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更新日:2024.09.29 / 掲載日:2024.09.29

働くクルマ大図鑑「井関農機の世界」編 4

日本の食を支える農業。その過酷な作業を人の手に代わって行うのが農業機械だ。今回は、創立100年を目前とする総合農機メーカーであるヰセキの農機をピックアップした。コンバインと田植機の仕組みなどを紹介しよう!

●取材・文:鈴木ケンイチ●写真:鈴木ケンイチ/井関農機株式会社

自動で田の中を走って繊細な手の動きを再現する

ヰセキロボット田植機 さなえPRJ8 DREAMPILOT

過酷で難易な田植えを“はたらくくるま”で克服

足場の悪い田の中で中腰になって行う田植え作業は重労働だ。

また、苗を正確にまっすぐに均等に植えることも必須となる。

そうした困難な作業を人の代わりに行う“はたらくくるま”が田植機だ。

日本においては、1965年に手押し式、1967年に動力式歩行型の田植機が実用化。

1960年代後半になって、ようやく本格的な普及がスタートしたのだ。

その後、ヰセキによって1986年にロータリー式植え付け機構が完成する。

これは従来のクランク式が植え付け機構1つであったのに対して、植え付け機構を2つに増やしたもの。

植え付けの速度だけでなく精度も飛躍的に高めることができた。

そして近年は省力化を目的に、田植機の自動化が進んでいる。

実のところ田んぼの中を、まっすぐに田植機を走らせるのも技量が必要だ。

その難しい部分を自動化しようというのが、近年の田植機の進化のトレンドとなる。

自動化は、GNSS(全球測位衛星システム)が使われていて、運転手が乗車した状態で直進や旋回をアシストするタイプもあれば、運転手を必要とせず、人による外部からの監視のもとに自動で作業するタイプなどが用意されている。

有人監視型の場合、①を人が操作してティーチングし、②と③を自動で田植えを行う。最後に有人操作で④の仕上げを実施する。
ロータリー式の田植え機構。1つの機構に2つの植え付けの爪が備わっていて、2つの爪が回転しながら植え付けを行う。
植え付けの爪が苗を挟んで植え付ける。植え付けの瞬間に速く動くことで、しっかりと植え付けることができる。
車体の上にある白い台は、植え付けを行う苗を乗せる棚。車体の左右に複数段が設置されている。
棚の苗を上から入れる苗のせ台。下にある植え付け部から苗が植え付けされてゆく。後ろのボックスは除草剤入れ。
GNSS(全球測位衛星システム)やリモコンなどからの電波を受信するセンサー類。自動での田植え作業を行う上で重要な部品だ。
座席下に配置される1.1ℓのディーゼル・エンジン。前後輪を駆動しているAWDだ。

働くクルマ大図鑑「井関農機の世界」編 1

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内外出版/オートメカニック
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