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更新日:2022.11.07 / 掲載日:2020.11.26

プジョー、新コンセプトMPV「リフター」を発売

 PSAジャパンは11月25日、RIFTER(リフター)のカタログモデルを発表し、発売を開始した。
 RIFTERはミニバンとSUVをクロスオーバーさせたプジョーの新コンセプトMPV(マルチ・パーパス・ヴィークル)として、2019年10月に先行モデルが登場し、好評を博している。
 同社のSUV、3008や5008で評価の高いプラットフォームEMP2を採用するほか、悪路走破性を高めるアドバンスドグリップコントロールなどを搭載するなど、メカニズム的にも注目の高い一台となっている。

エクステリア:SUVテイストのスタイリング

GT Line First Limited

プジョーにとって極めて重要な要素なのがスタイリッシュさ。そしてリフターのデザインの真髄はSUVとミニバンの融合にある。1880mmの全高と両側スライドドア(手動)はミニバン的であり、高い地上高と17インチホイール(GT Line First Limited)、樹脂製のホイールアーチとサイドプロテクター、バンパープロテクターのクラッディングなど、マッシブかつアクティブなデザインによってSUV的なキャラクターを力強く表現している。

Allure
GT Line First Limited
GT Line First Limited

ドライビング:プラットフォーム「EMP2」による卓越した走り

リフターのEMP2プラットフォーム

ベースはグループPSAの中核プラットフォーム「EMP2」。SUV 3008、SUV 5008にも採用されている軽量で高剛性なプラットフォームだ。リアトーションビーム取付け部より後ろのフロアとトーションビームは前モデルの改良バージョンによる専用設計となっている。

1.5Lクリーンディーゼルエンジン「DV5」は、130psのパワーに加え、300NmというNA(自然吸気)3Lガソリンエンジンなみのトルクを1,750rpmという低回転から発生。電子制御8速オートマチックトランスミッション「EAT8」とあいまって、悪路から一般道、高速道路までドライバーの意思に忠実なパワーデリバリーを誇る。また、燃費は21.2km/L(JC08モード)、18.2km/L(WLTCモード)を達成し、ディーゼル燃料の価格の安さも併せて優れた経済性を発揮する。

DV5 1.5Lクリーンディーゼルエンジン

悪路走破性:アドバンスドグリップコントロールと180mmの最低地上高

トラクションコントロールの進化版ともいえる機能を持つ「アドバンスドグリップコントロール」(GT Line First Limitedに標準装備)は、プジョーがラリーフィールドで培った駆動力制御、車両運動制御のノウハウを活用したシステムだ。5つのモードを備え、それぞれ路面状況に合わせてパワートレインやブレーキを統合制御することにより、タイヤのグリップの最大化とトラクションの最適化を行う。

ノーマルモード:通常の舗装路で使用。ESCはオン状態となりそれに伴うトラクションコントロールも通常のプログラムで作動。
スノーモード:雪道や凍結路での走行を想定。ノーマルモードよりもトルクの伝達を緩やかにして、発進加速をスムースにする。
マッドモード:ぬかるみで駆動輪をあえて空転させ、泥を振り払うことでグリップを回復させるモード。同時にブレーキ制御でグリップを保っている車輪に最大限のトルクを伝達するように動作する。
サンドモード:空転しはじめた側の駆動輪にブレーキをかけ、少しでもグリップのある側に駆動力を伝達するモード。砂地に埋もれないように制御する。
オフモード:ESCをオフにするモード。イグニッションをオフにした場合や速度が50km/hに達すると自動的にノーマルモードに切り替わる。

インテリア:先進的かつ実用的。「Peugeot i-Cockpit」にユーティリティを融合

GT Line First Limited

リフターのインテリアを語るうえで欠かせないのが「i-Cockpit」であり、このi-CockpitがMPVセグメントにおいてリフターを唯一無二の存在としている。
その特徴は
・上下二ヶ所のフラットな部分を持つコンパクトなステアリングホイールがより良いグリップとハンドリングを実現
・視界とドライバーからのリーチを両立させた8インチのタッチパネル
・ヘッドアップディスプレイ:ステアリングホイールの中からではなく上から視認。クロームで縁取られたメーターとエレガントな赤い指針
などとなっている。

Allure

また、収納スペースの工夫も見所のひとつ。インストルメントパネル、センターコンソールなどのデッドスペースを極力なくし、多彩な収納スペースを創出。例えば助手席側エアバッグをダッシュボードからルーフ上に移動させ、ダッシュボード上下面に容量11.8Lのふた付きグローブボックスを配置している。

ユーティリティ:最大で2126Lの広大な荷室

リアドアは両サイドともにスライド式でリアシートは3座独立の3分割可倒式。荷室長(奥行き)は、5人乗り状態で1m、2人乗り状態で1.88m、助手席を倒せば最長2.7mとなり、長尺物にも対応できる。荷室容量は5名乗車時でトノカバー下597L、2列目シートを倒した最大積載状態では2126Lで、プジョーで最大となっているSUV 5008の1862Lを大幅に上回る。
※容量はVDA欧州参考値

リアオープニングガラスハッチ:ゲートと独立してラゲッジにアクセス

巨大なリアゲートにはガラス部分のみを開閉できるリアオープニングガラスハッチを採用。テールゲートを開けずにガラスハッチから簡単に荷室にアクセス可能で、狭い場所での積み降ろしに重宝する。また、フレキシブルラゲッジトレイの高さをミドルポジションにしてラゲッジスペースを上下に分割できるため、ガラスハッチとリアゲートで荷室を上下にセパレートして使い分けることが可能だ。

マルチパノラミックルーフ:多彩な収納スペースを融合

ルーフの大半をガラスとするプジョーの人気装備「パノラミックルーフ」。リフターでは収納スペースを融合させた「マルチパノラミックルーフ」(GT Line First Limitedに標準装備)へと進化させた。フロントルーフに収納トレイを設け、中央部はBag in Roof(バッグ インルーフ)として最大14Lまでのバッグを収納可能。マルチパノラミックルーフは電動サンシェード付きで夏場の室内温度上昇を和らげ、またルーフアーチ中央部には調整可能なムードライトも備えている。さらに、リアシート頭上後方には後席およびリアゲート側の両方からアクセス可能な容量約60Lのリア シーリングボックスを配置している。

先進運転支援と安全性:最新ADAS搭載

アクティブセーフティブレーキイメージ
アクティブクルーズコントロールイメージ

リフターは先進運転支援機能(ADAS)と安全性も重視しており、安全装備、快適装備がリフターの魅力のひとつでもある。下記の機能を全車に搭載し、ユーロNCAPなどの世界各国の安全基準をクリアしている。

アクティブクルーズコントロール(ストップ機能付き):渋滞時にも便利な前車追随型クルーズコントロールを装備。30~180km/hで作動し、前車が停止した場合、停止まで対応する。
アクティブセーフティブレーキ:前方の車両や障害物を検知し、ドライバーが回避操作を行わない場合に自動的にブレーキが作動。検知対象は車両および歩行者、作動範囲は5~80km/h。
レーンキープアシスト:車載カメラが車線を検知し、ウィンカー操作をせずに車線からはみ出しそうになると、ステアリングに反力を生じさせて元の車線へ戻す。
ブラインドスポットモニターシステム:走行中、斜め後方のブラインドスポット(死角)に存在する後続車両を超音波センサーが感知し、ドアミラー内にオレンジ色の警告灯を点灯させる。
インテリジェントハイビーム:ルームミラー部に取付けられたカメラが常に前方の状況を分析。先行車や対向車の有無、照明の状況などにより、ハイビームとロービームを自動的に切り替える。対向車を幻惑することなく、常に最適な前方視界を確保する。
トラフィックサインインフォメーション:制限速度および進入禁止に関する道路標識をマルチファンクションカメラが読み取り、インストルメントパネルに表示する。制限速度はクルーズコントロールまたはスピードリミッターに連動させることが可能。
フロント、バックソナー/ワイドバックアイカメラ:バックする際に車両後方の状況をタッチスクリーンに映し出すとともに、距離や進行方向の表示、俯瞰映像による精度の高い表示を提供する。
ドライバーアテンションアラート:車線に対するふらつきを検知し、居眠り防止の警告を行う。
Peugeotミラースクリーン:Apple CarPlay、Android Autoに対応するスマートフォン接続機能。
エレクトリックパーキングブレーキ:エンジンを停止するとパーキングブレーキが作動し、アクセル操作を検知するとブレーキを自動で解除する。
ワイヤレススマートフォンチャージャー:Qi(チー)規格のワイヤレス給電をセンターコンソールに設置。また、USB Type-Aのソケットをタッチスクリーン横とセンターコンソール後部に備えている。

エアバッグ展開イメージ(欧州仕様)

グレード構成:特別仕様車とAllureの2グレード

リフターのラインナップはシンプルなエントリーグレードのAllure(アリュール)と特別仕様車のGT Line First Limited(GTライン ファーストリミテッド)の2グレード構成となっている。
GT Line First Limitedは、他のプジョーモデルのGT Lineと同様に大径アロイホイールやブラックパーツ(フロントグリル、ドアミラーなど)を備えたスポーティーな外観とブラウン基調のシックなツートーンインテリアが特徴。また、最新のフルディスプレイミラー(FDM)とLEDフットランプを装備している。

フルディスプレイミラーは、リアガラスに装着したカメラと上下ブレを補正するイメージスタビライザー機能を備え、後方視界を広角(約50度)でクリアに映し出す。後部座席の乗員やラゲッジスペースに荷物を満載した場合も後方視界を確保できるのが大きなメリットで、ディスプレイモード(リア カメラ映像投影)とミラーモード(通常の鏡の状態)をミラー本体下部のレバーで切り替えできる。左前方視界、いわゆる直前直左のデッドアングルカメラの映像は標準ミラーと同様にディスプレイミラーの左側に映し出される。

LEDフットランプは前後4箇所に光源を設け、ドア開閉時はホワイト、走行時はブルーに発光。

RIFTER Allure

・エクステリア:シルバーパーツ(フロントグリル、ルーフレール)
・16インチアロイホイール(215/65 R16タイヤ)
・インテリア:ブルーツートーンインテリア
・電動パーキングブレーキ
・パドルシフト
・Peugeotミラースクリーン

GT Line First Limited

Allureに加え
・エクステリア:ブラックパーツ(フロントグリル、サイドプロテクターデコ、ルーフレール)
・17インチアロイホイール(215/60 R17タイヤ)
・インテリア:ブラウンツートーンインテリア&上級ファブリックシート
・アドバンスドグリップコントロール(ヒルディセントコントロール付き)
・マルチパノラミックルーフ(電動メッシュシェード、バッグインルーフ、ルーフライト、リアシーリングボックス)
・フルディスプレイミラー
・LEDフットランプ

ボディサイズ・グレード構成&価格・ボディカラー

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