車の歴史
更新日:2020.10.31 / 掲載日:2020.10.31

NISSANが生んだ革命児 SKYLINE 2000GT-R(KPGC10) エクステリア

「ハコスカ」という通称で旧車ファンから絶大なる人気を博している3代目スカイライン。「ハコスカ」はスカイラインというブランドの人気を不動のものとしたモデルといえるだろう。その人気のもととなるのが、ツーリングカーレースのために生まれたGT-Rの存在であり、当時のレースシーンでの活躍だ。そんなGT-Rの、2ドアハードトップがベースとなる後期型のKPGC10を今回は取り上げる。セダンをベースとした前期型PGC10に比べ、オーバーフェンダーの装着などビジュアル面でさらに迫力を増したKPGC10型は、今や日本に留まらず世界中から注目を集める存在となっている。

明らかに市販車用とは違う
S20エンジンの内部構造
 旧車の代名詞といえるスカイラインGT-R。当時の国産車の中では圧倒的な高性能を誇り、しかもツーリングレースでは諸説あるものの50連勝という大記録を打ち立てたほどの強さを誇ったモデルだけに、当時から、そして現在でもクルマ好きにとって憧れの存在である。
 そんなスカイラインGT-Rだけに、今さら説明など必要ないかもしれないが、ここでも軽く触れておこう。
 3代目スカイラインとなるC10系スカイラインのトップグレードとなるGT-Rは、4ドアセダンがベースとなる前期型と、2ドアハードトップがベースとなる後期型に大まかに分類することができる。前期型のPGC10が登場したのは1969年2月。C10型がデビューした半年後のとことなる。そして1970年の10月には4気筒モデル(1500、1800)、6気筒モデル(2000GT)に2ドアハードトップが追加され、同時にGT-Rも後期型のKPGC10へと進化した。
 GT-Rの魅力は数多いが、その最たるは搭載されているS20エンジンであろう。日産に吸収合併される以前のプリンス自工が開発した純レーシングマシンR380用のエンジン、GR8型がベースとなっているのは、皆さんご存じの通りだ。
 もちろん純レーシングエンジンとなるGR8型と、市販車両に搭載するためのS20型は異なる部分も多いが、S20を分解しその内部の作りを見ると、一般的な市販車とは明らかに異なる、レーシングエンジンならではの作りが見えてくる。たとえばシリンダーブロックとシリンダーヘッドの結合。一般的な市販乗用車用エンジンは、1シリンダーあたり4本(6気筒なら計14本)のヘッドボルト、もしくはスタッドボルトで結合されるが、S20は1シリンダーあたり6本のヘッドボルトとスタッドボルトで結合されているのだ。これはいうまでもなく高い圧縮と燃焼圧力に対応させるためのもので、レーシングエンジンであるGR8がベースとなることをうかがわせる構造といえるだろう。
 その他にもクランクキャップが一般的なエンジンの下から上に締め付けるボルトによる固定だけではなく、ブロックの側面から固定する横方向のボルトが加わったり、ピストンピン径がかなり太かったり、高回転高出力であったGR8型の特徴を受け継ぐものとなっている。

セダンより70mm 短いホイールベース

前期型となるセダンベースのPGC10はホイールベースが2640mm。レースでより優位に立つべく、ホイールベースが70mm短い2ドアハードトップが後期型GT-RとなるKPGC10では採用される。

  • ヘッドライトは丸目4灯式。その下部、バンパーの上部にウインカー&ポジションランプが備わるが、そのレンズはフロントフェンダーのウインカーレンズがオレンジなのに対しクリアタイプを採用。

  • セダンは年式によりレンズのデザインが変わるテールランプだが、KPGC10はメッキリムで囲まれた角2灯を採用。ちなみにウインカー用のオレンジ色のレンズはない。バックアップはバンパーにビルトインされる。

  • サイドウインドウは前から3角窓、フロントサイド、リヤクォーターがそれぞれ開閉する。リヤクォーターはフロント同様に昇降式だ。Bピラーがない、いわゆるピラーレスのハードトップとなっている。

  • ワイドタイヤの装着を可能にすべく、リヤフェンダーは、サーフィンラインがカットされ、さらにオーバーフェンダーが純正で装着される。ちなみにこの車両はフロントにオーバーフェンダーを追加している。

  • C10型スカイラインの特徴のひとつともいえる給油口。トランクフードの左側前方部に給油リッドが備えられている。しっかりとロックが付いており、キーを使ってリッドを開くと給油キャップが見えてくる。

  • トランクを開けるとGT-Rの特徴となる100Lタンクが、トランクにはみ出すカタチで鎮座している。ちなみにGTのタンクは、トランク容積を確保するために、GT-Rの半分となる50Lタンクを採用していた。

提供元:オートメカニック

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グーネットマガジン編集部

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