車の歴史
更新日:2019.12.24 / 掲載日:2019.12.24
DATSUN 69 FAIRLADY 2000(SR311)【2】
形状、配置など年式でガラリと変化する内装
本来、各メーターの文字盤は黒となるが、視認性を上げたいというオーナーの下鳥さんの意向で改造してある。右が速度、中央が回転、左は水温、電流、油圧、燃料の4つを表示するメーターとなっている。
42年11月以降のマイナーチェンジでメインキーはハンドルコラムに付くようになる。つまりハンドルロックが付いたのだ。キーは1番左に回した状態がロック、そしてOFF、ACC、ON、STARTとなる。
ウインカーレバーは右ハンドルでもハンドルコラムの左側にセットされる。ウインカーの切り替え以外にヘッドライトのHI/LOW切り替えも担うが、パッシングスイッチは備わっていない。
42年11月からのインパネは安全基準に適合させるべく全面にパッドが入ったものとなる。ちなみにそれ以前はより平面的でシンプルな形状。パッドはダッシュボードの上側のみに付くものだった。
インパネ右側に付くスイッチは、一番上がワイパー、その下が暖気時にアクセルを開いて固定できるスロットル、下段左がライト、そしてその右のつまみはメーター照明の照度調整となる。
追加装着される純正汎用ハザードスイッチの奥には2つのレバーがあり、一文字のレバーノブは外気導入切り替え用(助手席側にも同様のものを装備)。その右下の丸いノブはボンネットオープナーだ。
ラジオはセンターパネルに縦にレイアウト。その右の各レバーは上がチョーク、その下がブレーキの機能チェックランプ(本来は一番下のグロメット部にランプが付き、正常なら点灯する)、その下がヒーターファンスイッ
当時としては大変めずらしいフロア5速のシフトレバー。42年11月からはシフトパターン表示が写真にあるように立体造形の金属製となる。それ以前はシフトレバーの前方にステッカーが貼られていた。
シングルナンバーを着けたSR311を乗り始めて20数年
今回撮影させていただいフェアレディ2000のオーナーが下鳥さん。1969年式のSR311は20年ぐらい前(もう正確には覚えていらっしゃらないそうだ)に手に入れたという。誌面上ではナンバープレートの文字を消してしまっているが、なんとシングルナンバー。地域名の右に表示される分類番号が、現在では3桁となっているが、それが一桁の時代のナンバーが付いているのだ。オーナー歴が20年ぐらいなので下鳥さんが新車から乗り続けているというわけではないが、このナンバープレートも旧車乗りにとっては自慢のポイントだ。
ちなみに下鳥さんはこのSRに乗る以前にSP311フェアレディ1600に乗っていた他、フェアレディ240Zなどにも乗っていたクルマ好きでもある。そんな下鳥さんは、大好きなクルマのドライビングに楽しみを見いだすタイプのようだ。というのもフェアレディ仲間からは不評をかっても、楽しく運転できるようにと、例えばヘッドライトをより明るくするためにHID化したり、メーターの文字盤をホワイトにしたり、自分なりの改良を車両に施しているから。65歳という年齢もあり視力が落ちてきてしまっているようで、見えないことで運転を楽しめないということを極力排するためモディファイを施しているのである。オリジナル重視派の方たちからは否定されそうだが、旧車を安全に楽しむためにはアリな改造ではなかろうか?
ドアの内張りは前方にオープナーハンドルを配置。その下方にウインドウレギュレーターハンドルが付く。グリップはさらに下方に装備。運転席側にはポケットが付く。ロックは上端の後方にレイアウトされる。
センターコンソールは肘掛けの下が鍵付きの小物入れとなっている。その前方にはスライド式の蓋が備わる灰皿とシガーライターソケットがレイアウトされている。42年10月以前の初期型もほぼ同形状。
42年11月以前の初期型との相違点はマップランプの位置。センターコンソールの小物入れの前端にマップランプが備わっている。初期型はダッシュボードの助手席側、グローブボックス下に装備されていた。
アクセル、ブレーキ、クラッチのペダル類は特にほぼ同じ高さでレイアウトされている。ちなみにパッドのゴムも純正品となる。センタートンネル側にはスポーツカーらしくフットレストを標準装備。
シートは安全基準に適合させるためにヘッドレストが42年11月以降のモデルから装備されている。形状的にはヘッドレストが付く以外、初期型とほぼ同形状。ちなみに標準で3点式シートベルトが装備されていた。
ウインドウの高さに合わせ、サンバイザーも大型化されたそうで、初期型はもっと小型なものが付く。ルーフの固定フックは初期型の2点止めから、3点止めに変更されている。金具の形状も全く異なるそうだ。