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更新日:2022.04.20 / 掲載日:2022.04.20
ボルボ EV専用超高速充電バッテリーを開発する企業への出資を発表
ボルボ・カーズは4月19日、同社のベンチャーキャピタル部門であるボルボ・カーズ・テック・ファンドを通じて、電気自動車用の超高速充電バッテリー技術を開発するイスラエル企業「ストアドット」に出資したと発表した。同社では2030年までに販売モデルの100%電気自動車化を目指しており、今回の出資によって、新しいバッテリー技術に関してストアドットと緊密に協力する機会を得た。
ストアドットの先進的な技術とボルボの見据える未来が一致 プレミアムカーメーカー初の出資を決定
高速充電バッテリー技術のパイオニアであるストアドットは、わずか5分の充電で160km航続可能なバッテリーの実現を目指して技術開発に取り組んでおり、シリコンを使用した独自の負極技術と、それらに関連するソフトウェアの統合を中心に開発している。
同技術が、2030年までに完全な電気自動車メーカーへの転身を目指しているボルボの目標である、航続距離の伸長と充電時間の短縮化、さらに低コストを兼ね備えた電気自動車を開発するという思いと一致したことで、プレミアムカーメーカーとして初めてストアドットに出資するに至った。
両社の協業は、スウェーデンの大手バッテリーメーカーであるノースボルト社とボルボが昨年設立した、バッテリー技術のジョイント・ベンチャー内で実施。ボルボは、ストアドットへの出資を通じて、協業から生まれるあらゆる技術へのアクセス権を確保した。ストアドットは、新技術の市場投入の時期を早め、2024年までの量産を目指すとしている。
今回の出資に際し、ボルボ・カーズ・テック・ファンド代表のアレクサンダー・ペトロフスキ氏は、「私たちは、この業界で最も早く変革をもたらす存在になることを目指しており、テック・ファンドは将来の技術リーダーとのパートナーシップを確立する上で重要な役割を担っています。また、電動化とカーボンフリーモビリティに対するストアドットの取り組と私たちの取り組みは一致しています。私たちは、このコラボレーションを成功させ、画期的な技術の市場投入に向けて取り組んでいきたいと思います」と述べた。
最先端バッテリーセルを開発するため合弁事業を開始 2040年までにカーボン・ニュートラルな企業目指す
ボルボは、確立された自動車メーカーとして初めて全面的な電動化に取り組んでおり、2025年には、世界販売台数の半分を電気自動車にすることを目標としている。
昨年発表されたノースボルトとの合弁事業は、その目標を叶えるための一環で、スウェーデンのヨーテボリ地区に研究開発センターとバッテリー製造工場を設立。次世代のボルボやポールスターの電気自動車に焦点を当て、最先端バッテリーセルの開発や製造をしている。
ボルボは今後数年で、業界でもっとも野心的な電動化計画の1つである、電気自動車の新シリーズを展開予定。全面的な電動化への移行は、2040年までにカーボン・ニュートラルな企業になるという高い目標の一環であり、事業全体で一貫して二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいる。
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