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更新日:2020.04.21 / 掲載日:2017.09.15

3列シートの注目SUV、マツダ CX-8登場!

文と写真●ユニット・コンパス

 劇的な復活を遂げ、今日も好調を維持するマツダ。その販売の中心的な役割を担っているのが、SUVのCX-5であるが、9月14日、3列目シートを備えた新型SUV CX-8が発表された。価格帯はおよそ320万円~420万円で、3列シートの利便性とクオリティの高さなどから、大きな話題を集めそうだ。
 予約受注がすでに開始されているが、正式発売は12月14日となる。

 近年、新車市場のカギとされるのが、コンパクト、SUV、ミニバンで、マツダはデミオやCX-3、CX-5と人気モデルを揃えて台数を伸ばしている。しかし、ミニバンについてはプレマシーとビアンテがあるものの、目立った改良も行われず自動ブレーキ機能も搭載されていないなど、先のモデルたちと比べて新世代感に乏しく、存在感も薄いのが実状だ。以前から囁かれるミニバン撤退の噂もますます強まるなかで、今回登場したCX-8は多人数乗車、3世代家族への、マツダからの新たな提案として捉えられる。月間の予定販売台数も1200台と大きな期待が込められているが、それを裏切らないであろう仕上がりぶりを見せている。

大人っぽくなった「魂動デザイン」

 もはや、マツダ車のアイデンティティとして定着した「魂動デザイン」。CX-8では、その基本コンセプトを堅持しながら、より自然に感じられるようなカタチになっている。3列シートを採用したCX-8では、CX-5と比べて全長、ホイールベースともに延長されているのだが、全体的に凝縮感と躍動感のあるフォルムは、非常にバランスがよい。
 マツダ自身もこのデザインについて「魂動デザインをより高い次元へと深化させた」と語り、新たに加えられたテーマである「TIMELESS EDGY(タイムレス エッジー)」がいつまでもユーザーの感性を刺激し続けると主張。先進性を目指し、風格や質感、色や素材にも徹底的にこだわったという。

 伸びやかさや水平基調を軸にしたエクステリアは、ダイナミズムと洗練が共存している造形だ。また、CX-5以上に優雅で大人なスタイリッシュさが強調されているとも感じられる。ファミリーユースがメインであったとしても、これならばひとりで運転していても十分サマになるだろう。ボディ表面の光の変化が品格を漂わせるが、ショルダー部が張り出していてSUVらしい力強さも同時にアピールされている。ボディカラーは、機械の美しさを精微に表現する「マシーングレープレミアムメタリック」をはじめ、デザインテーマ「魂動」のイメージカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」など、全7色が用意されている。

 一方インテリアでは、すべての乗員が「心地よさと適度な緊張感」を堪能できる空間づくりに注力したという。素材の選択や色味についてもこだわり、温かみと使い込むほどに味わいが深まるような本杢(ほんもく)パネルやナッパレザーを用いて洗練されたモノに囲まれた「こだわりの書斎」を目指した空間だとされている。ポイントとしては、機器類を左右対称に配置した水平基調のレイアウトにより、ドライバーが運転に集中できるよう配慮。また、素材や色づかいによって、大人のゆとりや落ち着きを感じさせてもくれる。内装は、本革とファブリックによる4種類の設定となる。

1列目シート。

2列目シート。

3列目シート。


「3列シート」を言い訳にしない走りへのこだわり

 多くのひとが抱く「3列シートなのだから、2列シートのCX-5よりもドライバビリティが劣っているはず」という懸念を強く意識して開発されたというCX-8。駆動系と足まわりも意欲的に改良されている。
 まず、クリーンディーゼルエンジンはさらなる進化を果たし、少量の燃料を多段、高圧で微細に噴霧化して噴射することで静粛性と燃焼効率、高い環境性能を両立する「急速多段燃焼」を実現している。また、「段付きエッグシェイプピストン」や「超高応答マルチホールピエゾインジェクター」、「可変ジオメトリーターボチャージャー」などの新しい技術によって、最高出力をCX-5に搭載されていた従来の175馬力から190馬力に、最大トルクを42.8kgmから45.9kgmへとアップしている。また、そのことは、低燃費と静粛性にも大いに貢献している。JC08モードでの燃費(ディーゼルモデル)は、CX-5の17.2/L~18.0/Lに対して、CX-8は17.0/L~17.6/Lと、ほぼ変わらぬ数値となっている。マツダの開発担当者は「走りのフィーリング、燃費はCX-5と遜色なくできました」と胸を張るが、スケールアップして重量がおよそ200kg増加していることを考えると、にわかには信じられない数字で、強い意気込みが感じられる。
 駆動方式は2WDと新世代4WDシステムの「i-ACTIV AWD」が選択でき、ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを制御し車両の安定性を向上させる制御技術「G-ベクタリングコントロール」は全モデルに標準設定される。足まわりは、海外のみで販売されるもっと大型の3列シートクロスオーバーSUV「CX-9」のサスペンションをもとに減衰力などを専用に調整、さらに「リバウンドスプリング」をフロントダンパーに採用するなどの改良が加えられている。

気になる室内の広さと快適性

 CX-8最大の特徴はやはり「3列目シート」の存在。全長4900mm、全幅1840mm、全高1730mmと、日本の道路・駐車環境を意識したサイズのボディは、ストレッチされた感もなく、まとまりがよいスタイリングだ、それを目にすると、「なかは狭いのだろう……」とか「3列目はエマージェンシーだろう……」というネガティブ予想をしてしまうだろう。しかし、実際に座ってみると、十分にゆったりとできるスペースがある。乗員の想定サイズも、「理想的な運転姿勢を取れる」1列目が189cm、「大柄な乗員でもくつろげる」2列目が186cm、そして3列目でも170cmほどのひとが快適にくつろげるスペースとなっている。人間工学に基づき、高い居住性と無理のない乗降性、さまざまな用途に応える収納・荷室スペースなどが実現されている。2列目シートには、機種により左右分割のキャプテンシート(6人乗り)とベンチシート(7人乗り)を設定。キャプテンシートには、中央に充電用USB端子付大型コンソールボックスが装備される。

 荷室容量は、3列目乗車時にはA型ベビーカー1台、またはゴルフバッグ2個を積載できる239Lで、3列目シートを倒すと572Lに拡大する。さらに、荷室のトランクボード下は307mmの深さを備えたサブトランクはさまざまな用途に対応可能だ。

 なお、ピープルムーバーとして重要視される静粛性にも配慮。室内の天井部やDピラー付近へ吸音材を配置し、3列目の乗員も含め全員で会話を楽しめるとされている。また、リフトゲート上部へパーティングシールを配置し、ルーフレール(一部標準設定)には空気の流れを乱さない形状が採り入れられるなど、細かな風対策も行われている。さらに、前輪にダイナミックダンパーを装着し、後輪フェンダーパネルには制振材が用いられ、ロードノイズ音源となる車体の共振も抑制されている。

 安全性も進化し、ドライバーの認知・判断・操作をサポートする先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」が標準装備される。さらに、新開発の「360°ビュー・モニター」を設定し、駐車時や狭い路地でのすれ違いなど、さまざまな状況においてドライバーをサポートしてくれる。


 新型CX-8は、一般のユーザーを対象にしたプロトタイプ先行展示イベントを9月15日(金)より順次下記の全国12会場で実施する予定。詳細は専用サイトをご確認いただきたい。


CX-8先行展示イベント特設ページ

マツダ CX-8 XDプロアクティブ 4WD 6人乗り(6速AT)
全長×全幅×全高 4900×1840×1730mm
ホイールベース 2930mm
トレッド前/後 1595/1600mm
車両重量 1880kg
エンジン 直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量 2188cc
最高出力 190ps/4500rpm
最大トルク 45.94kgm/2000rpm
JC08モード燃費 17.0km/L
サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク
ブレーキ前/後 Vディスク/ディスク
タイヤ前後 225/55R19

販売価格 319万6800円~419万400円(全グレード)

マツダ CX-8のカタログ情報はこちら

マツダ CX-8の取り扱いディーラーはこちら

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グーネットマガジン編集部

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