中古車購入チェックポイント
更新日:2023.09.28 / 掲載日:2022.01.05
中古車を買うときの諸費用には何がある?その相場はどれくらいかを説明!
中古車を購入する時は、本体価格以外の諸費用がどれくらいかかるのかも把握する必要があります。
最初から一定の金額が決まっている法定費用の他にも販売店が独自に設定する手数料もあるので、意識せずにいるといざ請求書を見た時に驚いてしまうことがあるかもしれません。
ここではそうした諸費用としてどんなものがあるのか、その内訳と金額の相場についてご説明します。
これから中古車を購入予定の方は、参考にしてください。
この記事の目次
中古車の「車両本体価格」と「諸費用」は別
中古車を購入する時の資金として「車両本体価格」と「諸費用」の2種類を用意しておく必要があります。前者は自動車本体にかかる費用で、後者は税金や登録といった行政上の手続きなどにかかる費用です。
中古車の本体価格だけを見て購入すると、想定していなかった諸費用に驚くかもしれません。そうした事態を防ぐためにも、車を購入するとどのような理由で費用がかかるのか、その内訳をしっかり把握しておきましょう。
中古車の「諸費用」にはどんなものがあるか
中古車を購入したいという方の多くは、事前にある程度の予算を準備するはずです。では本体価格とは別にかかる諸費用は、どのような内訳になっており、それぞれどのくらいの金額がかかるのでしょう?諸費用は、先述の通り行政上の手続きなどでかかる費用のことです。内容的には大きく分けて「法定費用」と「代行費用」の2種類があります。
法定費用は重量税などの税金などで、代行費用は手続きなどにかかる費用です。
法定費用は金額の体系が決まっているので一律ですが、代行費用は購入する車種や販売店によって金額が違ってきます。
ここからは「法定費用」と「販売店が独自に設定する代行費用」について詳しく説明していきます。
法定費用とは?

内訳は「自動車税」「自動車重量税」「自賠責保険料」「自動車取得税」「車庫証明印紙代」「リサイクル料金」です。
ただし、金額が定まっているぶん値引きされることはありません。
具体的な金額は、車検の残り期間や車体の重さ、車の使い道、エンジンの排気量などが分かれば事前に確認することができます。
自動車税
毎年、4月1日時点の車の持ち主に課せられる税金が「自動車税」です。これは購入したのが新車ではなく中古車であれば、月割りした金額を購入時点で支払うことになるでしょう。
自動車税は都道府県税ですが、軽自動車の場合は市町村税として「軽自動車税」が課されます。
自動車税の納税額は車の排気量に基づいて決まるので、購入する車種によって金額は変動します。
中古車の多くは排気量が1,000~2,000㏄なので、高くついたとしても40,000円くらいと考えておけばまず問題ありません。
ただし、中古車の中でも初年度登録から13年以上が経っているものについては、注意する必要があります。「経年車重課」が加算される可能性があるからです。
この経年車重課でプラスされる金額は、一般的に標準税額の15%程度とされています。ただし、これは納税先である自治体ごとに違うので、気になる場合は直接問い合わせた方がいいでしょう。
自動車重量税
自動車重量税は車検の際にかかるため、次の車検までの期間が残っている車であれば、費用を急いで用意する必要はありません。反対に車検をすぐに受けなければいけない場合は、購入する車の重量に基づいた税額を納めることになります。
重量税の税額は、例えば重量が1トン前後の車であれば24,600~36,900円となります。0.5トンごとに税額が変動することになっているので、必要なら自分で計算することもできるでしょう。
また自動車税と同様に、重量税も古い年式の中古車に重課分がプラスされます。対象となるのは初年度登録から13~18年が経ったもので、金額の幅はもとの税額の1.5~2倍程度となります。
自賠責保険料
自賠責保険料は、自動車で公道を走る場合には必ず支払わなければなりません。保険料を支払わず、自賠責に未加入の状態で走行すれば法律違反になります。自賠責保険は車検に合わせて加入するのが一般的なので、加入の有無やタイミングについてあまり神経質になる必要はないでしょう。保険料も車検時に法定費用の一部に算入されます。
保険料の金額は、「車種」「加入期間」「地域」によって異なるので注意が必要です。
例えば本州で軽自動車の場合は以下の通りです。
12ヶ月分…12,550円
13ヶ月分…13,150円
24ヶ月分…19,730円
25ヶ月分…20,310円
36ヶ月分…26,760円
37ヶ月分…27,330円
環境性能割
環境性能割は、燃費性能の良し悪しで税額が決まるもので、以前は「自動車取得税」という名称で呼ばれていました。車両を購入した時点で課せられる都道府県税で、その税率は普通自動車なら購入価格のおおむね1~3%、軽自動車は1~2%に設定されています。
環境性能割の税額も計算が可能で、中古車の場合はまず車両ごとに定められた課税基準額に、登録初年度からの経過年数に応じた利率をかけて「取得価額」を算出します。そしてそれに「環境性能割の税率」をかければ割り出すことが可能です。
税金が免除される特例もあり、購入時の価格が50万円以下だった場合はこれに該当します。より正確な税額は販売店に確認してください。
車庫証明印紙代
新車・中古車に限らず、自動車の購入時に必要なものとして、警察に発行してもらう「車庫証明」が挙げられます。これは自動車の保管場所を確認するためのもので、正式には「自動車保管場所証明書」と呼びます。車庫証明の申請手続きを行えるのは、車の保管場所を管轄する警察署の窓口です。この時、約2,500円の印紙代(地域によって多少前後します)が必要で、車を購入した場合のみならず、住所変更に伴って車の保管場所が変わった場合も同様の手続きが必要になります。
リサイクル料金
リサイクル料金は、自動車を廃車にする時に発生するさまざまな部品や素材を、再利用または廃棄するための費用です。「リサイクル預託金」とも呼ばれており、車を購入する時にいったん預け入れる形になります。実際に預ける金額がいくらになるかは、自動車リサイクルシステムのホームページで確認することもできます。金額的には10,000~20,000円程度に収まることがほとんどなので、細かく調べなくともおおよその金額を想定しておけば十分でしょう。
預け入れたリサイクル料金が使われるのは、あくまでも廃車という形で車を処分する時だけです。売却するのであれば使われませんので、その場合はそっくり戻ってくることになります。
販売店が独自に設定する代行費用とは?

その内訳は、「検査や登録手続きの代行費用」「車庫証明取得手続きの代行手数料」「納車手数料」「希望のナンバーがある場合はその取得手続きの代行手数料」などです。
以下では、項目ごとに具体的な内容を説明します。
検査・登録手続きの代行手数料
いわゆる「登録代行費用」と呼ばれるもので、販売店のスタッフが陸運局に出向いて登録を行うことに対しての、いわば「手間賃」にあたります。数千円~1万円程度であることがほとんどなので、金額についてあまり心配する必要はないでしょう。販売店との関係次第では、料金がサービスされることもあるかもしれません。
また、稀なケースではあるものの、中古車を売ったことで十分な利益が出ていればこの手数料は不要だと考える販売店もあるようです。
車庫証明手続きの代行手数料
新車・中古車に限らず、車を購入すると保管場所を確保しなければなりません。そして確保されている事実を証明するために、警察署で車庫証明の取得手続きを行うことになります。この手続きを販売店に代行してもらった場合、1万円~2万円程度の手数料がかかります。
実際には代行してもらうケースがほとんどですが、自分で手続きを行って費用を抑えたい場合は、その旨を販売店側に伝えましょう。
ただし、手続きを代行してもらうにしろ自力で行うにしろ、車の所有者が準備しなければならない書類があります。自分で手続きをする場合は、管轄の警察署に申請手続きと書類受け取りのために2回足を運ぶことになるので、多少手間がかかります。
納車費用(納車準備・整備・仕上げ費用)
納車費用は、販売店から所有者へ車両を引き渡す際の準備費用で、「納車準備費用」の略称です。お店によって内訳の表示が統一されていないので、お店ごとの違いを比較するのは難しいかもしれません。
お店によっては消耗品の交換などの費用を「納車整備費用」としたり、全体のクリーニング費用を「納車準備費用」や「納車仕上げ費用」と記載したりすることもあります。
クリーニング費用はオプションとして別途請求されることもあり、その場合は一般的に数万円ほどかかります。
総合的に、納車費用の相場はおよそ3万円~5万円とされているので、その範囲内なら適正価格と言えるでしょう。
希望ナンバー取得手続きの代行手数料
車を購入する際は、希望するナンバーを指定することもできます。そのためには申請手続きが必要で、手続きにかかる費用は約5,000円~7,000円、さらに業者に代行してもらう場合は1万円前後がプラスされます。このナンバー指定の申請手続きを自分で行うのであれば、一緒に名義変更手続きも進めていくことになります。(中古車の場合)
印鑑証明書や自賠責保険証などが必要になりますので、事前に準備するものを確認しておきましょう。
あわせて車庫証明の申請手続きなども代行してもらうなら、代行手数料はさらに増えることになります。もしも費用を抑えたいのであれば、この一連の手続きを自分で行うことも検討してみてください。
陸送費用
陸送費用は、車両保管場所からお客様のところへ車を届ける際の費用です。車両保管場所は店舗の近くにあるとは限らず、運搬する距離によって金額が変わってきます。販売店の展示場に展示してある中古車であれば、陸送費用は無料になることもあります。その一方で、お店によっては車両保管場所から店舗までの移動も「陸送」と見なしたり、陸送費用を先述の「納車費用」に含める場合もあったりと、その扱いは千差万別です。
そのため、陸送費用の内訳や金額を正確に知りたいのであれば、販売店側にきちんと確認するようにしましょう。
大ざっぱな概算になりますが、金額的には2万円~10万円程かかるとされているので、目安にしてみてください。
洗車・クリーニング費用
中古車の場合、納車前にボディの洗車やクリーニングが行われます。これはいわゆるメンテナンスとは別枠の有料のサービスで、金額はおよそ5万円が相場とされています。このボディ洗車・クリーニングについては、見積書や請求書に内訳が設けられていないこともよくあり、その場合は先述の「納車費用」に含まれたりしています。もしもそのような形で知らないうちに請求されるのが不本意であれば、事前に店側に確認しておきましょう。
中古車の諸費用はどのくらいが妥当か

では、この諸費用をトータルで計算した場合、どのくらいの金額になるものなのでしょう?
本体価格の何割程度なら妥当なのか、諸費用の額が示されていない中古車検索サイトはどのように見るといいのか、などを説明します。
「車両価格の2割以上」は要注意
中古車購入にかかる諸費用の相場は、「車両本体価格の1割前後」と考えておきましょう。これが2割以上になる場合は、利益を得るためにどこかの項目が不当に高額になっている、いわゆる「ぼったくり」である可能性があります。諸費用のうち、法定費用は一律で決まっていますし、それ以外の項目もネットなどで調べればある程度の相場は分かります。それらを踏まえて納車費用、陸送費用、代行手数料の金額が妥当かどうか確認することが大切です。
諸費用が載っていない中古車サイトの見方
中古車検索サイトでは、さまざまな中古車の在庫状況を調べることができます。しかし、表示されている金額が諸費用込みなのか否かは分からないので、必要なら「諸費用は車両本体価格の1割前後」であることを念頭に置いて直接問い合わせてみてください。基本的に、諸費用が本体価格の2割越えとなることはほとんどありません。内訳に「○○手数料」という形で聞き慣れない名称の項目が3~5個並ぶようなところは、避けた方がいいでしょう。
「車検整備付き」かどうかなども確認する
中古車検索サイトでは、品物ごとに車検の期日が掲載されていることが分かります。「車検整備付き」と表示されているものは、納車時に行われる法定24ヶ月定期点検整備の費用も本体価格に含まれていることになります。
一方、「車検整備別」と表示されていたら整備費用は含まれていません。納車時の24ヶ月点検は行われるものの、その費用は表示されている表示価格に上乗せされることになるので注意が必要です。
いずれの場合も、自動車重量税や自賠責保険料の法定費用、そしてそれ以外の諸費用は別途かかることになります。
中古車購入にかかる費用としては、本体価格、諸費用に「整備費用」を加味する必要があると覚えておきましょう。
さらに予想される費用として、車検費用があります。次の車検まで期間が残っている車ならいいのですが、車検切れ間近の場合は購入後ほどなく車検費用がかかることになるので、注意してください。
諸費用を節約する方法は?

しかし、コストを抑えられる項目とそうでない項目が分からなければ、どうしようもありません。
例えば法定費用の節約は不可能ですが、諸費用は工夫次第で減らせます。最も分かりやすいのは各種代行手数料で、車の入手に伴う登録手続きなどを自力で行うなら、大幅な費用カットが見込めるでしょう。
また、販売店と交渉して減らすことができるのは、納車前の洗車やクリーニングにかかる費用です。これは納車費用に含まれていることもありますが、自分で行うのであればこの分の金額はかからずに済みます。
まとめ
①中古車の「車両本体価格」と「諸費用」は別
②中古車の諸費用には自動車税などの「法定費用」と販売店が独自に設定する「代行手数料」が含まれる
③中古車の諸費用の金額は「車両価格の1割前後」が妥当
④購入したい中古車が「車検整備付き」かどうかも確認する
⑤法定費用は一律なので値下げできないが、販売店が設定している手数料などは交渉して抑えることも可能
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