中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.19 / 掲載日:2005.04.15

ホンダ モビリオ(2001年12月~)中古車購入チェックポイント

  • ホンダ モビリオ(2001年12月~) 中古車購入チェックポイント

    ホンダ モビリオ(全体)

  • ホンダ モビリオ(全体)

■全体のチェックポイント

モビリオは、前2ドア+両開きのスライドドア+テールゲートというドア構成で、小ぶりの車体にさまざまな工夫を盛り込んでいる実用車。女性とか主婦の使い勝手を考慮していることから推察できるように、乱暴に扱ったり過激に走り回った車両は少ないといえる。外観の小さな擦り傷や凹み、車室内は子供を乗せていると汚れや染みが気になるかもしれない。見た目を念入りにチェックしてみよう。ドアの開口部が大きいと車体が疲労しやすく、日頃重い荷物を積んでいる場合は後部に負担がかかっている。できれば試乗して、きしみ音などの騒音をチェックしたい。

  • 1.車体側面の映り込みを見る

    ホンダ モビリオ(車体側面の映り込みを見る)

  • 1.車体側面の映り込みを見る

    車両からやや離れて、車体に映る周囲の景色を見てみよう。歪みや凹み、あるいは波打っているのを見つけることもある。塗装表面が肌荒れ状態になっている場合も、事故を起こして板金塗装した修理跡かもしれない。正面、左右、上下から、見る角度を変えてみると異常を見つけやすい。さらに、車両からやや離れた位置から全体を見てみよう。ナンバープレートは曲がっていないか?左右のヘッドライトの色は同じか?バンパーはずれていないか?車体の切れ目の隙間(チリ)は均等か?部分的に艶がないとか、色がくすんでいたり他の部分と違って見えたら、補修したり修理したことが考えられる。大きな事故などを起こした車両は、なんとなく歪んで見えることがある。じっくり観察してみよう。

  • 2.エンジンルーム内を観察する

    ホンダ モビリオ(エンジンルーム内を観察する)

  • 2.エンジンルーム内を観察する

    ボンネットを開けて、エンジンルーム内各部の塗装の様子を観察しよう。車体と左右のフェンダーをはじめ、ラジエターを支えているラジエターサポートの色を周辺と比べてみる。色の違いがポイントだ。一部だけ色合いが異なっていれば、修理した可能性がある。周囲と比べて不自然にきれいな部分も、修理した跡かもしれない。また、エンジン関係の部品や、オイル漏れなどもチェックしよう。周囲と比べて新しく見える部品は、交換している。整備手帳の記録を参考にすると、トラブルが発生した箇所や修理などの経緯がわかるはずだ。

  • 3.ボンネットの交換は理由が問題

    ホンダ モビリオ(ボンネットの交換は理由が問題)

  • 3.ボンネットの交換は理由が問題

    事故などでボンネットにダメージを負うと、新しいボンネットと交換することも少なくない。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを見て、脱着した形跡がある場合は要注意。事故の修理でボンネットを交換した可能性が高い。まれにエンジンの整備などのためにボンネットを外することもあるが、その場合は整備記録簿に記録が残っているはずだ。

  • 4.フェンダーの状態で判断

    ホンダ モビリオ(フェンダーの状態で判断)

  • 4.フェンダーの状態で判断

    フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷が付いていれば、工具を使ってネジを脱着した跡、つまりフェンダーを交換あるいは修理していることが考えられる。フェンダーに手を加えても事故車(修復歴車)扱いにはならないが、フェンダーが無傷なら大きな事故は起こしていないと判断できる。

  • 5.前部をぶつけるとダメージを受けやすい

    ホンダ モビリオ(前部をぶつけるとダメージを受けやすい)

  • 5.前部をぶつけるとダメージを受けやすい

    フロントグリルの後ろにあるラジエターサポートと呼ぶ鉄板を観察してみよう。前部をぶつけると、ラジエターサポートを修正あるいは交換する確率が高い。歪みや手を加えた痕跡がないか、念入りにチェックしよう。周囲と色が違っていたら、交換した証拠と思っていい。左右フェンダーとの接合部も、不自然なところはないか点検しよう。

  • 6.色と隙間を見る

    ホンダ モビリオ(色と隙間を見る)

  • 6.色と隙間を見る

    車体にダメージを負って外板(車体の外側のパネル)の修理や交換をする場合は、再塗装あるいは新しい外板部品を塗装することになる。しかし、色を合わせるのは難しく、塗装した色調が微妙に合わないこともある。隣り合う外板の隙間を「チリ」と呼ぶが、チリを境に色が違っていないかチェックしよう。また、新しい外板部品を組み付ける際に誤差が出ることがある。チリの幅が均一でなければ、どこかの外板を修正または交換した可能性がある。

  • 7.側面のダメージを推測する

    ホンダ モビリオ(側面のダメージを推測する)

  • 7.側面のダメージを推測する

    車体側面のドア部分に損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換の際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。前後左右ドアのネジを見比べて、特定のドアだけネジの頭に傷が多ければ脱着したことが疑える。ただし、新車組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着しているように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。

  • 8.スペアタイヤの周辺をチェック

    ホンダ モビリオ(スペアタイヤの周辺をチェック)

  • 8.スペアタイヤの周辺をチェック

    トランクルームの床に収納されているスペアタイヤを外してみよう。床部にダメージを受けた歪みなどを見つけこともある。塗装が周囲と違っていたり、防音防振材(床部や車体内部に貼っているマット)の状態などに異常(剥がれていたり波打っていたり)があれば、後部を修理しているかもしれない。また、スペアタイヤ自体の状態(空気圧や傷など)もチェックしよう。

  • 9.スライドドアをチェック

    ホンダ モビリオ(スライドドアをチェック)

  • 9.スライドドアをチェック

    一般的なヒンジ式ドアに比べると、スライドドアは複雑な構造になっている。参考車両は、電動式で開閉できる仕掛けになっているが、基本的なチェックポイントは手動式と同じ。アーム(ドアを支えている金具)やレール(スライドさせる溝の金具)などが歪んでいないか、観察してみよう。アーム類は固定しているネジの頭に工具をかけた跡がないかを見るが、ドアの立て付けを修正するためにネジを回すこともあるので、必ずドア自体や周辺を含めてチェックしよう。

  • 10.支え金具と周辺を観察する

    ホンダ モビリオ(支え金具と周辺を観察する)

  • 10.支え金具と周辺を観察する

    リアゲートは面積が大きく、後部をぶつけるとダメージを受けやすい。ドアを支えている金具(ヒンジ)と周辺をチェックしよう。まずは、ドアがしっかり閉まるかどうか確かめてみる。ずれているせいで、スムーズにロックできないこともある。そして、ヒンジを固定しているネジを脱着した形跡を探ってみる。ネジの脱着が修理や交換したかどうかの目安になる。また、ヒンジが接している周辺の鉄板が歪んでいる場合は、ダメージが大きかったと推測できる。

  • 11.溶接の状態で修復歴がわかる

    ホンダ モビリオ(溶接の状態で修復歴がわかる)

  • 11.溶接の状態で修復歴がわかる

    リアゲートを開けて、開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、スポット溶接で固定されている(丸い点状の窪みが並んでいる)のが見える。追突をはじめ後部が変形するような事故などで修理した車両は、溶接部に手を加えているはずだ。また、板金塗装をしていれば、周囲とは雰囲気が違って見えるので、色艶や形状などを車体の左右を見比べながら念入りに観察してみよう。

  • 12.車体の床下もチェック

    ホンダ モビリオ(車体の床下もチェック)

  • 12.車体の床下もチェック

    床下は、意外なところにダメージを受けているのを発見することがある。フレーム(車体の骨格部分)の歪みや部分的な変形はないだろうか。そして、マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分は、そのまま手を付けていない(修理や部品交換していない)ことがあるので、事故などで受けたダメージ跡を見付けることがある。

■点検整備記録に目を通す

  • ホンダ モビリオ(書類)

    点検記録簿(整備手帳など)の内容を、車両をチェックする前に確認しておこう。過去にどのような整備を受けてきたのがわかり、車両各部の状態を探る参考になる。定期点検時の走行距離とも突き合わせてチェックしよう。詳細な記録が残っている車両ば、走行距離が伸びていてもコンディションがよく、機能部分には大きな問題を抱えていないと推測できる。

  • ホンダ モビリオ(書類)

モビリオのコンディションはここで見極める!

  • 1.車両の扱い方を推測する

    ホンダ モビリオ(車両の扱い方を推測する)

  • 1.車両の扱い方を推測する

    インテリアの状態で、どのように扱われていたかが推測できる。特にミニバンなどの場合、内装やシートに傷が多いとか、ひどく汚れている場合は、常に荷物を出し入れしていたはず。一般に、乗用車として使われていた車両は、目立つような傷は少ない。また、シートに染みが付いていたり、カーペットの隙間や裏に食べ物のかすなどが埋まっている場合は、子供を乗せていたと推察できる。犬を乗せていた車両は、しっかり掃除してあってもカーペットの溝や裏に犬の毛や臭いが残っていることもある。

  • 2.試走してチェック

    ホンダ モビリオ(試走してチェック)

  • 2.試走してチェック

    オートマチックトランスミッションは、セレクトレバーをNからDへ、NからRへと、各ポジションに入れてみて、作動の具合いを試してみる。各ギヤへの切り替え時のショックは大きくないか?アクセルを踏むのと連動してスムーズに発進や加速ができるか?できる限り試走して確かめよう。

  • 3.トラブルを事前に察知する

    ホンダ モビリオ(トラブルを事前に察知する)

  • 3.トラブルを事前に察知する

    エンジンを始動してみよう。異音が聞こえり、大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってから少しアクセルを踏んでみて、スムーズに回転が上下するか試してみよう。

■今回の車両のプロフィール

2001年12月から販売されている現行モデルで、日常生活での使い勝手と取り回しのよさが売りのコンパクトな7人乗り3列シートワゴン。個性的な外観とガラス面積が広い開放感のあるインテリア、特にセンター部分はモダンファニチャー感覚あるなど、都会的なイメージがある。仕様グレードは「Y」「A」「W」の3タイプが基本。エンジンは1.5リッターで、FF(前輪駆動)と4WD(4輪駆動)の設定がある。02年12月に、イモビライザーとパワースライドドアをWに標準装備(他グレードはオプション)。03年5月には、エンジン改良でFF車の「超・低排出ガス」認定取得。Wをベースに内外質感を高めた「Cスタイル」を設定。04年のマイナーチェンジで前後外観を一新すると共に、上級のWをさらにグレードアップした「XT」と「WT」を追加している。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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