新車試乗レポート
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2015.11.13
ボルボ V40 T3 試乗レポート
ボルボ V40 T3 試乗レポート
試乗
【追加モデル】
発表/2015年8月19日
ボルボお客様相談室 0120-922-662
文●森野恭行 写真●編集部
■1.5Lエンジンでもパワー十分フィーリングはむしろアップ
V40の主力機といえば、少し前までは1.6L直噴ターボに、パワーシフトと呼ばれる6速DCTを組み合わせた「T4」だった。それだけに、新登場の「T3」を格下のモデルと勘違いする人もいるだろう。でも、エンジン性能は旧「T4」が180馬力/24.5kg m、「T3」が152馬力/25.5kg mと、トルク値に関しては逆転現象が起こっている。はたして、その実力はどれほどのものか?
■ドライビング/ユーティリティ
Report 森野 恭行
興味深いのは、1.5Lユニットを新開発する際のBMWとの選択の違いだ。BMWは4気筒2Lのピストンを1つ取り去って3気筒としたが、ボルボは4気筒のままストロークを93.2mmから70.9mmに短縮して1.5Lとした。メリットとして挙げられるのは、回転バランスのいい4気筒ならではのスムーズネス。6速ATとの相性もよく、「T3」は旧「T4」を超える走りの上質感を実現した。
加えて、ショートストローク型で気になる実用トルクの問題も、現代のターボ技術で解決している。最大トルクを生む領域が1700~4000回転といえば、日常のシーンでの扱いやすさや加速のよさを連想することができるだろう。ECO+モードではさすがにトルクが絞られた感じだが、ノーマルモードでは活気のある走りを披露する。
そして、新ユニットがもたらしたもうひとつの効果はハンドリングにある。ノーズが軽くなったことで、回頭性はより素直になり、フットワーク全体が旧「T4」と比べてさらに軽快に仕上がっているのだ。それでいて、タイヤのあたりはマイルドで、V40シリーズのナンバーワンと言えるほど乗り心地が快適なのだから、またもうれしさがこみ上げてくる。快適指向のツーリングシャシーの採用は、「T3」においては大成功だ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
北欧家具に通じるハイセンスと高品質が魅力。液晶式のメーターは、モードの違いで3つの異なる表情を見せる。内装色やトリムの選択で、大幅にムードが変わる点も興味深い。
Cセグメントの5ドアハッチのなかでも、V40はスタイリッシュ指向の強いモデル。だが、大人4人が十分快適に過ごせるキャビンをきちんと備え、家族ユースにも応える。
■インテリア/エクステリア写真[2]
樹脂カバーの下に、直噴ターボの4気筒1.5Lユニットが隠れている。組み合わされるミッションはアイシンAW製の6速ATだ。
容量(335~1030L)は必要十分と言える。ボルボエステートの伝統が使い勝手の面でも活きている。
パッケージは5ドアハッチとショートワゴンの中間的なもの。サイクリスト検知機能付きの自動ブレーキをはじめとする充実の安全メカ(インテリセーフ10)は、もちろんT3にも標準だ。
ボルボ V40 T3 SE(6速AT)
全長×全幅×全高 | 4370×1800×1440mm |
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ホイールベース | 2645mm |
トレッド前/後 | 1550/1540mm |
車両重量 | 1480kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1497cc |
最高出力 | 152ps/5000rpm |
最大トルク | 25.5kg m/1700-4000rpm |
JC08モード燃費 | 16.5km/L |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | マルチリンク |
ブレーキ前後 | ディスク |
タイヤ前後 | 205/50R17 |
価格
ボルボ V40 T3 | 324万~374万円(T3 全グレード) |
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