に
1台のガンで塗る場合、徹底的に洗浄して下塗りプライマーの溶剤分を確実に落としきる必要がある。

レンズクリヤー主剤2に対し1の割合でレンズクリヤー硬化剤を混合。

よく攪拌して塗料カップに注入する。

コート剤は2度塗りが限度!!
レンズクリヤー主剤も薄く2回が目安。光沢を得るために何度も塗り重ねがちだが、厚塗りは白濁や光沢消失の原因となるので注意。

乾燥したらコンパウンドシートで磨き、鏡面仕上げコンパウンドで磨き上げて完成だ。

本来のクリアな透明感が復活し、パッと見まるで新品。見違えたようにきれいになった。

このクリアな輝き!

下塗りプライマーが功奏したかプロ用クリア大成功

ボディは普通、表面が濡れた感じになるまで塗り込むが、それでは塗りすぎ。気持ち抑え気味がコツだ。

 今回の作業モデルとなったモビリオのヘッドライトの黄ばみはそれほどではなかったが、レンズ表面には細かなクラックが無数に入るという、まさにソルベントクラックを起こしやすいコンディションであった。
 この細かなクラック、研磨して磨き上げると目立たなくなったものの、下塗りプライマーを塗布すると徐々に目についてきた。光の加減(クリアの膜によって光の入る方向)が変化したと思われるが、正直、一瞬肝を冷やした。
 しかし、そのまま乾燥させるとクラックは広がることなく、クラック表面がクリアの膜で覆われた状態に。これが下塗りプライマーの効能の1つと思われる。ただし調子に乗って厚塗りなどしたら元の黙阿弥。塗り加減が重要なポイントとなることに変わりはない。

提供元:オートメカニック

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