徹底分析中古車相場
更新日:2020.07.01 / 掲載日:2020.07.01
【レクサスIS】ビッグマイナーチェンジでどうなる? 現在の中古車相場を調べてみた
先日、新型レクサスISが世界初公開された。見た目が大きく変わり、一見するとフルモデルチェンジと思える新型ISだが、今回は大規模なマイナーチェンジとプレスリリースに記載されている。とはいえ、2019年に新設された過酷なテストコースによる走り込みによって、運動性能をさらに磨き上げたという。安全面では「レクサスセーフティシステム+」が進化したのも新型のポイント。
そんな新型ISの日本導入時期は秋頃となる予定だが、これからレクサスISを買おうと考えているひとは、新型と現行型のどちらを選ぶか迷うこともあるだろう。そこで今回は、2020年6月現在のレクサスIS(現行型)の中古車動向を探り、買いか待ちかを考えてみたい。
レクサスISってどんなクルマ?
2005年9月、日本にレクサスブランドが導入されるのと同時にデビューしたのがIS。全長およそ4.6mのボディは、メルセデス・ベンツCクラスやBMW 3シリーズとほぼ同じ。つまりプレミアムDセグメントの市場に投入された期待のホープというポジション。スポーティな走りとルックス、そして390万円からという戦略的プライスで人気の高いモデルとなった。
また、この世代ではカブリオレ、高性能バージョンIS Fなどの派生モデルも登場した。とくにIS FはAMGやBMW Mモデルに相当するパフォーマンスが自慢で、コンディションのよい個体はいまも高値で取り引きされている。
2013年5月、2代目(海外で発売されていた初代を含めれば3代目)のISがデビュー。外観は、GSで導入されていたスピンドルグリルが採用され、ブランドイメージを強く押し出したデザインとなったのが見どころ。またスポット溶接の打点を細かくするなどボディ剛性が強化され、同時に軽量化も実現することで、走りは一層洗練されたものとなった。
極め付けは、待望のハイブリッドモデルが設定されたことだろう。こちらはJC08モード燃費23.2km/L(デビュー時)という、ミドルセダンとしては非常に優秀な燃費性能を実現。高性能バージョンのFは、その後登場したスポーツクーペのRCに譲ったため設定されなかったが、プレミアムセダンとしての価値は先代以上に高められた。
レクサスISの年式別平均価格から見た狙い目の年式は?
ISの改良遍歴を振り返ってみよう。2013年5月発表時に選べたモデルは、2.5L V6+6速ATを搭載する「IS250」、2.5L 直4のハイブリッドモデル「IS300h」、そして最上級モデルとして3.5L V6+8速ATの「IS350」という3グレード。それぞれ標準仕様に加え、装備が充実した「バージョンL」、走りにこだわった「Fスポーツ」も選べた。なお、当時の価格帯は420万円~595万円。
2014年7月、ISは一部改良を受ける。標準仕様と「バージョンL」のフロントフォグランプにLEDを採用したほか、ドアミラーに電動格納式、自動防眩機能などが盛り込まれた。室内は、フロントコンソール横の膝当てを全車標準装備としたほか、センタークラスターの意匠を変えて高級感をアップ。
2015年7月、2.0L 直噴4気筒ターボの「IS200t」が追加された。最高出力は245馬力を発揮しながら、JC08モード燃費13.2km/Lを達成。トランスミッションは8速ATが組み合わされる。また、IS300hのAWDにトルセンLSDを採用し、走破性とハンドリング性能を両立。さらにIS350、IS200tにパフォーマンスダンパーも標準装備となった。
2016年10月、ISはマイナーチェンジを受ける。フロントまわりを中心にデザインがリニューアルされたほか、ホイールも一新。室内はナビディスプレイを10.3インチに拡大して視認性を向上。走りの面では、フロントロアアームをアルミ製に変更することで剛性アップと軽量化を両立。さらにスプリング、ブッシュの特性なども見直された。また予防安全パッケージ「レクサスセーフティシステム+」が全車標準装備となり、安全性がさらに高められた。なお、このタイミングでIS250はラインアップから外れている。
2018年8月、IS200tからIS300へとネーミングが変更された。これに搭載される2.0Lターボエンジンのアクセルレスポンスが高められ、よりスムーズな走りを実現。そのほか新ボディカラーの設定など、各部で小改良を受けている。これらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2013年式 | 228万円 |
2014年式 | 240万円 |
2015年式 | 264万円 |
2016年式 | 342万円 |
2017年式 | 363万円 |
2018年式 | 404万円 |
2019年式 | 456万円 |
探しやすいのは2013年~2014年式
この世代のレクサスISは、高年式になるほど物件数が減少する傾向にある。それゆえ2013年~2014年式の物件が豊富で買いやすい傾向。しかしながら、6年~7年落ちの物件ともなると、走行距離10万km超えのケースも少なくない。とくにISは実用セダンゆえ、かなり距離が伸びている傾向がある。5万km前後の距離で探すなら、最低でも200万円の予算は確保しておきたい。
また、2017年のマイナーチェンジ後の物件が気になるひともいるはず。2017年式の平均価格は363万円となっているが、最低ラインは260万円から。少し背伸びして、安全装備などが充実するこちらを探すのも手。
レクサスISのグレード別平均価格から見た狙い目のグレードは?
ISのグレード構成は、「IS250」、「IS300h」、「IS350」、「IS200t(IS300)」の4モデル。前述のとおり、標準仕様、「バージョンL」、「Fスポーツ」が選べるため、選べるバリエーションはかなり豊富だ。これらに加えて特別仕様なども存在する。ここではグレード別中古車平均価格を見ていこう。
グレード | 中古車平均価格 |
IS250 | 234万円 |
IS300h | 281万円 |
IS350 | 277万円 |
IS200t(IS300) | 346万円 |
中古車の大半はハイブリッドモデル
グレード別の物件数に注目すると、大きな偏りがあることが分かった。ハイブリッドモデル「IS300h」が全体の7割以上を占めており、逆に最上級モデル「IS350」はかなり少なめ。平均価格に注目すると、途中で追加された「IS200t(IS300)」はほかのグレードよりも高めとなっている。探しやすさならハイブリッドが一番と言えよう。
ただし、高年式で比較するなら「IS200t(IS300)」もオススメ。排気量が2.0Lだから自動車税で有利なのがその理由だ。燃費性能はハイブリッドに譲るものの、軽快な走りはレクサスISのキャラクターにマッチしているのも見どころ。
レクサスISの中古車価格相場のまとめ
以上をまとめると、現行型レクサスISは登場から7年を経て、新車時の半額程度の予算で購入可能となった。たとえば、市場に多く流通する「IS300h」は、走行距離5万km以下の条件でも200万円台半ばの予算から探せる。
秋にビッグマイナーチェンジを控えているが、これらが中古車として流通するのは当分先。それなら、現行型は十分「買い」と言える。改良型の影響でさらなる値下がりも期待できるから、これからの動向にも注目しておきたい。