中古車購入ガイド
更新日:2022.12.09 / 掲載日:2022.12.02
【VW ゴルフR】新型登場で従来型がリーズナブル!? 各世代の相場を徹底調査
先日、新型ゴルフRが日本上陸した。フォルクスワーゲンのRモデルといえば、高性能かつラグジュアリーな最上級モデルとして知られている。最新型ゴルフRは、迫力ある専用エクステリア、カーボン調パネルやヘッドレスト一体型スポーツシートを備え、先代以上にレーシーな佇まいに。パワートレインは320馬力の2.0Lターボを搭載し、パワフルな走りを身につけている。
そこで気になるのが、先代モデルの中古車相場。ゴルフの最上級モデルゆえ、新車販売時に手が出しにくいモデルであるが、中古車を見ると意外なほどリーズナブルに買えるのだ。今回は、過去4世代に渡るゴルフR(またはゴルフR32)の相場を一挙紹介しよう。
フォルクスワーゲン ゴルフRってどんなクルマ?
ゴルフのスポーツモデルといえば「GTI」を思い浮かべる人は多い。そんな「GTI」の上に位置するハイパフォーマンスモデルが「R」シリーズである。初めて設定されたのはゴルフIVの時代。2003年1月に「ゴルフ R32」として国内デビューを果たした。241馬力の3.2L V6に6速MTを組み合わせ、パワフルな走りとレザーをふんだんに用いた豪華な内装は、ゴルフに新しい価値観を与えた。また、4WDを採用することで安定感のある走りも大きな特徴となっている。2010年に登場した3代目の高性能モデルでは、パワートレインを2.0L 直4ターボに変更し、車名は「ゴルフR」となった。その後もモデルチェンジを重ね、先日はゴルフVIIIをベースとする新しい「R」が登場。ゴルフレンジの頂点に位置し、精彩を放っている。
VW ゴルフRの世代別中古車平均価格
ゴルフR32(2003年~2005年)
ゴルフ初のRシリーズとして、2003年1月に発売されたのがゴルフ R32。前後バンパーは専用デザインとなり、専用デザインの18インチホイール、20mmローダウンサスペンションを装備するなど、GTI以上に凄みの効いたデザインが見どころ。インテリアは、ケーニッヒ製レザーシートを採用し、スポーティながらも豪華な仕立てとなっている。パワートレインは、3.2L V6を搭載し、最高出力は241馬力を発揮。これに6速MTを組み合わせ、スポーツドライブを存分に楽しめる。駆動方式は4WDのみで、以降のモデルにも受け継がれている。
発売時の価格は405万円と、現在の視点でも高額なモデルだったが、およそ20年後となる現在の相場はどのくらいだろうか。グーネットで検索すると、2022年11月現在10件の中古車がヒットする。下は150万円、上は280万円と価格帯に幅があるが、走行距離が価格に反映されている。多くは10万km以上となり、100万円台の物件も目立つ。
ゴルフR32(2006年~2009年)
ゴルフのモデルチェンジに合わせ、ゴルフ R32も一新。ゴルフVベースとなったことで、走りにも磨きがかけられた。従来は3.2L V6 SOHCだったパワートレインは、排気量は同じながらもDOHC化され、最高出力は250馬力にアップ。トランスミッションは6速MTまたは6速DSGが設定される。20mmローダウンサスペンション、ブルーに塗装されたブレーキキャリパー、大径ブレーキディスク、ツインエキゾーストパイプなど、ひと目でハイパフォーマンスを感じさせるエクステリアも特徴。
中古車の数は、ゴルフ R32(ゴルフIV)とほぼ同程度。新車時価格は419万円~439万円だったが、現在は60万円~250万円と大きく値下がりしている。特に100万円以下の物件も目立ち、先代モデルと比べても低予算で購入可能。とはいえ物件数は少なく、探しにくいのが難点だろう。
ゴルフR(2010年~2013年)
2010年3月に登場した3代目(ゴルフVIベース)。この世代から、名称は「ゴルフR」となってリニューアルされた。パワートレインは3.2L V6から2.0 直4ターボに変更され、排気量がダウンサイズされたのがトピックといえよう。フロントグリル、前後バンパー、18インチホイールは専用デザインとなり、ほかにもクロームデュアルエキゾーストパイプ、スポーツレザーシートなどが採用されている。2.0L 直4ターボは、256馬力/33.7kgmと、排気量が縮小されながらも最高出力/最大トルクとも先代を上まわっている。
新車時価格は505万円だったゴルフRも、現在はかなりリーズナブルになっている。価格帯は120万円~250万円と幅があるが、平均すると200万円弱の物件が目立つ。物件数はゴルフVのR32とほぼ同程度で、それほど多くない。しかしながら、手頃な価格で低走行な個体が入手できるのは魅力といえそうだ。
ゴルフR(2014年~2021年)
2014年2月、4代目(ゴルフVIIベース)のRモデルが登場。パワートレインは先代と同じく2.0L 直4ターボを搭載するが、280馬力/38.7kgm(デビュー時点)と、大きくパワーアップしている。また、アイドリングストップやブレーキエネルギー回生システムを導入し、JC08モード燃費で14.4km/Lを実現したこともトピック。そのほか、ダイナミックシャシーコントロール「DCC」を標準装備し、状況に応じた走りを体感できる。さらにステーションワゴンも選択できるので、実用性も重視するユーザーからも歓迎されている。
新車時価格は510万円(5ドア)だったが、現在の中古車価格帯は210万円~530万円。平均価格は350万円と、先代モデルよりも大幅に高くなっている。ただし物件数は豊富で、ボディカラーなども自由に選ぶ余地がある。新型が登場したことで今後値下がりする可能性もあるが、目に見えて安くなるのは数年先になると思われる。トランスミッションは6速MTまたは6速DSGが設定されるが、95%以上が6速DSG。なお、ゴルフRヴァリアントの物件は5ドアの半分程度であるが、相場は同じくらいである。
※上の記述は、2022年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。中古車平均価格は2022年11月時点のデータ。
まとめ
プレミアムな高性能ハッチバックとして、ゴルフRは魅力的な選択肢。特に中古車になると、新車時のハードルの高さを感じさせない。現行型も含めて5世代存在するが、中古車市場の中心となるのがゴルフVII。ねらい目となるのは、5年落ち前後。この年式だと物件が多く、価格も300万円台前半となる。さらに予算を抑えるならゴルフVI、ゴルフV世代に目を向けるのもあり。また、同じく高性能な5ドアとしてアウディS3などと比較してみるのもよいだろう。