新車試乗レポート
【試乗レポート トヨタ ヤリスクロス】公道試乗でわかったグレードごとの個性
2020.9.22 UP
新車試乗レポート[2016.01.21 UP]
EVとしても、プレミアムモデルとしても異色の存在であるテスラの「モデルS」に、新しく前輪と後輪にそれぞれ強力な電気モーターを搭載する高出力のグレードが登場。その走りは想像を超えていた。
電気自動車の分野は、新規参入組にも大きなチャンスがあると言われるが、その好例がテスラだろう。ロードスターを販売していたころは、シリコンバレーに拠点を置くベンチャー企業のイメージだったが、セダンボディのモデルSを送り出してからの急成長は、目を見張るものだ。
俗に言うセレブや、新しいもの好きにとどまらず、いまでは多くのカーファンの興味の対象となっている。なぜ、そこまで人気が高まっているのかといえば・・・大柄な5ドアボディの中に「驚き」や「感動」がめいっぱい詰まっているからだ。
わかりやすいのは加速パフォーマンス。エンジンとモーターを比べると、そもそもモーターはトルクの大きさと応答の鋭さを特徴とする。しかも、新規上陸を果たしたモデルSのAWDモデルは、前後に高性能モーターを搭載するデュアル式だから、蹴り出しの威力が違うのだ。
恐るべき実力は、標準設定の「SPORT」から、性能重視の「インセイン」にモードを切り替え、右足に「グイッ」と力を込めることでたしかめられる。でも、不用意に試すのはお薦めしない。P85Dの0→100km/h加速タイムは、よく知られた存在としては最新の日産GT-Rに肉迫するもの。だが、発進の瞬間に乗員を襲う加速Gは明らかにテスラが強烈。姿勢をきちんとしなければ、むち打ちのリスクさえある。
そこから100km/hを超えるあたりまでの加速Gは、600馬力オーバーの3000万円級スーパーカーでも体感できないほどのものだ。全長5mクラスで、車重約2.2トンに達する大柄なサルーンが、カタパルト発進さながらの超絶加速をする様は、圧巻としか言いようがない。
でも、それはモデルSの魅力のひとつにすぎない。本当に驚かされるのは、スーパーカーも真っ青の加速力を持つ超高性能車でありながら、日常の移動における高度な快適性や便利さも兼ね備えている点だ。
オプションのスマートエアサスペンションをおごってやれば245/35R21サイズのタイヤ(標準は19インチ)を履いても、モデルSはゴツつきとは無縁の快適な乗り心地を提供してくれる。EVならではの抜群の静粛性(タイヤのロードノイズの小ささも驚き)と相まって、きわめて快適な走りを実現している。
なら、曲がる、止まるの性能はどうなのか?「もう少し」と注文をつけたいのは、超高速域からのハードブレーキでのブレーキ容量不足と超高速域で発生するサンルーフの吸い出し音ぐらい。シャシー性能のレベルは高く、レーンチェンジの挙動はビシッと決まっていて、ハンドリングの正確性や旋回限界も十二分に高い。かなりの飛ばし屋でも、満足できる能力を備えている。
EVならではの低重心&低ヨー慣性モーメント設計や、前後50対50の重量配分が、大きなメリットとして作用していることがわかる。大きく、重いクルマだから無理は禁物だが、コーナーも楽しいクルマであるのは間違いない。とくに、デュアルモーターのAWDはバランスがいい。
残る気がかりは航続距離の問題だが、P85Dのカタログ値は491kmとガソリン車並みだ。スーパーカーレベルの速さを楽しめば、当然のように電費はガクンと落ちるが、おとなしい走りを心がければロングドライブも安心してこなすことができる。
つまり、速さにおいても、航続距離においても、電気自動車の常識を打破して見せたのがテスラ・モデルS。既存の自動車メーカーとは異なる発想やテクノロジーが、革命的なEVを誕生させたと言っていい。
文●九島辰也 写真●GooWORLD
問い合わせ テスラモーターズジャパン TEL: 0120-982-428
17インチタッチスクリーンを中央に配置したコクピットは、いかにも最先端を行くプレミアムEVらしい。駆動用電池をフロア下に敷き詰めるが、フロア高やヒップポイント設定は自然な印象。
2960mmの長いホイールベースを持つサルーンだけにキャビンは広い。大柄な男性でも後席でくつろぐことができる。ただしクーペルックを採用するため頭上の余裕は少なめだ。
フロントにモーターを積むAWDでも、フードの下に約150Lの容量を持つトランクを備える。実用性の高さも想像以上のものだ。
大きなテールゲートを備えた5ドア形式。荷室容量は約744Lで、6対4分割式の後席を倒せば、なんと約1645Lにまで拡大が可能。
21インチ35タイヤとエアサスはオプション。空力に優れた内蔵式ドアハンドルは、キーを持った人が近づくと自動的にせり出す。
全長×全幅×全高 | 4970×1964×1435mm |
---|---|
ホイールベース | 2960mm |
トレッド前/後 | 1662/1700mm |
車両重量 | 2100kg |
エンジン | デュアルモーター |
最高出力前/後 | 262ps/510ps |
最大トルク | 98.6kg m |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン |
サスペンション後 | マルチリンク |
モデルS 70D (無段階変速) | 988万6000円 |
---|---|
モデルS 85D (無段階変速) | 1118万6000円 |
モデルS P85D(無段階変速) | 1369万円 |
■ソリッド ブラック
■ディープブルー メタリック
□ソリッド ホワイト
■シルバー ■チタン メタリック □パールホワイト マルチコート ■ミッドナイト シルバー メタリック ■レッド マルチコート ■オブシディアン ブラック メタリック |
充電器の差し込み口は、リヤコンビランプ脇にインテグレート。先進的で、カッコいいデザインにこだわるテスラらしい処理だ。リッド開閉はリモコンキーで行える。200Vの通常充電のほか、テスラが「スーパーチャージャー」と呼ぶ急速充電に対応する。最短30分で航続270km相当の充電が可能だという。
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