車種別・最新情報
更新日:2026.07.27 / 掲載日:2026.07.27
新型続々! トヨタ・オフローダー最新事情
現在のトヨタは、決して売れ線とはいえないオフローダーが過去最高レベルで充実している。いずれも実用性や燃費、価格の面で購入のハードルは少し高めだが、刺さる人には堪らない魅力を持っているのは明らかだ。泥臭くも刺激的なトヨタ・オフローダーの最新事情を解説しよう。
●文:川島茂夫
※本記事の内容は月刊自家用車2026年8月号制作時点(2026年6月中旬)のものです。

ランクルFJ&ハイラックスの追加で、充実ラインナップが完成!
過去最高レベルの四駆パラダイスを展開中
現在のトヨタは、ランドクルーザー300系、250系、70系、そして新型の「FJ」と「ハイラックス」を加えた盤石のラインナップを展開している。
主流のクロスオーバーSUVが優れた室内空間や燃費性能を誇るのに対し、悪路走破性や耐久性を最優先する本格オフローダーは、ラダーフレーム構造などの採用により効率性の面で不利にならざるを得ない。例えば、車体サイズが同等のRAV4とランクルFJを比較すると、室内長や燃費性能において圧倒的な差がある。実用性や効率性を基準にするならば、本格オフローダーは一般的な選択肢からは外れてしまう。
しかし、この限界性能を求める領域は、嗜好性の高い世界のものだ。高級感や実用性を兼ね備えた300系や250系とは異なり、FJとハイラックスは悪路走破に特化したスペシャリストとしてのオーラを放っており、オフロード走行を趣味として楽しむためのスポーツモデルとも言える。
非効率でも世界観を楽しみたい、そんなニーズが高まっている
もちろん、乗用車ベースのSUVの中にも電子制御などによって高い悪路走破性を発揮するモデルは増えている。だが、ハードなオフロード走行を日常的に繰り返すような状況では、モノコック構造の車体では根本的な耐久性が不足する。本格オフローダーが頑強なラダーフレーム構造を堅持しているのは、荒れ地での常用と限界的な走破性を担保するためだ。
3列シートも選べるランクル300系や250系は、高級感や実用性を兼ね備えたRAV4の上位モデルとして一般層にも受け入れられやすい。そのため乗用車系SUVとの境界線が曖昧になっているのだが、今回登場したランクルFJとハイラックスは、境界線が明確だ。
両モデルとも、その佇まい自体が悪路走破に特化したスペシャリストのそれであり、他のクロスオーバーSUVとは一線を画す独特のスポーティなオーラを放っている。実用的な一面を持ちながら、オフロードを走る歓びそのものを追求するためのスポーツモデルと捉えるのが自然だ。
また価格面においても、この2台は絶妙なポジションに滑り込む。FJのVXが約450万円、ハイラックスのZが約498万円であるのに対し、これまでランクルで最も安価だった70系は480万円、250系になれば約580万円まで跳ね上がる。一方、RAV4が450万円であることを考えれば、FJは乗用車系SUVの上位モデルと同等の予算で手が届く範囲にある。
一般的な乗用車としては決して安価とは言えないが、本格的な悪路走破性を備えたエントリーモデルとして、この2台は極めて魅力的な選択肢に思える。
TOYOTA 新型ランドクルーザーFJ

悪路性能を突き詰めた、最も身近な硬派クロカン
「悪路走破スピリット」を継承した、最もコンパクトな末っ子的モデル。強固なラダーフレームに2.7ℓガソリンエンジンを組み合わせ、軽量な車体と短いオーバーハングにより兄貴分を凌ぐ対地障害角と250㎜の最低地上高を確保している。車内空間や先進支援機能は割り切った仕様だが、約450万円という絶妙な価格設定も含め、純粋に悪路走行を楽しむための硬派な本格クロカンだ。
TOYOTA 新型ハイラックス

豪華さとタフさを誇るスポーツトラック
国内ではニッチな存在だが、街乗りSUVブームに迎合しない「本物のゴツさ」がこだわり層に受けている。タイ生産の輸入車ながら12.3インチDAや左右独立エアコンなどミドルSUVを凌ぐ豪華装備を備え、実質本位の商用仕様とは一線を画す。70系と同型の2.8ℓディーゼルを搭載し、タフなラダーフレーム構造で高い悪路走破性と趣味性を両立している。
TOYOTA ランドクルーザー300

最高峰の悪路走破性と重厚な上質感を融合
圧倒的な信頼性を誇るの最高峰モデル。専用の強固なGA-FフレームにV6ツインターボを組み合わせ、高級車に相応しい重厚な上質感と異次元の走破性を誇る。絶大な人気ゆえに長らく品切れ(納期未定)状態が続いており、さらに、近い将来に予想される一部改良のタイミングでは、さらなる上級路線へのシフトにともない、車両価格が上昇するのは確実だろう。
TOYOTA ランドクルーザー250

ランクル伝統の「ど真ん中」を担う中核モデル
300系と同じGA-Fプラットフォームを採用する、シリーズの中核モデル。最新デバイスの積極採用で、オンロードでの扱いやすさと快適な乗り心地を両立していることも強み。直近の一部改良で、安全機能や盗難防止装備を強化したガソリン車(VX)が先行発売。ディーゼル車はラインナップから一時的に消滅している。ディーゼル車は2026年冬に一部改良される見込みだ。
TOYOTA ランドクルーザー70

究極の道具感を備えた「ホンモノ」の実用車
1984年の登場以来、過酷な環境で命を預ける現場を支え続けてきた“究極の実用車”。基本設計を変えないラダーフレームにリジッドサス、手動切替式パートタイム4WDというシンプルで信頼性の高い構造を堅持している。国内で再発売された最新仕様は、3ナンバーの乗用車登録となった2.8ℓ直4ディーゼルターボと6速ATの組み合わせで、本物の道具感を気軽に楽しめる。
ライタープロフィール
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。