車検・点検・メンテナンス
更新日:2024.01.17 / 掲載日:2019.01.11
【グー連載コラム】What’s車検 (2019年1月)
クルマの健康診断が車検。好調を維持するために欠かせないですが、思わぬ落とし穴があることも。車検を問題なくパスするためのポイントを伝授
(掲載されている内容はグー本誌2019年2月号の内容です)
【今月のテーマ】安い方がいいのは分かりますが…… 費用を抑えるのはあり!? 実際の内容とポイント
格安車検はありえません
費用に関係するのは、結局整備代のみ
「車検を安くしたい」というのはよく聞く。万単位での出費なので、その気持ちも分かるが、大きく安くするのは無理。車検費用の内訳を見ると、節約できるのは整備代がメイン。大部分を占める税金類を安くすることはできないので、総額を安くするのは限度がある。
車検はクルマの健康診断 安さだけを求めてはダメ
クルマを所有するうえで、車検というのは定期的に訪れるもの。健康診断のようなものなので、安心してカーライフを楽しむという点でも車検は手を抜きたくないし、不具合が見つかれば修理したい。
ただし、気になるのはその費用だ。確かに安くはない出費だけに、安いと逆に不安だし、高いのも財布に響くが、費用ありきではないということ。この点を勘違いしてはダメ。
実際、車検費用の内訳で費用の多寡に関わるのは、整備費用の部分のみ。これは車検に必要な整備だし、同時に発見された不具合の修理も含まれる。安全に直結する部分でもあるので、金額だけで判断してはダメ。内容をよく確認したうえで、安いのか高いのかを判断しよう。
まずは見積りが大切
よほどの信頼関係があればいいが、基本的には車検時には見積りをもらうようにしたい。通常、見積りは実際にクルマを点検したうえで作られるので、トラブル箇所などが一目瞭然だし、緊急度についてのやり取りのベースにもなる。つまり見積りがないと、費用を安くしようもないのだ。また車検整備中に見積りにない不具合が発見されることはあるが、その場合は連絡をもらえるようにお願いしておくとトラブルも避けられる。
費用のポイント1:点検
格安車検の場合、なにも見ないで通すだけというところもある。愛車が大切ならしっかりとした点検が鉄則。
なにはなくともまずは確認
車検整備の基本はまず点検。乗用車は法定24カ月点検に基づいて点検を行ない、車検でチェックされる部分以外についても見る。車検で関係するところだけ点検するのはダメ。車検は通るかもしれないが、トラブルを未然に防ぐという点では意味がない。まずは点検して、どれぐらいの費用がかかるのかを把握しよう。
費用のポイント2:整備
調整や内部清掃など、しっかりやろうと思えば手間と費用がかかるのは当たり前。
費用のポイント2:整備
点検の延長線上にあるのが整備
安さを最優先すると、点検はザッとするだけ。車検に関係する部分だけ手を入れて通してしまうなんていうことがあるが、もちろんそれではダメ。まさに安かろう悪かろうである。次の車検まで問題ないかを確認して、必要に応じて整備するのが安心につながる。予防整備という言葉があるほどだ。
費用のポイント3:交換
エンジン関係の消耗品は費用がかさみがち。予算がないなら先延ばしについての具体的な相談もあり。
費用のポイント3:交換
部品交換は費用がかさむのは当然だが……
車検にお金がかかったと嘆くことになるものとして一番大きいのが、部品の交換が発生した場合。整備レベルとしても高く、部品代だけでなく、工賃もかさみがち。車検を通すためには必要なのだが、調整などで延命が図れないかなど、具体的な相談をすることで少しでも節約できる可能性もある。いずれにしてもいいなりは良くない。
ついでにやるということ
外したついでに他もやる
よくあるのが「結果的には高くついた」ということ。目先の費用を安く抑えたばかりにトラブルが発生。修理に大きな費用がかかることがある。費用にばかり目を向けないことが大切だ。
外したついでに他もやる
Profile
自動車ライター
近藤暁史
自動車専門誌所属時代から、新車レポートだけでなく、メンテナンスやお手入れ系についても精力的に取材・執筆。実際に自らも車検を通したり、修理をするなど、実践派のライター。