中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.27 / 掲載日:2005.12.28

トヨタ bB 中古車購入チェックポイント(2005年12月)

  • トヨタ bB 中古車購入チェックポイント

    トヨタ bB

  • トヨタ bB

■全体のチェックポイント

走行距離が長い車両は、車体の疲労や酷使によって生じるきしみに注意しよう。車両の使い方や走り方、日頃の手入れなどによっても差がある。エンジンや走行系は、記録簿を見て点検整備の状態を調べてみよう。また、車体色が18色あり、オプション装備装着なども含めるとかなり多くのバリエーションがある。改造車も多いので、同型車を何台か比較するといいだろう。改造はバンパーやサスペンションなどによるドレスアップが大半だが、極端に車体を低くしている車両には注意が必要だ。標準に戻している場合もあるので、改造していた痕跡も探ってみよう。

  • 1.全体の雰囲気を見る

    トヨタ bB(車体表面)

  • 1.全体の雰囲気を見る

    車体表面に映る周囲の景色を見てみよう。歪みや凹み、あるいは波打っているのを見つけることもある。塗装の状態などでも、修復の形跡がわかる。部分的に艶がないとか色がくすんでいるなど、他と違って見える箇所は補修したり修理したことが考えられる。また、やや離れた位置から車両の全体を観察してみよう。ナンバープレートの曲がり、左右のヘッドライトの色の違い、バンパーのずれ、さらに、車体の切れ目の隙間(チリ)が均等でなかったり、大きな事故などでダメージを受けた車両は車体がなんとなく歪んで見えることがある。見る角度を変えてみると異常を見つけやすい。

2.エンジンルーム内をチェックする

各部の塗装の状態を見てみよう。一部だけ色合いが異なっていたり、周囲と比べて不自然にきれいな部分があれば、そこは修理した後で再塗装した可能性がある。ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジン関係の部品類もチェック。オイルのにじみや汚れにも注意。周囲と比べて新しく見える部品は、交換している。整備手帳の記録を参考にすると、トラブルが発生した箇所や修理などの経緯がわかるはずだ。また、フロントグリルの後ろにあるラジエターサポートと呼ぶ鉄板を観察してみよう。車体前部をぶつけると、ラジエターサポートを修正あるいは交換する確率が高い。歪みや手を加えた痕跡がないかチェック。左右フェンダーとの接合部も、不自然なところはないか点検しよう。ヘッドライトも衝撃を吸収する役割がある。樹脂ケースが片方だけ新しいとか色が違っていたら、交換した証拠と思っていいが、衝撃を受けて破損した疑いがあれば、周辺も念入りに調べてみよう。

  • トヨタ bB(ラジエターサポート)

  • トヨタ bB(ヘッドライト)

  • 3.色と隙間を観察する

    トヨタ bB(外板の隙間)

  • 3.色と隙間を観察する

    外板(車体の外側のパネル)を修理したり交換する場合は、塗装することになる。しかし、色合わせの作業は難しく、仕上がった色が微妙に違うことがある。色調が合っていないのは、外板の隙間(「チリ」と呼ぶ)を境に隣り合うパネルを比べてみれば見れば確かめやすい。また、事故などで前部が破損すると、外板を修理することになるが、組み付ける際に誤差が出ることがある。それは、フロントフェンダーの後端とドア、さらにフロントフェンダーとピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)など、それぞれのチリの幅を見ればわかる。均一でなければ、前部の外板に手を加えた(修理した)可能性が高い。車体左右の同じ場所を見比べるのもチェックのコツだ。

4.車体側面のダメージを推察する

車体側面のドア部分に大きな損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換する際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着するので、ネジの状態を見てしよう。一般にネジの頭は塗装されているので工具を使えば傷で判断できるが、bBは無塗装のネジなのでわかりにくい。前後左右のドアを比べてみよう、特定のヒンジだけネジの頭に傷が付いていれば、工具を使ったと考えられる。ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともある。ネジを脱着したように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。

  • トヨタ bB(ヒンジ)

  • トヨタ bB(ネジ)

  • 5.車体前部の修復を推察する

    トヨタ bB(フェンダー)

  • 5.車体前部の修復を推察する

    フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷が付いているなど、工具を使ってネジを脱着した形跡があれば、フェンダーを交換している可能性がある。傷や凹みを補修したり、フェンダーを交換しても、きれいに直していれば事故車(修復歴車)の扱いにはならないが、車体の前部を広範囲に修理しているかもしれない。交換していなければ、大きな事故は起こしていないといえる。

  • 6.補修の跡が開口部に残る

    トヨタ bB(開口部)

  • 6.補修の跡が開口部に残る

    後部ドアを開けて開口部を観察してみよう。車体後部のフェンダー部周辺を板金修理したり、傷などを補修する時に、再塗装したことを目だだなくするために開口部まで塗装することがある。リアドアの開口部分などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留めるために粘着テープを貼る)した跡が残ることがあるのだ。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせると、引っかかるような段差があり、段差が直線状になっていれば間違いなくマスキングテープを貼った跡なので、何らかの理由で塗装したことがわかる。車体の左右同じ場所を比べると判断しやすい。

  • 7.交換した理由を探る

    トヨタ bB(ボンネット・ヒンジ)

  • 7.交換した理由を探る

    事故などでボンネットにダメージを負うと、新しいボンネットと交換することも少なくない。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを見て、脱着した形跡がある場合は要注意。事故の修理でボンネットを交換した可能性が高い。まれにエンジンの修理などのためにボンネットを脱着することもあるが、その場合は整備記録簿に記録が残っているはずだ。

8.床下をチェックする

床下を覗くと、意外なところにダメージを受けているのを発見することがある。鉄板部や各部支え金具などに歪みや部分的な変形はないかチェック。マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分はそのまま手を付けていない(補修や部品交換といった修理をしない)ことがあるので、事故などで受けたダメージの痕跡を見つけることがある。また、ドアの下にある車体の梁の部分(サイドシル)を覗くと、スポット溶接(小さな丸い窪みが並んでいる)で鉄板を接合しているのが見える。スポット溶接がきれいに揃っていれば、手を加えていないと判断していい。溶接が乱れていたり、窪みの大きさが不揃いになっている場合は、何らかの修理をして再溶接している証拠だ。疑わしい場合は、車体の左右を見比べると異常がわかる。

  • トヨタ bB(床下)

  • トヨタ bB(サイドシル)

  • 9.支え金具と周辺を観察

    トヨタ bB(リアゲート)

  • 9.支え金具と周辺を観察

    リアゲートは面積が大きく、後部をぶつけるとダメージを受けやすい。ドアを支えている金具(ヒンジ)と周辺をチェックしよう。まずは、ドアがしっかり閉まるかどうか、確かめてみる。ずれているせいで、スムーズにロックできないこともある。そして、ヒンジを固定しているネジを脱着した形跡を探ってみる。ネジの脱着が修理や交換したかどうかの目安となる。また、ヒンジが接している周辺の鉄板に歪みが残っている場合は、大きなダメージを受けていると推察できる。

  • 10.溶接部をチェックする

    トヨタ bB(リアゲート開口部)

  • 10.溶接部をチェックする

    リアゲートを開くと、開口部は左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接で固定されているのが見える。追突をはじめ、後部が変形するようなダメージを受けて修理した車両の場合は、溶接部分が不自然に見えるし、車体の左右で違っている。また、板金塗装をしていれば、色の雰囲気が周囲と違って見えることもある。さらに確かめるには、鉄板の継ぎ目に盛って隙間を埋めているシール材を爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(爪で押すとプチッと表面が割れる)ようなら、修理して新しいシールを盛ていると判断できる。

  • 11.給油口の蓋も手がかりになる

    トヨタ bB(フューエルリッド)

  • 11.給油口の蓋も手がかりになる

    車体後部にある意外なチェックポイントが、フューエルリッド(給油口の蓋)。リアフェンダーを板金修理するために外すことがある。ネジを脱着した形跡がないか点検してみよう。フューエルリッドを交換していれば、塗装表面の艶が周囲と違って見えることがある。いずれにしても、リアフェンダーの周辺を修理していることが疑える。

  • 12.記録簿に目を通す

    トヨタ bB(記録簿)

  • 12.記録簿に目を通す

    点検整備記録(整備手帳など)の内容を、車両をチェックする前に確認しておこう。過去にどのような整備を受けてきたのがわかると同時に、車両各部の状態を探る参考になる。定期点検や消耗部品の交換あるいはトラブルによる修理など、整備内容と同時に、時期と走行距離チェックしよう。詳細な記録が残っている車両は、走行距離が伸びていてもコンディションがよく、走行機能部分には大きな問題を抱えていないと推察できる。

bBのコンディションはここで見極める!

  • 1.細部までチェックする

    トヨタ bB(樹脂製フック)

  • 1.細部までチェックする

    ラゲッジスペース部に設置されている樹脂製のフックが破損しているのを見つけることがある。それによって車両がどのように使われていたか、荷物をどのように積んだかなどといったことが推察できる。破損している場合、フックをまったく使わないというなら目をつぶることもできるかもしれないが、修理するには部品を交換するので複数あると後で意外な出費になるということを考慮する必要がある。

  • 2.インテリアを見ればわかる

    トヨタ bB(内装)

  • 2.インテリアを見ればわかる

    特にラゲッジスペースの内装材が傷付いていたり、ひどく汚れている場合は、頻繁に荷物を出し入れしている。子供を乗せているとフロアやシートにシミが付いていることが多い。犬を乗せていると、しっかり掃除してもカーペットの溝や裏に犬の毛や臭いが残っていることもある。これらは、車両の状態を見極めるうえで大きなヒントになる。また、ファブリック(布製)シートは、汚れは目立ちにくいが座面は意外に汚れている。シミなどはカーケア用品などで目立たなくすることもできるが、傷やタバコの焼けこげなどが気になれば補修やシートの交換を考える必要があるかもしれない。

  • 3.装備類はすべて操作してみる

    トヨタ bB(装備機器)

  • 3.装備類はすべて操作してみる

    ターンシグナル(ウインカー)やライト類、ワイパーなど、保安機器類の作動状態は必須チェックポイント。さらに、エアコンやオーディオシステムなどの装備機器も、必ず操作して正常に機能しているか調べてみよう。純正、社外製品を問わず、オーディオ類やカーナビなどは、取扱説明書が揃っていることも確認しよう。

  • 4.ホイールとタイヤを調べる

    トヨタ bB(ホイールとタイヤ)

  • 4.ホイールとタイヤを調べる

    ホイールのリム部(外周部分)に傷が多い車両は、運転が乱暴だったり不注意に扱っている、あるいは不慣れな運転で縁石などに擦ってしまったなどといった様子が想像できる。また、タイヤは減り具合をチェックすると同時に減り方も調べてみよう。一部だけ異常に減っている片減り(偏摩耗)を見つけたら、アライメント(タイヤの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは事故で受けたダメージなどで車体が歪んでしまったのかを確かめる必要がある。

  • 5.試走して確かめる

    トヨタ bB(セレクトレバー)

  • 5.試走して確かめる

    異音が発生していないか、確実に切り替えができるかどうか、トランスミッションの状態を確かめてみよう。オートマチックは、NからDへ、NからRへなど、各ポジションにセレクトレバーを操作してみる。できれば試乗して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないかもチェックしたい。使い方によっては5万kmも走行しないうちに不良が発生することもある。アクセルを踏んで動き出す時や加速する時のタイミングが異常に長い場合は、滑って繋がりが悪くなっているので要注意だ。

  • 6.エンジンの調子を探る

    トヨタ bB(始動)

  • 6.エンジンの調子を探る

    エンジンを始動してみよう。異音が聞こえたり、大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。キーを捻って、モーターの回転が弱かったり始動がもたつく場合は、バッテリーが弱っていたり、エンジンの調整が必要かもしれない。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く踏んでみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。

■今回の車両のプロフィール

●2000年2月から販売されているbBは、2000年8月に安全装備などを充実させた改良、次いで2001年8月に改訂があり、2003年4月には大型バンパーを装着するなどの変更があった。参考車両は「Z Xバージョン」で、2001年9月の初期登録。2001年8月から2003年3月までに販売された車両だ。当時の仕様グレードは、エンジンは1.3と1.5リッターの2種で、コラム式4速オートマチックは共通。装備は「Z」と「S」の2グレードが設定されていて、Xバージョンは前後スポイラーやフォグランプが装備されたドレスアップ仕様になっている。1.3はFF(前輪駆動)のみで、ZとZ Xバージョンの2タイプ、1.5にはFF(前輪駆動)と4WD(4輪駆動)があり、装備との組み合わせで6タイプが設定されている。

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