車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2016.03.24

【気になる中古車試乗判定】BMW 3シリーズ

BMW 3シリーズ(F30)

2015 BMW 3 Series

GooWORLDの掲載物件のなかでも、とくに人気の高い中古車をモータージャーナリストとともに試乗チェック!注目モデルは本当にお買い得なのか!?リアルなレポートをお届けしたいと思います!

文●森野恭行、竹岡圭、GooWORLD 写真●GooWORLD

今月の中古車は BMW 3シリーズ(F30)

  • BMW 3シリーズ(F30)

    BMWの中核をなすモデルで欧州Dセグメントに属する。今回紹介するセダンのほか、ワゴンもラインアップ。1975年に登場した初代から数えて6代目となる現行型は、高効率化と電子制御技術の進化がポイント。

  • BMW 3シリーズ(F30)

  • 電子コントローラーを採用 シンプルに仕上げた室内

    BMW 3シリーズ(F30) コックピット

  • 電子コントローラーを採用 シンプルに仕上げた室内

     8.8インチのディスプレイを備えるコックピットは、BMWらしくシンプル。ナビやオーディオなどの操作は手元のiDriveで行うため、ボタンが少ないのも特徴。また、写真のMスポーツ仕様とは別に、個性豊かな装備トリムの異なる3モデル「モダン」、「ラグジュアリー」、「スポーツ」を用意している。

  • 必要十分な空間をキープ 内装の作り込みも高品質

    BMW 3シリーズ(F30) 内装

  • 必要十分な空間をキープ 内装の作り込みも高品質

     室内トリムはモデルによって異なるが、スポーティなファブリックまたはレザーシート(ラグジュアリーに標準)を用意。後席のゆとりも十分で、大人4人が快適に移動可能。トランク容量は480L。さらに、後席バックレストは4対2対4で分割されているので使い勝手にも優れる。

  • 4気筒ターボをベースに多彩な選択肢を用意

    BMW 3シリーズ(F30) エンジン

  • 4気筒ターボをベースに多彩な選択肢を用意

     2L4気筒ターボをメインに、3L直6ベースのアクティブハイブリッド、2L4気筒ディーゼルターボ、2L直4をベースにしたプラグインハイブリッドと多彩なパワートレーンを展開。そのいずれでも走りの楽しさを感じることができるのも、BMWらしいところ。エンジン屋BMWのまさに面目躍如だ。

  • 高い基本性能をベースに高度な電子制御を導入

    BMW 3シリーズ(F30) タイヤ・トランスミッション

  • 高い基本性能をベースに高度な電子制御を導入

     トランスミッションはトルコン式8速ATのほか6速MTも選択可能。車両セッティングを手元のスイッチで変更できる「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」も標準で備える。また、仕様によっては、サスペンションに加えてステアリングも電子制御され、高度な運動性能を実現している。

BMW 3シリーズ(F30)試乗判定レビュー

自動車ジャーナリスト(森野 恭行・竹岡 圭)

輸入車界のスター選手その人気の秘密は!?

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回はBMWだけでなく、輸入車界を代表する1台、3シリーズの登場です。

森野●王道中の王道だね。

竹岡●ずいぶん綺麗!・・・だけど、マイナーチェンジ前だから一応新車ではないのかな(笑)

編集部●今回も個人所有のクルマをお借りしてきたのですが、じつはこのクルマ、まだ5000kmも走ってないコンディションなんです。

森野●なるほどね。まあでも3シリーズは2015年9月のマイナーチェンジでかなり進化しているし、初期型は2012年からあるんだっけ?中古車もますます増えているからいいんじゃない。

竹岡●それにしても、3シリーズは「イケメン」だよね~。輸入車のなかでもBMWは、スポーティ路線をずっと貫いてきて、ブランドイメージとしてもそれで定着しているし、ほかのライバルに比べても作り慣れてる感じがする。「新成人がほしいクルマランキング」で3シリーズが1位だったという記事を読んだんだけど、幅広い層に人気があるよね。

編集部●Gooーnetの「中古車人気検索ランキング」でも、3シリーズは輸入車でほぼいつもトップの位置にいますね。

森野●BMWにとって3シリーズは会社の屋台骨を支えるモデルだから、それだけ開発に力も入ってるし、実際よくできてるよ。ボディサイズ的にもドライバーズカーとして最適だし、後席も大人が十分座れる。1台でスポーツカー的な走りと高級車的な要素を兼ね備えるというキャラクターも人気の秘密なんじゃないかな。

BMW 3シリーズ

編集部●ではここで、今回紹介するモデルの概要を説明します。F30型と呼ばれる現行型3シリーズが日本に登場したのは2012年のことで、通算6代目にあたります。中型サイズの高級FRセダンで、ライバルはメルセデスのCクラスやアウディのA4です。当初は2L直4ターボのハイパワー版である「328i」(245馬力)から導入され、続いて量販グレードとなる「320i」(184馬力)が登場。さらに3L6気筒にモーターを組み合わせた「アクティブハイブリッド3」(306馬力)、ディーゼル仕様の「320d」、4WDのxDriveと、パワートレーンの種類だけでも非常に盛りだくさん。2015年にはマイナーチェンジが行われ、上級モデルとしてプラグインHVの「330e」に進化、3L直6ターボの「340i」も導入されています。

竹岡●そこへそれぞれさらに、内外装の違う「デザイン・ライン」が加わるわけでしょ。もう、たくさんありすぎて覚えきれない!その代わり、マニュアルミッションが選べたり、かゆい所に手が届く感じはする。

森野●日本独特の駐車場の全幅制限に対応するために、ドアハンドルを薄型にしたりとか、細かいところまで作り込んでるしね。売れるクルマにはそれなりの理由があるわけよ。

編集部●本日用意したのは、「320i Mスポーツ」で、ボディカラーはブラックサファイア。ずばり、もっとも人気で、売れ筋と言えるモデルです。それでは、お二人には試乗をお願いします。

試乗の結果は大絶賛!買って満足の優等生です

自動車ジャーナリスト(森野恭行・竹岡 圭)

編集部●さて、試乗からお二人が帰ってきましたが、表情を見るかぎりどうやら高評価が期待できます!

森野●いいクルマだよ。

竹岡●そうだね(笑)。

編集部●いやいや、それで終わってしまうと困るので、どういいクルマなのかを説明してください(笑)。

森野●エンジンのパワーも十分あって、街中での試乗はもちろん、スポーティな走りにも応えてくれるし、8速ATも洗練されて文句なし。サスペンションも、走りと快適性のバランスが高次元で取れてる。1台のクルマとして完成度が高いよ。

編集部●絶賛ですね。

竹岡●BMWって、昔は戦隊ヒーローで言えばクールな“ブルー”的なイメージだったけど、いまや優等生で王道な“レッド”になった(笑)。デビュー時の初期型に乗ったときは足がかなり硬く感じたけど、今日試乗したクルマはまったく問題なし。3シリーズって女性でも運転しやすいし、それも人気の要因なんじゃないかな。

編集部●なるほど。では、お二人それぞれの個人的なベストバイを教えてください。

竹岡●私はxDrive。すごく走りやすくて印象がよかった。乗り心地と安定感のバランスがよくて。

森野●自分で買うなら・・・320iのMTだな。

編集部●マニアックですね(笑)。それだけ、3シリーズはバリエーション豊富ということでもあります。ぜひ皆さんも、数多くの中古車のなかから、お気に入りの一台を見つけ出してください!

3シリーズ(F30) レビュー評価

BMW 3シリーズ(F30)

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるBMW 3シリーズ(F30) レビュー評価をまとめます。
※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 森野 恭行のコメント

自動車ジャーナリスト 森野 恭行

いつも時間ギリギリまで試乗したがる森野氏が、今回は確認する程度の軽めの試乗で終了。その理由は、改めて文句のつけようのない完成度の高さゆえです。

自動車ジャーナリスト 森野 恭行
●関東版創刊時より健筆をふるう自動車ジャーナリスト。スポーツカーに目がなく、タイプ964のポルシェ 911を新車から23年所有している。

ポジショニング 9点

 E90からF30への世代交代は「プレミアムDセグの主役」の地位をより強固にするもの。パッケージに始まって、デザイン、モデル構成、クオリティ・・・と、隙のないモデルに仕上がっている。だが、3シリーズGTや4シリーズ・グランクーペの登場で、BMWファンは新たな選択の悩みを抱えることにもなった。なお、ワゴンのツーリングも安定した人気を保つ。

装備 8点

 2013年夏から標準化された「衝突回避・被害軽減ブレーキ」や、2014年夏から標準化された「アクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)」の有無が気になるところ。価格を取るか、装備の充実度を優先するか、しっかりした意思を持つべきだ。人気のMスポーツで乗り心地の快適度も重視する場合は、「アダプティブMサス付き」をお薦めする。

走り 9点

 操縦安定性のバランスのよさは、BMWのなかでも間違いなくトップレベル。「ハンドリングおたく」をもうならせる能力を持つ。主力はガソリンの2L直噴ターボ搭載車だが、日常の扱いやすさを重視する人には「320i」、中高回転域のパワー感やスポーティさを求めるひとには「328i」が向いている。また、経済性と走りのゆとりで選ぶ場合は「320d」が本命だ。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

颯爽と3シリーズを試乗する竹岡さんの姿を見て、3シリーズが女性に似合うクルマであることを再確認。スポーティさと上品さのグッドバランスなのです。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 10点

 ものすごい数のバリエーションをリリースしているBMWのなかでも、王道中の王道モデルと言えば3シリーズ。これはもう鉄板!ですよね。しかも「今年の新成人の男子がほしいと思うクルマ第1位」に輝いているというのが、またスゴイ。憧れ層~購入層まで、幅広い年齢層にちゃんと魅力をアピールできているってことですから。文句ナシです。

装備 8点

 黒ベースのドライバーオリエンテッドなインテリアのなかに、シルバーやホワイトのパネルを織り込むなど、最近の3シリーズはカジュアル感を上手く出してますよね。ただし、先進安全装備系を盛り込んでくるのがちょっと遅めだったので、そこにこだわりのある方は、モデルイヤーと装備内容をきちんとチョイスしてから選んでくださいね!

走り 10点

 ライバルたちがいろいろと模索し続けるなかで、BMWは「駆け抜ける喜び」というテーマからのブレがないんですよね。しかも、ずっと人気があり続ける老舗料理店が、じつは時代に合わせて微妙に味を変えるというテクニックを用い「あぁ変わらない味だ」と感じさせているように、いまのユーザーがほしいと思うスポーティ感を、上手く演出しているのはお見事!

GooWORLD編集部

最近勢いのある輸入車プレミアムブランドのなかでも、BMWは非常に人気があるのですが、今回の試乗でその理由を改めて体験できました。正直ほしいです。

ポジショニング 10点

 これはもう文句なしの結果ではないでしょうか。誰もが知っている輸入プレミアムブランドの王道モデル、3シリーズですから。鼻先に輝くキドニーグリルは霊験あらたか。ボディサイズや存在感も絶妙で、5シリーズほどトラッドでなく、1シリーズほど軽快すぎない、まさにちょうどいいポジション。しかも前期型とはいえ、バリバリの現役モデルですから!

装備 9点

 一見すると華やかさに欠ける印象があるくらいシンプルでシックなコックピット。じつは長く乗っていても飽きがこず、視界のよさや操作性など、使えば使うほど「流石!」と思わせる部分も多数あります。ナビまわりの完成度もクラス随一で文句なし。安全系の最新技術の導入こそライバルから少々出遅れましたが、通信系のサービス導入はこちらが先でした。

走り 10点

 乗り心地と操縦性の両立は、絶品というべきレベル。地面からの入力をしなやかな足と強靭なボディで受け止めるそのセッティングは涙ものです。直4ターボも十分なパワーで、出来のよいATとの組み合わせによって320iでも不満を覚えることはまずないはず。しかも、さらに上の世界も用意されているわけですから、奥深さも十分あります。

BMW 3シリーズ(F30) DETAIL CHECK

BMW 3シリーズ(F30)

2015年式 BMW 320i Mスポーツ(8速AT)

全長×全幅×全高4645×1800×1430mm
ホイールベース2810mm
車両重量1560kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1998cc
最高出力184ps/5000rpm
最大トルク29.6kg m/1350-4250rpm
サスペンション前/後ストラット/マルチリンク
ブレーキ前後Vディスク

中古車参考価格帯

192万円~570万円(2012年~2015年 ※Mをのぞく)

モデル主要変遷

2012.013シリーズをフルモデルチェンジ
2012.04「320i」を追加
2012.07「アクティブハイブリッド3」を追加
2012.08「320d」、「320i xDrive」を追加
2013.08一部改良(衝突回避・被害軽減ブレーキなどを追加)
2014.01価格改定
2014.04価格改定
2014.08一部改良(アクティブ・クルーズ・コントロールを標準装備)
2014.10「320i SE」を追加 ←今回の中古車
2015.09マイナーチェンジ
2016.01「330e」を追加

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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