中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.18 / 掲載日:2006.01.18

ホンダ エリシオン 中古車購入チェックポイント

  • ホンダ エリシオン 中古車購入チェックポイント

    ホンダ エリシオン

  • ホンダ エリシオン

■全体のチェックポイント

ミニバンをチェックするポイントは、使い方や走り方を推察すること。過激な走行を繰り返したり、絶えず重量物を積むなどしていると、車体まわりに疲労が出やすい。ドアやリアゲートの開閉と周辺の状態を念入りにチェック。室内の汚れや傷などから車両がどのように使われていたか推察しながら各部をチェックしよう。エンジンや走行系は、定期点検整備記録の詳細を探って、整備内容と実施時期をチェック。できれば試乗して、車体まわりやエンジン、ギヤなど、各部から異音が発生していないか確かめたい。

  • 1.全体の雰囲気を見る

    ホンダ エリシオン(車体表面)

  • 1.全体の雰囲気を見る

    車体に映る周囲の景色を見てみよう。歪みや凹み、あるいは波打っているのを見つけることもある。車体表面の色艶などでも、修復の形跡がわかる。一部だけくすんでいたり艶が違って見えたら、修理していることも考えられる。また、細部も観察しよう。ナンバープレートは曲がっていないか?左右のヘッドライトの色は同じか?バンパーは車体とずれていないか?車体の切れ目の隙間(チリ)は均一か?見る角度を変えると異常を見つけやすい。「何となく変な感じ」を受ける部分があれば、近寄って念入りにチェック。遠目からの雰囲気も、目利きチェックのポイントだ。

  • 2.エンジンルーム内を観察する

    ホンダ エリシオン(エンジンルーム)

  • 2.エンジンルーム内を観察する

    エンジンルーム内は、樹脂部品で覆われているので細部までチェックするのは難しいが、見える範囲だけでも覗いてみよう。塗装部分の色を見比べて違いを探ってみる。一部だけ色合いが異なっていたり、周囲と比べて不自然にきれいな部分があれば、そこは修理した後で再塗装した可能性がある。また、ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジン関係の部品もチェック。オイルのにじみや汚れにも注意しよう。周囲と比べて新しく見える部品は交換している。整備手帳の記録を参考にすると、トラブルが発生した箇所や修理などの経緯がわかるはずだ。

3.前部をぶつけると証拠が残る

フロントグリルの後ろにある(エンジンルーム前部の樹脂カバーの下にあり車体の左右に繋がっている)ラジエターサポートと呼ぶ鉄板を観察してみよう。事故などで車体前部をぶつけると、修正あるいは交換修理する確率が高い。歪みが残っていたり修理などで手を加えた痕跡がないかチェックしよう。周囲と色艶が違っていたら交換した証拠と思っていい。左右フェンダーとの接合部も、不自然なところはないか点検しよう。

  • ホンダ エリシオン(ラジエターサポート1)

  • ホンダ エリシオン(ラジエターサポート2)

  • 4.車体前部の修復をチェック

    ホンダ エリシオン(フェンダー)

  • 4.車体前部の修復をチェック

    多くの場合、フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷が付いているなど、工具を使ってネジを脱着した形跡からフェンダーを交換している可能性を判断する。しかし、エリシオンは、樹脂カバーがあってネジは見えないので、樹脂部品の状態を左右見比べて推察しよう。疑わしい場合は、カバーを外してチェックする必要があるかもしれない。傷や凹みを補修したりフェンダーを交換していても、きれいに直していれば事故車(修復歴車)の扱いにはならないが、車体前部を広範囲に修理しているかもしれない。交換していなければ、大きな事故は起こしていないといえる。

  • 5.ボンネットの交換は?

    ホンダ エリシオン(ボンネット)

  • 5.ボンネットの交換は?

    事故などでボンネットにダメージを負うと、新しいボンネットと交換することも少なくない。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジをチェック。脱着した形跡をみつけたら要注意だ。事故の修理と同時にボンネットを交換した可能性が高い。まれにエンジンの修理などのためにボンネットを脱着することもあるが、その場合は整備記録簿に記録が残っているはずだ。

  • 6.隙間と色を観察する

    ホンダ エリシオン(チリ)

  • 6.隙間と色を観察する

    事故などで前部に大きな衝撃を受けて車体が歪むと、外板パネルを修理することになるが、組み付ける際に誤差が出ることがある。それは、各パネル同士の隙間(チリ)を見ればわかる。フロントフェンダーの後端とドア、フロントフェンダーとボンネットなど、それぞれのチリが均一でなければ、前部の外板に手を加えた(修理した)可能性が高い。判断が微妙な時は、車体の左右の同じ場所を比べてみよう。ただし、フェンダーとボンネットとの隙間が均等でない場合は、ボンネットのほうがずれているかもしれない。また、再塗装すると、色が微妙に違うことがある。隣り合う外板の色艶が合っているかもチェックしよう。

  • 7.ドアの状態を確かめる

    ホンダ エリシオン(ドア)

  • 7.ドアの状態を確かめる

    車体側面のドア部分に大きな損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換する際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着するので、ネジをチェックしよう。前後左右のドアを見比べて、特定のヒンジだけネジの頭に傷が付いていれば、工具を使ったと考えられる。ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着したように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。

8.スライドドアをチェックする

一般的なヒンジ式ドアに比べると、スライドドアは複雑な構造になっている。エリシオンは、電動式で開閉できる仕掛けになっているが、基本的なチェックポイントは手動式と同じ。アーム(ドアを支えている金具)やレール(スライドさせる溝の金具)などが歪んでいないか見てみよう。アーム類は固定しているネジの頭に工具をかけた跡がないか調べるが、ドアの立て付けを修正するためにネジを回すことも多いので、必ずドア自体や周辺を含めてチェックしよう。

  • ホンダ エリシオン(スライドドア1)

  • ホンダ エリシオン(スライドドア2)

  • ホンダ エリシオン(スライドドア3)

  • 9.支え金具周辺を観察する

    ホンダ エリシオン(リアゲートヒンジ周辺)

  • 9.支え金具周辺を観察する

    リアゲートは面積が大きく、後部をぶつけるとダメージを受けやすい。ドアを支えている金具(ヒンジ)と周辺をチェックしよう。まず、ドアがしっかり閉まるかどうか確かめてみる。スムーズにロックできない場合は、リアゲートがずれていたり、車体後部が歪んでいることも考えられる。次に、ヒンジを固定しているネジを脱着した形跡がないか探ってみる。ネジの脱着が修理や交換したかどうかの目安となる。また、ヒンジが接している周辺の鉄板に歪みが残っている場合は、ダメージが大きかったと推察できる。

  • 10.開口部の溶接状態を見る

    ホンダ エリシオン(リアゲート開口部)

  • 10.開口部の溶接状態を見る

    リアゲートの開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接で固定されている。追突をはじめ、後部が変形するような事故などで修理した車両は、溶接部に加えているはずだ。また、板金塗装をしていれば、周囲とは雰囲気が違って見えるので、車体の左右を見比べながら色艶や形状などを念入りに観察してみよう。特にスポット溶接(丸い点状の窪み)に気を付けよう。さらに確かめるには、鉄板の継ぎ目を埋めているシール材(鉄板の合わせ目の隙間を埋めている)を爪で押してる。表面が硬くても内部が柔らかい(爪で押すとプチッと表面が割れる)場合は、修理して新しいシール材を盛っている。

  • 11.床下の状態を見る

    ホンダ エリシオン(床下)

  • 11.床下の状態を見る

    鉄板部の部分的な変形や凹み、各部支え金具の歪みなどはないか、床下を覗いてみよう。マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分はそのまま手を付けていない(補修や部品交換といった修理をしない)ことがあるので、事故などで受けたダメージの跡を発見することがある。

  • 12.ドアの下を観察する

    ホンダ エリシオン(サイドシル)

  • 12.ドアの下を観察する

    ドア下のサイドシル(車体の前後に通っている柱)部の下端を見てみよう。エリシオンは、外側はステー(支え金具)を介して、内側は溶接で鉄板を繋いでいる。ステーの歪みや固定部に異常はないかチェック。溶接が乱れていたり、車体の左右を見比べて違っているようなら、大きなダメージを受けて修理している証拠だ。

  • 13.バンパーの裏も覗いてみる

    ホンダ エリシオン(バンパー裏)

  • 13.バンパーの裏も覗いてみる

    ぶつけた時の衝撃を吸収するために、リアバンパーは柔らかいステー(支え金具)を介して固定されている。事故の修理でバンパーを交換をしても、普段見えないステーは修正するだけで済ませているケースもある。バンパー自体のチェックと同時に、必ず裏側のステーも点検しよう。

  • 15.点検整備記録に目を通す

    ホンダ エリシオン(記録簿)

  • 15.点検整備記録に目を通す

    記録簿(整備手帳など)の内容を、車両をチェックする前に確認しておこう。過去にどのような整備を受けてきたのがわかり、車両各部の状態を探る参考になる。定期点検の実施時期や走行距離とも突き合わせてチェックしよう。詳細な記録が残っている車両は、走行距離が伸びていてもコンディションがよく、機能部分には大きな問題を抱えていないと推測できる。

エリシオンのコンディションはここで見極める!

  • 1.エンジンの調子を探る

    ホンダ エリシオン(始動)

  • 1.エンジンの調子を探る

    エンジンをかけてみよう。異音が聞こえり、大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。キーを捻って、モーターの回転が弱かったり始動がもたつくなどの症状がある場合は、バッテリーが弱っていたり、エンジンの調整が必要かもしれない。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。

  • 2.試走してチェック

    ホンダ エリシオン(セレクトレバー)

  • 2.試走してチェック

    トランスミッションは、NからDへ、NからRへなど、各ポジションにセレクトレバーを操作してみる。できれば、実際に走ってみて、異音が発生していないか、確実に切り替えができるかどうかチェックしたい。使い方によっては5万kmも走行しないうちに不良になることもあるので、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないかも確かめよう。

3.装備類はすべて操作する

まず、ターンシグナル(ウインカー)やライト類、ワイパーなど、保安機器類の作動をチェック。さらに、エアコンやオーディオシステムなどの装備機器も、正常に機能しているかチェックしよう。スイッチを入れるだけでなく「操作して確かめる」ことがポイントだ。後部席のランプやエアコンも忘れずにチェック。特にエアコンは冷房と暖房の温度調節と風量を確認しよう。日頃使っていないと臭いが出る場合もある。また、純正、社外製品を問わず、オーディオ類やカーナビなどの装備機器は、取扱説明書が揃っていることも確認しよう。

  • ホンダ エリシオン(装備類1)

  • ホンダ エリシオン(装備類2)

  • ホンダ エリシオン(装備類3)

  • 4.ホイールとタイヤを見る

    ホンダ エリシオン(ホイールとタイヤ)

  • 4.ホイールとタイヤを見る

    ホイールのリム部(外周部分)に傷が多い車両は、運転が乱暴だったり不注意に扱っている、あるいは不慣れな運転で縁石などに擦ってしまったなどといったことが想像できる。また、タイヤは減り具合と同時に減り方もチェック。一部だけ異常に減っている片減り(偏摩耗)を見つけたら、アライメント(タイヤの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは事故で受けたダメージなどで車体が歪んでしまったのかを確かめる必要がある。

■今回の車両のプロフィール

2005 ERISION ●2004年5月から販売された8人乗りミニバン。エンジンは2.4リッターと3.0リッターがあり、すべて5速オートマチック。グレードは、3.0が「VZ」「VX」「VG」、2.4は「X」「G」「M」があり、FF(前輪駆動)または4WD(4輪駆動)との組み合わせによって、3.0は5タイプ、2.4は6タイプが設定されている。2005年1月には、3.0にVGプレミアム、2.4にGプレミアムが追加設定。その後、2005年9月にマイナーモデルチェンジしている。参考車両は、初期登録が2005年9月のGプレミアムで、木目調パネルやスウェード調シートなどをあしらったインテリアに、DVDナビ、オートスライドドア、リアカメラ、CD/DVDなども装備している。

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グーネットマガジン編集部

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