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更新日:2022.09.01 / 掲載日:2022.09.01

【ホンダ 新型シビック タイプR】歴代最強、最後のピュアエンジンスポーツが登場!

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス

 創業初期からモータースポーツとも深い関りを持つホンダを象徴するスポーツカー「シビックタイプR」の最新モデルが、2022年9月2日より発売が開始される。価格は、500万円切りとなる499万7300円だ。

歴代最強、最後の純ガソリンエンジン車となりそうな新型タイプR

新型シビック タイプR

 新型タイプRは、2021年9月3日より発売が開始された11代目シビックをベースに開発されたもの。歴代最強モデルとして、2020年11月に発売された限定車「シビックタイプRリミテッドエディション」の記録した鈴鹿サーキットのラップタイムを新型の標準仕様で上回ったことも話題となり、タイプRファンからも大きな注目を集め、発売前から多くの購入希望者が店頭に足を運んでいると聞く。

 エクステリアは、新型シビックがベースとなっているが、各部の冷却性能やエアロダイナミクスが見直されたことで、ワイルドな雰囲気に。異なる点を挙げていくと、ボンネットには、エアインテークが追加。フロントバンパーの形状が専用化され、フロントスポイラー付きとなり、開口部もメッシュ形状に変更されている。ワイドタイヤの装着により、前後共にトレッドが拡大されており、フェンダーもブリスター化。このため、サイドシルの形状も異なる。リヤスタイルの印象を大きく変えるのが、大型のリヤスポイラーだ。レーシングカーを彷彿させるGTウィングスタイルに変更され、色もボディ色を問わずブラックに統一された。

 また。リヤバンパーのディフューザー形状は控えめなものとなっているが、逆に中央の3本出しマフラーは、中央を太くすることで、より存在感が際立っている。全体の印象は、先代タイプRよりも大人しくなっているが、アクセントパーツのデザインを強調することで、チューニングカーが持つワルい雰囲気も感じられるようになっている。ボディカラーは、象徴的な「チャンピオンシップホワイト」を含む全5色を用意する。

タイプRの伝統である「赤」にこだわったインテリア

新型シビック タイプR

 インテリアは、タイプRを象徴する赤を全面的にコーディネート。ホールド性の高いセミバケットシートやシートベルトは赤を主体に。後席は、視界の邪魔とならないブラックを基調とし、赤いステッチが加えられている。コクピットデザインは、シビック標準車と同様となるが、助手席側にタイプRシリアルナンバープレートが装着され、限定車ではないが、少量生産の拘りのモデルであることを示す演出だ。6速MTのシフトノブには、タイプR伝統のアルミ製シフトノブが奢られる。ステアリングもアルカンターラ巻きの専用品が備わる。この他にも、タイプR仕様の液晶メーターパネルやデータロガー機能付のアプリ「Honda LogR」が加わったことも新型のトピックとなる。このアプリは、スマートフォンとも連携した機能も持ち、サーキットでのドライビングスキルの向上などに役立てることも可能だ。

最高出力は330馬力。走りのクルマでありながら快適装備も充実

新型シビック タイプR

 エンジンは、先代から受け継ぐK20C型2.0L直列4気筒DOHCターボをベースに改良を加えたもの。従来型よりも、最高出力が+10psの330ps、最大トルクが+20Nmの420mまで高められている。組み合わせれる6速MTも改良を加え、シフトレバーの高剛性化と横方向のレバーのガタツキ成分を排除するなど、シフトフィールの向上を図っている。ホンダスポーツの持ち味のひとつであるエンジンサウンドはパワーだけでなく、気持ち良さも追求すべく、サイレンサーの中央配管にアクティブエキゾーストバルブを新採用。エンジン回転数に応じて、排気流量を3段階でコントロールすることで、車外騒音法規を満たしながら、パワーアップと聞きごたえのある排気サウンドの両立を実現した。また車内への迫力あるエンジンサウンドを提供するために、アクティブサウンドコントロールシステムも新採用。ドライブモードの選択とエンジン回転数により、更なる力強いサウンドが楽しめるようにした。シーンに合わせて切り替えられるドライブモードには、従来の快適性重視の「コンフォート」、標準仕様となる「スポーツ」、トラックモード「+R」に加え、自由なカスタマイズが可能な「インディビジュアル」を追加。よりシーンに合わせた走行セッティングが楽しめるようになった。

 足回りは、先代マイナーチェンジモデルから採用した2ピースディスクブレーキを継承。さらに導風板の最適化により冷却性能を高めているのもポイント。フロントブレーキシステムはブレンボ製となる。組み合わされる超ワイドな265/30ZR19インチのタイヤは、専用開発品となる「ミシュラン パイロットスポーツ4S」が奢られ、タイムアップにも貢献。このワイドタイヤを収めるべく、フロントサスペンションの形状が変更され、デュアルアクシスストラットサスペンションに。この他の仕様も専用化されており、乗り味の変更が可能なアダクティブダンパーシステムを搭載することで、街乗りからサーキットまで幅広いシーンで活躍できるクルマに仕上げられている。

 走りのクルマでありながら、快適装備の充実化が図られたのも新型の特徴だ。先進安全運転支援機能である「ホンダセンシング」を初め、ナビゲーションシステム付きHonda CONNECT対応のインフォメーションシステム、ETC2.0車載器、PM2.5対応エアフィルター、8スピーカーシステム、スマートキー、オートエアコンなどを標準化。ボディカラー以外はメーカーオプションレスの仕様となっている。

まとめ

新型シビック タイプR

 既に多くの注文予約が集まっており、納期の長期化が噂される新型シビックタイプR。電動化まっしぐらの時代の中で、ホンダとして最後の高性能なピュアエンジンスポーツとなる可能性も高いことも人気の理由だろう。シビックタイプRの月販計画台数は400台となっており、逆に言い換えれば、年間4800台前後が供給キャパとも受け取れる。限定車ではないので、出来る限り生産は行ってくれるとは思うが、それでも絶対に入手したいと考えるならば、直ぐにディーラーに出向いた方が得策だろう。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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