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更新日:2019.09.04 / 掲載日:2018.12.06

【ルノー メガーヌR.S.】ライバルとの比較でわかったメガーヌR.S.の相場動向とは?

 スポーツカーと言えば後輪駆動、そう考えるひとは少なくない。しかしながら、たとえ前輪駆動(FF)でも、走る楽しさはもちろん、サーキットのタイムアタックでも優秀な結果を残しているクルマが存在する。そのひとつが、メガーヌ ルノー・スポール(以下メガーヌR.S.)だ。ここ最近、4代目ルノー メガーヌをベースとした「R.S.」(R.S.としては3代目)が日本に導入され話題となっており、海外ではその高性能版「トロフィー」もお目見えするなど、ルノーの攻勢が続いている。一方FFスポーツと言えば、ホンダ シビック タイプRも忘れてはならない存在。どちらもニュルブルクリンク北コースでのFF最速の座を掛け、開発競争をしている様子である。そんなわけで今回は、先代メガーヌR.S.の相場を詳しく調査し、シビック タイプRも交えてどちらがお買い得かを考えていきたい。

ルノー メガーヌR.S.ってどんなクルマ?

 メガーヌは、ルノーの中核をなすファミリーカー。VWで言えばゴルフに相当する、Cセグメントというクラスに属するモデルである。このような乗用車をスポーツモデルに仕立てるというのは昔からの常套手段だが、ルノーのそれはかなり本格的。メガーヌR.S.は生産拠点をアルピーヌの本拠地、ディエップ工場に置き、走りのレベルも同クラスのスポーツモデルと比べて一際高い次元にあるからだ。初代メガーヌR.S.は2004年に登場したが、2009年には今回紹介する2代目にモデルチェンジし、翌年には日本にも導入された。

 2代目のR.S.は、クーペフォルムを持つ3ドアハッチバックのみの設定で、ダークカーボン調のインテリアやレカロ社製スポーツシートを標準装備している。欧州ではストリートの快適性を確保した「シャシースポール」と、ダンパーやアンチロールバーを締め上げてサーキット走行を視野に入れた「シャシーカップ」の2タイプが選べるが、当初日本に導入されたのは後者。エンジンは250馬力の2.0L 直4ターボを搭載し、6速MTを組み合わせる。ちなみに先日登場した3代目のR.S.は、日本仕様ではマニュアルトランスミッションが選べなくなった(本国では設定されている)。ここにこだわる人は、新型よりも先代を探すほかない。

ルノー メガーヌR.S.の世代別中古車相場は?

 先代メガーヌR.S.が日本に導入されたのは2010年12月のこと。2012年7月には一部改良を受け、最高出力は250馬力から265馬力に高められた。また、これと同時に発売された限定車「トロフィー」では、19インチの専用アルミホイール、高性能タイヤのポテンザRE050Aが与えられている。そして2014年6月、メガーヌシリーズ全体のマイナーチェンジにともなって、「R.S.」も外観デザインがリニューアルされた。主な変更点はフロントまわりで、よりスッキリした印象となっている。さらにストップ&スタート機能の追加や内装の仕立ても変更を受けた。なお、このタイミングでメカニズム関係の変更はない。

 2014年9月には、より高性能化が図られたトロフィーシリーズ3モデルが合計210台限定で導入された。これらはトルクの落ち込みを抑えたエンジンチューンが施され、最高出力を273馬力にアップ。スタンダードな「トロフィー」に加え、オーリンズ製ダンパーを備えた「トロフィーS」、「トロフィーS」の装備に加えてモノコックレカロシートやコンポジットフロントスプリングを採用し、さらにリヤシートまで取り払った「トロフィーR」が用意され、先代メガーヌR.S.のなかでも特に人気が高いモデルとして知られる。それを踏まえ、まずは年式別の中古車平均価格を見てみよう。

年式別中古車平均価格
年式中古車平均価格
 2011年式  168万円 
 2012年式  175万円 
 2013年式  202万円 
 2014年式  236万円 
 2015年式  261万円 
 2016年式  325万円 
 2017年式  335万円 
※中古車平均価格はグーネット2018年11月27日現在のデータによる。

2011年と2015年がボリュームゾーン

 先代以降に導入されたメガーヌの大半がスポーツモデルのR.S.となっており、スタンダードなメガーヌは中古車があまり流通していない。それゆえ、全体で見ると物件数はVWゴルフなどと比べてもかなり少なめという傾向がある。一方、年式別に見ると、物件が比較的集中しているゾーンがある。そのひとつがR.S.が投入された2011年式で、100万円台の物件が目立つ。走行距離は3万km~5万kmと際立って多走行なものが少なく、今でも良質な車両を探しやすい。また2015年式も物件が多いが、こちらは限定のトロフィーシリーズが中心となり、相場は初期の標準モデルと比べて2倍近い。

ルノー メガーヌR.S.のグレード別中古車相場は?

 先にも述べたが、メガーヌR.S.のグレードは、基本の「R.S.」に加え、限定の「トロフィー」、「トロフィーS」、「トロフィーR」で構成されている。そのほかにも日常での使い勝手に優れたシャシースポールの「モナコGP」、アクラポヴィッチ製チタンマフラーを採用した「273トロフィー」などが存在し、スポーツモデルとしてはバリエーションが豊富。ここでは、標準の「R.S.」とトロフィー系の平均価格をチェックしてみよう。

グレード別中古車平均価格
グレード中古車平均価格
R.S.209万円
R.S.トロフィー277万円
R.S.トロフィーR366万円
※中古車平均価格はグーネット2018年11月27日現在のデータによる。

ベーシックな「R.S.」が探しやすい

 限定車のトロフィー系は、物件が少なく探しにくい。こだわりがなければ、スタンダードな「R.S.」というのが鉄板チョイスだろう。250馬力(2012年以降は265馬力)のFFスポーツとして見ると、十分以上のパフォーマンスだから、たとえ素のモデルでも走りに不満を覚えることはないはず。とはいえ、このようなスポーツカーというのは、クルマにこだわりがある人が乗るものだ。たとえトロフィー系でも物件をくまなく探せば見つかるから、根気よくいこう。ちなみに2018年11月27現在、「トロフィーS」の中古車は流通していなかった。また最強バージョン「トロフィーR」は、思いのほか物件が多い。こちらは2シーター化され、ニュルの北コースで7分54秒36という、FFとしては驚異的なタイムを叩き出したモデルで、非常に希少価値が高い。予算が許せば検討したい。

シビックタイプRと比較すると?

 FFスポーツの世界で、ルノー メガーヌR.S.と真っ向から対抗するのはホンダ シビック タイプR。ここでは、シビック タイプRの平均価格をチェックしてみよう。

モデル別中古車平均価格
モデル名中古車平均価格
シビック タイプR(FD2)196万円
シビック タイプRユーロ(FN2)154万円
シビック タイプR(FK2)411万円
※中古車平均価格はグーネット2018年11月27日現在のデータによる。

 FD2(2007年~2011年)は先々代のシビックがベース、FN2(2009年~2012年)は先々代の欧州仕様のシビックがベース、そしてFK2(2015年~2017年)は先代のタイプRである。年式的に先代メガーヌR.S.と競合するのはFK2だが、こちらは日本には限定車として販売されたため、中古車が非常に少なく相場はかなり高め。価格、物件数ともメガーヌR.S.のほうが圧倒的に入手しやすい。しかし、その前世代のFD2、FN2はともに中古車がメガーヌR.S.よりも豊富なので探しやすいが、年式が古くても高値をキープしている。コストパフォーマンスで言えば、メガーヌR.S.よりも割高な印象を受けるだろう。

 以上からもわかるとおり、メガーヌR.S.はこのクラスの本格派スポーツモデルとしては比較的リーズナブルな価格で、購入のハードルはそこまで高くない。マニュアルで乗れる2ドアとしてのニーズも満たすこのモデルは、ぜひ注目しておきたい1台である。

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グーネットマガジン編集部

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