中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2014.05.23
日産 フェアレディZ ロードスター (2009年10月~) 中古車購入チェックポイント
日産 フェアレディZ ロードスター (2009年10月~) 中古車購入チェックポイント
CBA-HZ34
参考車両:バージョンT
初年度登録:2010年1月
追加装備:
<メーカーオプション>カーウイングスナビゲーションシステム+バックビューモニター+ステアリングスイッチ+ ETCユニット
<ディーラーオプション>LEDイルミネーション付キッキングプレート (2010年1月)
■全体のチェックポイント
大柄な車体をうっかりぶつけてしまう。オプション装着車が多い。といったところも注意ポイント。購入にあたっては、何台か見比べて検討するといいだろう。車体の損傷や内装の傷みなどを探るのはもちろんだが、エンジンをはじめ走行機能各部の整備状況も必ず確認したい。
オープンモデルの車体構造にも考慮してチェック
1.車体のバランスをチェック
1.車体のバランスをチェック
まずは、外装にずれや歪みなどがないか車体まわりを観察する。車両の姿勢(傾き)にも注意。
前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態を見る。細部では、フロントガラスの飛び石傷にも注意したい。
バンパーは、角や下部あたりに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けも調べる。ナンバープレートも、傷や歪みなど(バンパーを交換した可能性)がないか見る。
2.車体の内側も調べる
フェンダーは、ホイールアーチの縁あたりも、損傷や修理跡などがないかチェック。奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側に設けているフェンダーライナーも異常がないかチェック。 ボンネットは、内側、ヒンジ、ヒンジ固定部周辺をチェック。フェンダーは、エンジンルーム側もチェック。同時に、サスペンションタワー周辺のパネルもチェック。 エンジンルーム最前部にあるラジエターサポートおよび関連部も車体前部の要チェックポイントだ。
3.関連部も慎重に調べる
3.関連部も慎重に調べる
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、取り付け状態もを見る。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など周辺も調べる。
4.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシルプロテクターに傷や破損、修理/交換跡などがないかチェック。それよりも重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックする。
5.トップ収納部周辺も見る
ソフトトップ開閉動作をチェックする際に、途中で止めて、ストレージリッドおよび開口部周辺をチェック。リアフェンダーは、ドア開口部に修理跡やマスキング跡などがないかチェック。車体右側は、フューエルリッドと給油口周辺もチェックする。
6.後部周辺のチェック
後部も、バンパー、コンビネーションランプ、トランクリッド、フェンダーなどの状態をチェック。マフラーエンドの損傷や位置ずれなどにも注意。
トランクリッドは、解錠・施錠、開閉動作、ダンパーの具合をチェックし、損傷/修理/交換の有無と取り付け状態を調べる。開口部も、パネル接合部の溶接などにも注意しながら慎重にチェック。
★損傷の有無や修理歴を確認
「ロードスター」は、ドアやトランク開口部を補強し、ソフトトップを格納するストレージリッドを設置。フロントウインドウモールやウインドディフレクターでオープン時にキャビンへの風の巻き込みを低減する。オープンモデル用に最適化した車体構成となっている。
「Z」の走行性能にこだわるなら、走行に支障が生じる車体の歪みなどにも注意したい。事故などで車体の骨格部にダメージを負って修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
キャビン内と装備機器の機能・作動をチェックする
★ソフトトップの補助機能も確認
「ロードスター」の電動開閉式ソフトトップは、開閉と連動してパワーウインドウが全開する[オートウインドウ下降]、閉めた時の[オートロック]、開閉時に助手席が少し倒れて開閉後に元に戻る(リアウインドウが室内側に倒れる動作に注意を促す)[シートバック自動前傾(キャンセルスイッチ付)]、開閉時に操作スイッチから手を離すと作動停止、ドアハンドルのリクエストスイッチを押し続ければ車外からソフトトップを開けることができる、といった仕掛けもある。操作方法や機能に疑問があれば、販売店スタッフに聞いてみよう。
1.自動開閉動作をチェック
エンジンをかけて[OPEN・CLOSE]スイッチを操作し、ソフトトップ作動、ストレージリッド開閉、ソフトトップ格納、オートロックなど、一連の動作がスムーズかチェック。“オープンもクローズも約20秒で完了”も目安に、開閉機構に異常がないか調べる。
2.隅まで細かくチェック
2.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷、破損などがないか。床やソフトトップの内側、ボックス類の内部も見る。シート表皮の染みや破れ、本革部分の擦れ、ボックスリッドなどの可動部破損などにも注意。
シートの背面側、後部のシートバックスペースやアクセサリーケース、ウインドディフレクターやロールバーの周辺、ソフトトップ開閉機構のカバーなどのほか、トランク内も傷みなどがないかチェックする。
3.雨漏りする車両は要注意
3.雨漏りする車両は要注意
ソフトトップは、キャンバス地に変色や染み、傷、破れなどがないかチェック。フロントウインドウ部やドアガラスなどとの密封性も確認。シール材の劣化や破損、ソフトトップフレームの歪み、最悪は車体の歪みにも注意。長期間閉じたままだと、開ける時に固着したシール材が破損することもある。いずれにしても雨漏りする車両は避けるほうが賢明といえる。
4.機能と作動具合を調べる
4.機能と作動具合を調べる
ヘッドライトやウインカー、ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な部分。インテリジェントキーの機能と各部の作動状態。フルオートエアコンの各種調整機能と冷房・暖房の効き具合などをチェック。
参考車両には、純正ナビ+バックビューモニター+ステアリングスイッチ+ETCが付いている。ナビやAV関連機能のほか、エアコン画面表示、バックビューモニターなど、付帯・連携する各機能が正常か確認したい。
★細部は販売店で点検してもらう
「バージョンST/T」は、ロードスター専用の本革(一部人工皮革)ネットコンビ・エアコンディショニングシート(ネット部分に冷暖房の風を流す)を装備。運転席/助手席パワーシート、運転席マニュアルシートリフター&ランバーサポート、上下調整式ヘッドレスト、Boseサウンドシステムも標準装備。参考車両は、メーカーオプションと販売店オプションも追加している。
車両の装備内容は、販売店で見て確認。とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに不具合などがないかは販売店で点検してもらおう。特に電装機器の機能に注意したい。
走行機能全般のコンディションと整備状況を確認
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時は、表示・警告灯やメーター類、ディスプレイ表示なども見る。エンジンスイッチの機能も確認。不明な点は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.走行機能の作動を確認
ATは、[P・R・N・D・M]のシフト操作具合をチェック。可能なら試乗して、オートマチック動作およびマニュアルモード[M1-2-3-4-5-6-7]のシフトゲート/パドルシフト[+・ー]変速をチェック。[SNOW]スイッチのスノー(滑りやすい路面)・オート(通常走行)の機能と動作。VDCの作動状態およびTRC/VDCを停止する[OFF]スイッチ機能なども、走行時に異常がないか確認したい。
3.ホイールとタイヤをチェック
3.ホイールとタイヤをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検。傷やひび割れなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの異常のほか、車体の歪みにも要注意。
アルミホイールは、傷や破損などがないかチェック。塗装の傷みや剥げ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意。
4.床下の様子も覗いてみる
4.床下の様子も覗いてみる
車体パネルやメンバー(補強部材)、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食状態を調べる。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「ロードスター」は、3.7L V6 336PSエンジン。AT車は、マニュアルモード付7速AT・パドルシフト付。車両安定制御VDC(ABS・制動力配分EBD・トラクションコントロールTSC・ブレーキLSDなどを制御)も備えている。いずれにしても、不調などを判断するのは難しい。とりあえず点検整備記録を参照し、エンジンルーム内を見る。詳しい整備状況は、販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、エンジンから足まわりまで、販売店できちんと点検・整備してもらうようにしよう。
★足まわりもチェック
「ロードスター」は、前18x8Jホイール&225/50Rタイヤ・後18x9Jホイール&245/45Rタイヤが標準装備。推奨サイズと異なる場合は、操縦性が変わったり、車両安定機構やトラクション機能などが正常に作動しないこともあるので注意したい。
「バージョンST」は、アルミキャリパー対向ピストンブレーキも標準装備。ブレーキは、パッドやディスク、ブレーキ液などを点検し、ブレーキの効き具合を確認。サスペンションも、ダンパーの抜けやオイル漏れ、ブッシュ類の劣化などにも注意し、正常に機能するか確認したい。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。「取り付け状態」を見る●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2008年12月に発売したフェアレディZシリーズの6代目Z34型「フェアレディZ(クーペ)」。軽量化・ショートホイールベース化した車体に、3.7L[VQ37VHR]エンジンを搭載し、シンクロレブコントロール付6速MTとマニュアルモード/パドルシフト付7速ATを設定。運動性能や機能、上質感も向上している。●2009年10月に電動開閉式ソフトトップを採用した「フェアレディZ ロードスター」を発売。「ロードスター」は、バイキセノンヘッドランプ、オートライトシステム、リアフォグランプ、本革巻ステアリングホイール/シフトノブ/パーキングブレーキレバー、インテリジェントキー、プッシュエンジンスターター、車両情報ディスプレイ、運転席助手席ニーパッド、アルミ製ペダル/フットレスト、フルオートエアコン、ロッドアンテナ、18インチアルミホイールなどを全車標準装備。「ベーシックモデル」は、6速MTを搭載し、インストポケット、オーディオレス・4スピーカーが標準装備。「バージョンT」は、7速AT。本革ネットコンビ・エアコンシート、運転席/助手席パワーシート、Boseサウンドシステムなどを標準装備。「バージョンST」は、6速MTと7速ATを設定。バージョンTの装備に加えて、4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキを標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
ベーシックモデル | CBA-HZ34 | 6MT | FR |
バージョンT | CBA-HZ34 | 7AT-M | FR |
バージョンST | CBA-HZ34 | 6MT | FR |
CBA-HZ34 | 7AT-M | FR |
●その後、2010年11月には「クーペ/ロードスター」を一部改良。エアコンダイヤルスイッチの文字位置を変更。AT車にシフトアップインジケーターを採用。メーカーオプションのHDDナビゲーションシステムに、バックビューモニターをセットで設定。●2012年にマイナーチェンジ。LEDハイパーデイライト付の新形状フロントバンパーを採用。車両情報ディスプレイのベースカラーを変更。新デザインの19インチアルミホイール、減衰力特性を変更したユーロチューンドサスペンション、レッドブレーキキャリパー、新開発ブレーキパッドなどを設定(グレード別)している。