新車試乗レポート
更新日:2018.10.21 / 掲載日:2015.12.04
トヨタ クラウン 試乗レポート(2015年12月)
トヨタ クラウン 試乗レポート
試乗
【マイナーチェンジ】
発表/2015年10月1日
トヨタ自動車・お客様相談センター
0800-700-7700
文●森野恭行 写真●編集部
■人気絶頂での変更は基礎強化 ボディ剛性を向上して走りを磨いた
クラウンといえば、保守的な日本の高級車ユーザーに愛され続けてきた存在。だが、現行型では思い切った造形改革を実践。クセの強いマスクは意外なほど肯定派が多く、新たなイメージの構築に成功した。そして技術も刷新。登場時の目玉は4気筒ハイブリッドだったが、今回の改良ではガソリンのダウンサイジングターボを新投入した。
■ドライビング/ユーティリティ
Report 森野 恭行
まずはシリーズを通しての進化点から記す。乗り心地がいっそうマイルドで快適になると同時に、操舵の応答性やハンドリングの正確性のレベルアップも図られた。そのカギは、構造用接着剤の採用とスポット溶接の増し打ちにより、剛性を大幅に高めたボディにある。サスセッティングの見直しも効果的で、走り全体の質を向上させた。
ここからは、アスリート系に新設の2Lターボ車に話の中心を移す。8AR-FTS型はレクサス系モデルでおなじみだが、クラウンには専用チューンのユニットが与えられた。違いは数字に表れない点で、トルク特性などを変更してこもり音を抑えたという。クラウンらしい心遣いが光る。
事実として、スムーズネスや静粛性はハイレベル。8速ATとの連携もよく、ターボラグをほとんど意識させない。4気筒のネガ、ターボのネガを払拭した、優れたドライバビリティが魅力だ。
それでいて、パワーモードを選んで右足を踏み込めば・・・ターボ本来の力感ある加速を楽しませてくれるのだから、走り指向の人にも満足を与える。そこで惜しまれるのは18インチ45タイヤ(オプションでの設定)の流用。電制可変ダンパーのAVSの助けを借りても、少しのゴツつきを伝えてしまう。快適性に重きを置くのなら、タイヤは55扁平17インチ(標準サイズ)が正解だ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
伝統のモデルらしく、「クラウンの世界」をコックピットでも表現している。ロイヤル系に設定のフラクセン内装色は、上質感と落ち着きが魅力だ。質感のレベルも高度なものだ。
「運転手付き」で使われるケースも多いだけに、後席空間の広さ、くつろぎ度は高度なもの。ロイヤルサルーンGは後席パワーシートや電動リヤサンシェードも標準で装備する。
■インテリア/エクステリア写真[2]
ロイヤル系のメインはハイブリッド。4気筒2.5Lの2AR型を核とし、システム出力220馬力を誇る。4WDモデルも選択できる。
駆動用電池を前方に移設して、現行ハイブリッド車は実用的な荷室を確保。ゴルフバッグ4つを収納。
大胆なグリルが目を引くマスクは、ロイヤル系、アスリート系とも押し出し感を高めた。アスリート系はリヤコンビランプも新意匠となる。日本での扱いやすさを考え、全幅は1800mmに設定。
クラウン ハイブリッド ロイヤルサルーンG(CVT)
全長×全幅×全高 | 4895×1800×1460mm |
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ホイールベース | 2850mm |
トレッド前/後 | 1545/1545mm |
車両重量 | 1680kg |
エンジン | 直4DOHC |
総排気量 | 2493cc |
エンジン最高出力 | 178ps/6000rpm |
エンジン最大トルク | 22.5kg m/4200-4800rpm |
モーター最高出力 | 143ps |
モーター最大トルク | 30.6kg m |
JC08モード燃費 | 23.2km/L |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン |
サスペンション後 | マルチリンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤ前後 | 215/60R16 |