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車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.03.29 / 掲載日:2018.03.29

金属&溶接でDIY バイク用BB搭載キャリア

ワンオフなら限られたスペースに対応したものが作れる。

市販品もあるにはあるが、すんなりとは付かない
 冬でもサーフボードを抱えたサーファーがウロウロしている湘南や千葉のサーフショップに行けば、自転車に固定するボードキャリアが普通に売られている。 この手のキャリア、一般にシートポストとハンドルポストの受け側のフレーム本体に取り付ける。つまり、前後の固定ポイントがかなり離れており、クランプもパイプ面への固定用なためハンドルボストまわりやシートまわりがカバーされているスクーターにそのまま取り付けることはできないわけ。
 前後に開く形にすることで前後アームを狭い間隔でキャリアにまとめて固定する製品もある。が、有効面積が小さいスクーターのキャリアへの取り付けは厳しいものがある。さらに高価!
 そこで、限られたスペースに収めることができるボディボード(BB)用のキャリアを自作してしまうことにした。実は筆者の娘がボディボードの選手でスクーターでポイントを移動しているという、必要に迫られた状況にあったからだ。

必要な長さを割り出しカットする

BBの板を無理なく載せられるラックバーの製作に必要なパイプ長を割り出す。おおざっぱな見積もりで1200mm。そのカット位置を印す。

切り刃がカット位置に合致するようパイプカッターをセット。

刃先がパイプに接するまで締め込み……

回転させてカットする。

切り出したパイプを残りのパイプに重ねてカット位置を印し、もう1本同様に切り出す。

パイプベンダーで直角に曲げる

キャリアへの固定面となる直線部を確保して端から300mmに曲げ基点を印し……

ホルダーの端面に合致するようはめ込む。

ハンドルをセットし……

保持プーリーがパイプに密着するよう調整する。

ハンドルをギュッと曲げ方向に回す。

90度に曲げたところで一段落。

実はこの1本目で曲げ位置を間違えてダメにした。が、それによって付属アダプターでφ16mmパイプを直角に曲げた時曲げ基点から終点まで120mm必要と判明。それを元に補正した。

ボードを載せる位置をU字に加工する

端から340mm(やり直し時の寸法:ポイントeで、0基点からだと860mmとなる)を基点に90度に曲げ、U字面のポイントcをホルダー端面に合わせてはめ込む。

ギュッと力を込めて……

曲げていく。

そして、そのまま一気に180度曲げてU字に仕上げる。

90度曲げならハンドルはそのまま取り出せるが、180度曲げた場合、ハンドルを取り外す必要がある。また、抜き出す時はホルダーも一旦取り外す。

これが完成品。全長1200mmのφ16mmパイプをこのように曲げ加工する。

もう1本、同じものを製作する

同じものをもう1本製作する。まず、パイプにポイントeとポイントcの位置をサインペンで印す。そして、ポイントeがホルダー端面に合致するようはめ込んで90度に曲げる。

一旦取り外し、ポイントcがホルダー端面に合致するようはめ込み直す。

ギュッと力を込めてハンドルを引いて……

180度まで一気に曲げてU字に仕上げる。

曲げ面がつぶれ気味ではあるが、どうにかラックバーを2本作り上げることができた。

使用したパーツ

ICS丸パイプ 3650。外径16mmの鋼管に0.1ミリテンレス帯鋼を密着したパイプで、1本の長さは3650mm。強度的にサーフボードのホールドには不安が残るがBBなら問題ない。

エアロフレックス チューブ。軽い柔軟な特殊エラストマーで作られたチューブで、ボードの保護に利用。価格は1巻2mで、パイプと共にモノタロウで購入した。

ねじ&キャップ。固定用にM6のボルトと皿ねじ。ボルトの頭やナットをはめ込むことで手回しできるキャップとパイプ端を塞ぐキャップを調達した。

 キャリアを取り付けるスクーターはHONDA製。リヤキャリアの下面スペースは狭く、前後もフックが邪魔でかなりタイトだ。 このため、ラックバーのホルダーはコンパクトにまとめる必要がある。そこで、収まりのよい角パイプをラックバーのホールド部として2本、キャリアの前後フック間に収まるよう前後に並べるという方法を採った。 利用した角パイプはほどよい大きさの20×20mmで、この内径に無理なく収まる規格品の最大径のパイプがφ16mm。つまり、ラックバーの製作に利用したφ16mmパイプはホルダー材料に合わせた選択だったというわけ。

限られたスペースに収まるようパーツを切り出す

キャリアの上に載せてしまうならどうとでもなるが、それだと荷物を載せるのに邪魔で日常の使い勝手が悪くなる。このため、ラックバーを固定するホルダーはキャリア下の前後のフック間に組み付ける。

キャリアの横幅は幅広の前方フック位置で約180mm。そのフックの端から端までが約200mm。そこで、フックに引っかかるようホルダー長は200mmとした。

ホルダーにはφ16mmパイプがすっぽりはまり込む20×20mmの角パイプを利用。

サンダーを利用して200mmの長さに2本切り出す。

ホルダーの接続用に30mmの長さに2本切り出す。

30mmの接続パイプを2本のホルダーで挟み込むよう仮組みし、キャリアをあてがって前後フック間に収まるか確認する。OKだ。

溶接でガッチリ組み上げる

ホルダー端から30mmの位置に接続パイプがくるよう2本のホルダーで挟み込み、ピッタリ密着するようシャコ万で挟んで仮固定する。

接続パイプとホルダーの接続面を溶接で点付けする。

両面の接続面を点付けしたところでシャコ万を外し、歪むことな前後のホルダーが平行に組み上がっているか確認。OKだ。

点付けした各接続面を本溶接する。

キッチリ脱脂して塗装する

ホルダー表面を#400のサンドペーパーでムラなく研磨し、アセトンで拭いて削りかすと油分をキッチリ落とす。そして、黒のカラースプレーで塗装。サビ防止のためにパイプ内にもたっぷり吹き付けておく。

十分乾燥させてホルダーの完成だ。

ホルダーの固定ステーを切り出す

完成したホルダーをリヤキャリアの取り付け部にはめ込んで収まり具合を確認する。上手い具合に枠の隙間に接続パイプが配置できた。

この上面に30mm幅の平鋼を配置し、キャリアを挟み込むことで固定する。

キャリアの横幅をカバーできる長さを現物合わせで印し……

サンダーでカットする。

切り口のバリを落としつつ面取りし、四隅の角を丸める。

最小限の突起で収まるよう固定穴を設ける

ホルダーの前後接続パイプの中心位置にポンチでドリルの誘導穴を開ける。そして、ボール盤にφ6mmのドリルをセットし、誘導穴位置にパイプ裏まで貫通する固定穴を開ける。

固定穴を開けたホルダーに固定プレートを並べ、現物合わせで固定穴位置を転写する。

固定プレートに印した穴位置にポンチで誘導穴を開け、φ6mmのドリルでボルト穴を開ける。

M6皿ねじの頭部径に相当するドリル刃を選択。

選択したドリルでボルト穴上面をさらって……

皿ねじの沈め穴加工を行う。

キャリアを組み付けて固定穴を開ける

リヤキャリアにホルダーを組み付け、固定プレートを重ねてねじをセットし仮留めする。

ラックバーのU字面頂点が前後に開くホルダーを組み付け、固定位置を確認。反対端に飛び出すバイブ長を計測する(本来、現車にて行う)

ホルダーを外し、ホールド部の中間点にφ6mmの穴を開ける。

計測しておいた飛び出し量位置までラックバーをはめ込み、ホールド部に開けた穴からポンチを打ち……

その位置にφ6mmの固定穴を開ける。

仮固定し末端アームが垂直になるように加工

ラックバーをホルダーにはめ込んで固定穴位置を合わせ、固定ボルトを裏側に貫通するまでまっすぐはめ込む。

貫通したねじ面にナットをねじ込み、キッチリ締め込んでラックバーを固定する。

ラックバーの90度に曲げた面の両端が押さえられるよう万力に挟み、ハンドルを締め込んでガッチリ固定する。この状態でU字面の末端側パイプが路面に対して垂直になるよう捻り加工する。

ボード保護のチューブをはめ込む

ボード保護用に用意したエアロフレックスチューブを半分にカットする。

ラックバーのU字面の末端側から、パイプ末端が出るまでキッチリはめ込む。

パイプ末端にゴムキャップをはめ込む。

これで作業は完了。

完成! ガッチリしていながら軽量に仕上がった。大成功!!

リヤキャリアの下にはめ込み、上から固定プレートを被せてねじ穴位置を合わせる。

固定用の皿ねじを組み付け、ナットをしっかり締めて動かないよう確実に固定する。

これで完成! ホルダーを鋼材でキッチリ組み上げためガッチリした仕上がりとなった。




提供元:オートメカニック



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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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