徹底分析中古車相場
更新日:2020.11.27 / 掲載日:2020.11.26

【ルノー ルーテシア】新型登場で相場が下がる!? 低予算でもねらえる輸入コンパクトカー

 中古車になると相場が下がるフランス製コンパクトカーは、クルマ選びに彩りを添えてくれる。個性的なルックスやスポーティな走りは、ドイツ車や国産車にも負けない魅力がある。先日、ルノーのコンパクトカー、ルーテシアがフルモデルチェンジを受けた。ルーテシアと言えばデザインや走りに定評のあるモデルだが、新型はメガーヌに似たルックスとなり、「CFM-B」と呼ばれる新世代プラットフォームを採用したのがトピック。ボディサイズが従来型と大きく変わらないのも、日本の交通事情を考えるとうれしい。歩行者および自転車を検知する衝突被害軽減ブレーキをはじめとする先進安全装備も数多く盛り込まれ、現代のコンパクトカーに相応しいものへと進化している。

 そこで今回のテーマは、先代ルーテシア。2013年に登場してから今年で丸7年が経過し、中古車相場はかなり下がっている。ここでは年式別、グレード別の中古車平均価格から、買いのモデルを探っていきたい。

ルノー ルーテシアってどんなクルマ?

 ルノー サンク(一般的にシュペールサンクと呼ばれる)の後継として、1990年に登場したのがルーテシア(海外ではクリオ)。癖のない手堅いデザインと高い実用性を持ち、欧州カー・オブ・ザ・イヤーも獲得している。1991年からは日本にも正規導入されているが、現在中古車に出まわる物件は極めて少ない。また、初代には「ウィリアムズ」と呼ばれるスポーツモデルも存在し、ファンの間では注目を集めていた。

 1998年11月には、2代目が国内で発売された。角ばったデザインから一転し、2代目は丸みを帯びたスタイルが特徴。デビュー当初は1.6L 直4を搭載したが、後に172馬力を発揮する2.0L 直4を搭載した「ルノー・スポール」も追加。また、ミッドシップレイアウトに変更し、V6エンジンを搭載した2シータースポーツ版「V6」が製造されたことも話題となり、ルノーのスポーツイメージを牽引した。2006年3月には3代目がデビュー。この時期、Bセグメントと呼ばれる欧州コンパクトカーの多くがサイズアップに向かった時期であり、ルーテシアも全長およそ4mに拡大。これにより居住性が改善され、ファミリー層でもファーストカーとして使える快適性を獲得した。

 そして2013年9月、今回のテーマである4代目が登場。エクステリアはルノーの新しいデザインテーマを導入し、クラスを超えたエレガントなデザインに進化。先代まで存在した3ドアが廃止され、全車5ドアとなったこともトピック。当初は1.2L 直4ターボにデュアルクラッチ式6速AT(EDC)を組み合わせていたが、翌年には1.6L 直4ターボを搭載した「ルノー・スポール」、さらに0.9L 直3ターボを搭載したエントリーモデルも選べるようになった。

ルノー ルーテシアの年式別平均価格から見た狙い目の年式は?

 まずは改良遍歴を振り返ってみたい。2013年9月発売時点のラインアップは「アクティフ」、「ゼン」、「インテンス」、そして限定車の「クールフレンチリミテッド」という展開。パワートレインはすべて共通で、新車価格帯は199万8000円~238万円。2013年10月には、「ルノー・スポール」が登場した。足まわりの違いで快適性も考慮した「シャシー・スポール」と「シャシー・カップ」の2モデルで展開され、前者が299万円、後者が309万円。2014年7月、標準モデルよりスプリングレートやダンパー減衰力が高められたスポーティ仕様「GT」が追加された。同年12月には、「ゼン」に0.9L 直3ターボ+5速MTモデルを設定。2015年6月には、「ゼン」の1.2Lターボが仕様変更を受け、室内にサテンクロームパーツなどで加飾された。そして9月には、エンジン出力の向上やステアリングギア比をよりダイレクトにした「ルノー・スポール トロフィー」が登場している。

 2016年2月、先代ルーテシアはマイナーチェンジを受ける。ラインアップは「インテンス」と「ゼン」の2モデルで、1.2L 直4ターボの最高出力は120馬力から118馬力になったが、最大トルクは19.4kgmから20.9kgmに向上し、より日常での扱いやすさを向上させた仕様となった。また、「インテンス」では「GT」と同じ形状のステアリングになり、内装の仕立ても変更。さらにストップ&スタート機能も追加された。2017年1月には、「ゼン」に6速EDCを設定。2月には2度目のマイナーチェンジを受け、Cシェイプランプを採用するなど、フロントまわりのデザインを一新。また、ホイールデザイン、新インテリアカラーも採用し、さらにモダンで高級感のある内外装となった。7月には「ルノー・スポール」もベース車に続いてマイナーチェンジ。10月には、マイナーチェンジ後のルーテシアにも5速MTの「ゼン」が再登場している。これらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。

年式別中古車平均価格
年式中古車平均価格
 2013年式  97万円 
 2014年式  122万円 
 2015年式  129万円 
 2016年式  145万円 
 2017年式  171万円 
 2018年式  181万円 
 2019年式  226万円 
※中古車平均価格はグーネット2020年11月19日現在のデータによる。


低予算で探すなら2016年式以前のモデル

 モデルライフを通して2回のマイナーチェンジを受けた先代ルーテシア。しかし、2016年2月の最初の改良は、メカニズムの変更が中心。翌年の2度目の改良は、内外装デザインが改められた。平均価格を見ると、新しいルックスになった2017年式以降の相場は高めで、平均価格は170万円を超える。100万円台前半の予算で探すなら、2016年式以前の前期型がターゲット。なかには車検付きでも100万円を切る物件も存在する。

ルノー ルーテシアのグレード別平均価格から見た狙い目のグレードは?

 ルーテシアのグレード構成は、下から「アクティフ」、「ゼン」、「インテンス」、「GT」、「ルノー・スポール」が基本。搭載エンジンは1.2L 直4ターボ+6速EDCが中心だが、「ゼン」には0.9L 直3ターボ+5速MTも存在する。また「ルノー・スポール」は1.6L 直4ターボ+6速EDCを搭載。「ゼン」と「インテンス」は装備が充実し、フロントフォグランプ、電動格納式ドアミラー、オートライト&ワイパーなどが標準装備となる。「インテンス」はこれらに加えて、プライバシーガラス、17インチアルミホイール、オートエアコン、バックソナーなどが付く。これらを踏まえ、各グレード別中古車平均価格をチェックしてみたい。なお、「アクティフ」、「GT」は物件が極めて少ないため掲載していない。

グレード別中古車平均価格
グレード中古車平均価格
ゼン109万円
インテンス120万円
ルノー・スポール系174万円
※中古車平均価格はグーネット2020年11月9日現在のデータによる。


装備が充実した「インテンス」がねらい目

 「ゼン」と「インテンス」の平均価格の差は10万円ほど。物件数は後者のほうが多く、中古車として買うなら装備が充実した「インテンス」が圧倒的にオススメだ。ただし、「ゼン」は3気筒+5速MTという、マニアックな仕様も選択できる。日本で販売されるルーテシアでは唯一の3ペダル車なので、こちらにこだわるなら「ゼン」を探そう。また、「ルノー・スポール」もかなり相場が下がっている。物件数が多く、100万円台前半の車両もあるから、ホットハッチファンなら絶対見逃せないチョイス。

ルノー ルーテシアの中古車価格相場のまとめ

 今回の調査で、先代ルーテシアは100万円前後の予算でも探せる魅力的なモデルであることがわかった。実用車としても優秀だが、ルノー・スポール系モデルで走りを楽しむのもよし。新型が登場したとはいえ、まだまだ新鮮味が残る先代だから、この価格帯はユーザーにとっても嬉しい相場となっている。

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グーネットマガジン編集部

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