徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.28 / 掲載日:2018.06.26
【クロスオーバー車特集】スバル XVやボルボのクロスオーバーって200万円以下で買える?
最近、「クロスオーバー」という言葉を耳にすることが多い。英語の「Crossover」は、「交わり」や「交差」などという意味だが、自動車の世界では、「複数のジャンルが交わったモデル」といったニュアンスで使われている。クロスオーバー車と聞いて、すぐ頭に浮かぶのはスバル XVのようなクルマだ。この場合、ハッチバックとSUVのクロスオーバーということになる。しかし、なにもSUVだけがクロスオーバー車に必須の要素ではないのだ。ワゴンとミニバンのクロスオーバーもあるし、セダンとスポーツカーのクロスオーバーだって可能性として有りうる。具体例を挙げると、前者はかつて存在したトヨタ オーパやプリウスシリーズのプリウスα、後者はマツダ RX-8なんかが該当する。
しかし一般的には、ハッチバックやワゴンとSUVの組み合わせをクロスオーバーと呼ぶことが多い。乗用車とSUVのイイトコ取りをした新ジャンルのクロスオーバー車は、ここ最近ホットなトピックにあふれている。今回はグーネットのデータを交え、200万円以下の予算で買えるオススメモデルを紹介していこう。
クロスオーバー車について復習してみよう
SUVやオフロード車との違いは?
いわゆる一般的なSUVとクロスオーバー車のあいだに、明確な境界線は存在しない。しかし両車に共通しているのは、乗用車から派生したプラットフォーム(多くはモノコックボディ)を土台として設計されていること。一方オフロード車(クロスカントリー車)は、多くの場合ラダーフレーム(はしご型の強固なシャシー)や、ビルトインラダーフレーム(ラダーフレームにモノコックを結合させたもの)を採用し、オフロードの走破性能を大幅に引き上げているのが特徴だ。SUVやクロスオーバーSUVは、オフロードカー的なルックスを持つが、ハードなオフロード走行が得意でないモデルも少なくない。
また、SUVとクロスオーバー車の違いは、乗用車からの派生か否かで分けることもある。一般的なSUVは専用設計のボディを持つが、クロスオーバー車はベースとなる乗用車が存在する。たとえばスバルXVなら、インプレッサがベースという具合だ。ただ、自動車メーカーの呼称やマスメディアにおいて、意味合いはケースバイケースで使い分けられるようだ。
クロスオーバー車はどんなユーザーにオススメ?
クロスオーバー車の多くは、乗用車をベースに最低地上高を上げ、樹脂のフェンダーアーチなどを装着して差別化を図っているのが特徴だ。駆動方式は、ベース車のままか(多くは前輪駆動)、簡易的な4WDを設定していることが多い。率直に言うとオフロード性能はそれほど高くない、でも、非日常的かつアクティブな佇まいゆえ、普通のハッチバックやワゴンと比べてエンターテイメント性があるし、ワクワクできる。言ってみれば、メーカー公認のカスタムカーのようなポジションなのだ。そんなコンセプトに共感するユーザーに、クロスオーバーはぴったりの選択と言えそうだ。
クロスオーバー車の長所と短所
クロスオーバー車の長所は、なんと言ってもカジュアルさ。乗用車感覚で気軽に乗れるので、一般的なSUVほど気負いすることもないし、燃費でも有利なケースが多い。また、車高が1550mm以下のモデルが多く、都市部での立体駐車場に入庫可能なこともメリットだ。対して短所は、前述のとおりオフローダーとしての性能は期待できないこと。最低地上高に少しゆとりがあるから、多少の荒地は走れるものの、SUVやクロスカントリーに比べると心許ない。
クロスオーバー車人気ランキング
スバル XV(先代)
VW クロスポロ(先代)
MINI クロスオーバー(先代)
ボルボ V40クロスオーバー
グーネットがオススメするクロスオーバー車4台をピックアップし、中古車の参考価格帯をチェックしてみよう。
モデル名 | 中古車平均価格 |
スバル XV(先代) | 173万円 |
VW クロスポロ(先代) | 97万円 |
MINIクロスオーバー(先代) | 181万円 |
ボルボ V40クロスカントリー | 262万円 |
スバルXV(先代)
今、注目度が高いクロスオーバー車と言えば「スバルXV」。2017年5月に新型が登場したが、中古車相場はまだ高値なので、ここでは先代モデルに着目したい。インプレッサをベースとするXVの魅力は、なんと言っても無骨なスタイルにある。ブラックのフェンダーアーチや専用バンパー、ホイールをはじめとする専用内外装を採用し、インプレッサにはないアクティブなイメージを演出。エンジンは全車2.0L 水平対向4気筒が搭載され、駆動方式はスバル得意のフルタイム4WD。最低地上高にもゆとりがあるから、本格的なSUVに劣らぬオフロード性能も実現している。また、自動ブレーキシステム「アイサイト」も設定され、安全面でもぬかりはない。以前はその人気ぶりから中古車は高値だったが、新型登場の影響もあり、先代は手頃な価格になってきた。物件も豊富で、200万円以下の予算でも十分狙える。
スバルXV(グレード2.0i:2015年10月モデル)の主要諸元
全長×全幅×全高4450×1780×1550mm
ホイールベース2640mm
トレッド前/後1535/1540mm
室内長×室内幅×室内高2005×1490×1205mm
車両重量1390kg
エンジン型式FB20
総排気量1995cc
最高出力150ps(110kW)/6200rpm
最大トルク20.0kg・m(196N・m)/4200rpm
サスペンション形式(前)ストラット式独立懸架
サスペンション形式(後)ダブルウィッシュボーン式独立懸架
駆動方式フルタイム4WD
トランスミッションCVT(無段変速車)
JC08モード燃費16.2km/リットル
VW クロスポロ(先代)
VW クロスポロ(2016年7月モデル)の主要諸元
全長×全幅×全高4000×1710×1490mm
ホイールベース2470mm
トレッド前/後1455/1455mm
室内長×室内幅×室内高
車両重量1160kg
エンジン型式CJZ
総排気量1197cc
最高出力90ps(66kW)/4400~5400rpm
最大トルク16.3kg・m(160N・m)/1400~3500rpm
サスペンション形式(前)マクファーソンストラット(スタビライザー付)
サスペンション形式(後)トレーリングアーム
駆動方式FF
トランスミッション7AT
JC08モード燃費21.9km/リットル
MINI クロスオーバー(先代)
MINIブランド初の4ドアモデルとなったMINIクロスオーバーが最初に登場したのは2011年1月。現在は2代目が登場しているが、ここで注目するのは価格がこなれた先代だ。以前はMINIに興味があっても、3ドアというのがネックで二の足を踏むユーザーが多かった。しかしMINIクロスオーバーは後席のアクセスがよく、ファミリー層に大ヒット。3ドアと比べてひとまわり大きなサイズゆえ、大人4名でもしっかり使えるのが魅力である。クリーンディーゼルや、ハイパフォーマンスモデル、さらに「ALL4」と呼ばれる4WDも設定され、幅広いユーザーをターゲットとしている。中古車は豊富に流通しており、中古車平均価格は200万円を下まわる。
MINI クロスオーバー(ワン クロスオーバー:2011年1月モデル)の主要諸元
全長×全幅×全高4105×1790×1550mm
ホイールベース2595mm
トレッド前/後1535/1560mm
室内長×室内幅×室内高—-×—-×—-mm
車両重量1320kg
エンジン型式N16B16A
総排気量1598cc
最高出力98ps(72kW)/6000rpm
最大トルク15.6kg・m(153N・m)/3000rpm
サスペンション形式(前)マクファーソン・ストラット
サスペンション形式(後)マルチリンク
駆動方式FF
トランスミッション6MT
JC08モード燃費17.2km/リットル
ボルボ V40 クロスカントリー
ボルボのエントリーモデルとして一躍人気モデルとなったのが2013年に発売されたV40。これをベースに、ブラックのフェンダーアーチなど専用エクステリアを与えたのが「クロスカントリー」だ。ボルボには車名に「XC」が付くSUVがあるが、V40クロスカントリーはそこまで本格的なオフロード性能は備えておらず、あくまでアウトドアの雰囲気を楽しむためのもの。最低地上高はベース車よりも10mm高いが、駆動方式は2WDと4WDが選択可能。それでもベース車の素性のよさやディーゼルの設定など、クルマとしての完成度は非常に高い。中古車平均価格は262万円と、今回紹介した4台のなかではもっとも高価だが、コスト当たりの満足度を考えるなら検討の余地あり。5年落ちで3万km前後の個体なら、160万円前後の予算から狙える。
ボルボ V40 クロスカントリー(クロスカントリー T5 AWD:2013年2月モデル)の主要諸元
全長×全幅×全高4370×1800×1470mm
ホイールベース2645mm
トレッド前/後1550/1540mm
室内長×室内幅×室内高—-×—-×—-mm
車両重量1580kg
エンジン型式B5204T
総排気量1983cc
最高出力213ps(157kW)/6000rpm
最大トルク30.6kg・m(300N・m)/2700~5000rpm
サスペンション形式(前)マクファーソンストラット式
サスペンション形式(後)マルチ・リンク式
駆動方式フルタイム4WD
トランスミッション6AT
JC08モード燃費12.4km/リットル
クロスオーバー車の維持で注意したいこと
クロスオーバー車は、ベースとなるハッチバックやワゴンとほとんど変わらない運転感覚だから、注意すべきことは多くない。強いて言うなら、専用設計されたSUVとは異なり、最低地上高がそれほど高くないから、無理にオフロードに入るのは厳禁。また、ワイドフェンダーのクルマの場合、狭い路地などでヒットする可能性もあるから注意しよう。
グーネットが推すクロスオーバー車は?
今回紹介した4モデルは、いずれも200万円の予算で購入できる。V40クロスカントリー以外は先代モデルだが、いずれも低走行かつ高年式もターゲット圏内。グーネットがオススメしたいのは、先代スバルXV。この4台のなかで、特にオンロードとオフロード性能のバランスがよく、多少の悪路なら難なくこなせる走破性能を持っている。物件も豊富かつ100万円台前半の予算で購入可能なことも、オススメの理由となる。