中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.26 / 掲載日:2015.01.09

日産 リーフ(2012年11月~)中古車購入チェックポイント

  • 日産 リーフ (2012年11月~)

    日産 リーフ

    参考車両:G(ZAA-AZE0)
    初度登録:2012年11月

  • 日産 リーフ

■全体のチェックポイント

2010年12月に新発売(ZE0型)した後、2012年11月にマイナーチェンジした(AZE0型)モデル。外見に変わりはないが、メカニズムや装備をかなり変更している。車体まわり・室内・装備を慎重にチェックするのはもちろん、肝心なEVシステムのコンディションも要チェック。省燃費や運転補助など含めた走行関連機能の整備状況や保証なども確認したい。

車体骨格や高電圧部品の損傷などにも注意する

  • 1.外見から探っていく

    日産 リーフ(正面)

  • 1.外見から探っていく

     まずは、外装に異常がないか車体まわりを観察する。前面は、バンパー、充電ポートリッド、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意。

  • 2.隣接部も同時にチェック

    日産 リーフ(正面左)

  • 2.隣接部も同時にチェック

     バンパーは、角や下部、グリル、フォグランプなどに損傷がないかチェックし、ずれていないか立て付けを見る。下側にあるエアスパッツの破損などにも注意。
     フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側にあるフェンダーライナー(泥よけ)なども、異常がないかチェックする。

3.ドアと関連部をチェック

 ドアは、外面だけでなく、接合部に注意しながら内側のパネルもチェック。ヒンジやネジを見て、取り付け状態もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)、フェンダーなど車体側も慎重にチェックする。

  • 日産 リーフ(ドアと関連部1)

  • 日産 リーフ(ドアと関連部2)

4.車体の内側もチェック

 ボンネットは、内側とヒンジ部を見る。フェンダーは、腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態を調べる。同時に、フレームなど車体パネルもチェック。充電ポート、ラジエーター、ヘッドランプなど、最前部にある部品類も慎重にチェックする。

  • 日産 リーフ(ボンネット1)

  • 日産 リーフ(ボンネット2)

  • 日産 リーフ(ボンネット3)

5.後部のチェック

 後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。バンパー下のエアロフィン付ディフューザーの損傷にも注意。
 バックドアは、解錠・施錠と開閉の具合をチェック。支えているロッドダンパーも、異常がないかチェック。バックドアの内側、ヒンジおよびヒンジ固定部周辺もチェック。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラー、塗装の状態などに注意しながら損傷や修理/交換跡などがないか調べる。

  • 日産 リーフ(後面)

  • 日産 リーフ(バックドア1)

  • 日産 リーフ(バックドア2)

  • 6.下側に要チェックポイント

    日産 リーフ(下側)

  • 6.下側に要チェックポイント

     車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に傷や凹み、腐食、修理跡などがないかチェック。下に突き出ているパネル接合部に修理/交換の形跡がないか特に注意したい。
     同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックする。

  • 7.損傷の程度にも注意する

    日産 リーフ(ドア開口部)

  • 7.損傷の程度にも注意する

     ドア開口部は、修理/交換跡のほか、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、簡易補修跡などにも注意してチェック。マスキング跡があれば、外板パネルを修理しているので、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。

  • 8.タイヤとホイールをチェック

    日産 リーフ(タイヤとホイール)

  • 8.タイヤとホイールをチェック

     「G」は、215/50Rタイヤ&17インチアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、欠けなどがないか見る。異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの異常や車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、走行安定機構が正常に作動しなくなることも頭に入れておきたい。
     アルミホイールは、損傷や破損などがないか調べる。塗装の傷み、リム(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意してチェックする。

  • 9.床下の様子も覗いて見る

    日産 リーフ(床下)

  • 9.床下の様子も覗いて見る

     大型アンダーカバーが目に付くが、車体パネルや補強部材、サスペンションなどの部品類も、傷、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。中央のバッテリー収納部あたりの損傷にも注意したい。
     オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態を見る。

★損傷と修理/交換歴の有無を確認

リーフ」の作りは、5ドアハッチバック・FF(前輪駆動)車。ボンネットとサイドドアは、アルミ合金。前部モータールームにパワートレイン(高電圧制御ユニット、インバーター、モーター、減速機)、車体中央床下にリチウムイオンバッテリー、フロントバンパー上部中央に充電ポートを設置。ラジエーターグリル(フロントグリル)はないが、モーター用とエアコン用のラジエーターがある。外装には、サイドミラーへの空気流を整流する出っ張ったヘッドランプ、リアバンパー下エアロフィン付ディフューザー(床下を抜ける空気を整流)、エアスパッツ(タイヤの前にある空気整流板)、フラットフロアカバー(床下のアンダーカバー)など空力パーツを装着。「G」は、LEDヘッドランプ、フロントフォグランプ、ソーラーセルモジュール(補機用12Vバッテリーの補充電を行う)付リアルーフスポイラーなどを標準装備している。
 車体まわりのチェックでは、外装の損傷だけでなく車体骨格にダメージがないか確認。EVは、車体内にある高電圧部品やケーブル、バッテリーパックなどの損傷にも注意したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。

EV機構と走行機能のコンディションを確認する

1.システムを始動してみる

 インテリジェントキーとパワースイッチの機能を確認し、EVシステムの始動具合をチェック。走行可能状態になると、表示灯が点灯し、スタートアップサウンドが鳴る。始動時には、表示・警告灯、インジケーター、メーター、ディスプレイ表示なども見る。わからないことは、販売店スタッフに聞いてみよう。

  • 日産 リーフ(システムを始動)

  • 日産 リーフ(ツインデジタルメーター1)

  • 日産 リーフ(ツインデジタルメーター2)

2.走行系機能の状態を確認

 電気信号でコントロールする[電制シフト]は、[P・R・N・D・B]へのシフト具合をチェック。[D]時の出力制御(アクセルペダル操作に応じてインバーターがモーターの出力を制御する)、[B]モードの減速度制御、[ECO]モードなどの具合もチェック。坂道発進補助[ヒルスタートアシスト]、クルーズコントロール[ASCD]、走行安定機構[VDC]などの作動状態もチェック。
 とはいえ異常を判断するのは、まず無理なので、EVのノウハウがある販売店で点検してもらおう。

  • 日産 リーフ(電制シフト)

  • 日産 リーフ(走行系機能)

★正しく点検・整備してもらう

「リーフ」のEVシステムは、モーター、インバーター、PDM(パワーデリバリーモジュール)、減速機、リチウムイオンバッテリー、回生協調ブレーキなどで構成。電制シフト、ECOモード、車両接近通報装置などを装備し、EBD付ABS、車速感応式電動パワーステアリング、VDC+ブレーキLSD、ヒルスタートアシストを搭載。「X」と「G」は、EV専用情報通信システム、減速度制御[Bモード]付電制シフト、ASCD(オートスピードコントロール)を標準装備している。
 各機構の構造などはさておき、走行機能に問題がないか確認したい。いちおうモータールーム内(EVパワートレイン、電装用12Vバッテリー、ウォッシャータンク、モーター/エアコン用ラジエーター・冷却水リザーバータンク、ブレーキフルードリザーバータンク、ヒューズボックスなどがある)と充電ポートの様子を見る。走行機構各部の具合と整備状況を販売店に聞いて確認。中古EVを購入するなら、走行距離ができるだけ短く、きちんと点検整備している車両を選ぶこと。日産EVに精通し、保証もしっかりしている販売店を見つけたい。

  • 日産 リーフ(エンジンルーム)

  • 日産 リーフ(充電ポートリッドオープナースイッチ)

  • 日産 リーフ(充電ポート)

室内の状態と装備機器の機能・作動をチェック

  • 1.隅まで細かくチェック

    日産 リーフ(室内1)

  • 1.隅まで細かくチェック

     室内は、汚れや傷、染み、穴、損壊などがないか。シートやダッシュボード、センターコンソール、ドア、床、天井などもチェック。ボックスやポケット、トレーなどは、内部の状態も見る。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などは、開閉機構の破損にも注意してチェックする。

2.室内後部の状態も調べる

 前席周辺だけでなく、後席も、6:4分割可倒式シートの折り畳み具合なども試しながら周辺を丹念にチェック。ラゲッジルームも、傷みがないかチェック。トノカバーは、破損がないかチェック。電源ケーブル格納バッグは、固定状態やケース内のケーブル収納状態も見る。

  • 日産 リーフ(室内2)

  • 日産 リーフ(ラゲッジルーム)

3.装備機器の機能を確認

 ヘッドライトやウインカー、ミラー、ブレーキ/バック/テールランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備の作動状態をチェック。インテリジェントキーのリモコン機能も確認。オートエアコンは、自動制御や調整・設定機能をチェック。シートヒーターの効き具合などもチェック。
 EV専用カーウイングスナビシステム+車載通信ユニット装備車は、ナビやAV、ステアリングスイッチなど付随機能が正常か確認するほか、ドライビングサポート機能なども利用できるか確認したい。

  • 日産 リーフ(EV専用カーナビ)

  • 日産 リーフ(装備機器の機能)

★装備機器の状態は販売店で確認

 「X」と「G」は、EV専用カーウイングスナビゲーションシステム+カーウイングス専用車載通信ユニットを搭載しているので、EV専用情報通信システムによるドライビングサポート機能のほか、通信サービスの内容や利用条件なども確かめたい。「G」は、バックビューモニター、プラズマクラスター搭載フルオートエアコン、ETCユニットなども標準装備している。いずれにしても、中古車をチェックする際は、車両の装備内容を販売店でまず確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、細部は販売店で点検してもらおう。特に電装機器の作動に問題がないか確認したい。

■最初に車両の現状を確かめる

 中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。

目利きはココを見る!

  • 日産 リーフ(車両の情報)

    「車両の情報」を見る
    ●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

  • 日産 リーフ(車両の情報)

  • 日産 リーフ(立て付け)

    「立て付け」を見る
    ●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

  • 日産 リーフ(立て付け)

「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。

  • 日産 リーフ(取り付け状態)

    「取り付け状態」を見る
    ●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。

  • 日産 リーフ(取り付け状態)

  • 日産 リーフ(接合部)

    「接合部」を見る
    ●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。

  • 日産 リーフ(接合部)

■今回の車両のプロフィール

●2010年12月に新発売したEV(電気自動車)「リーフ」は、2012年11月にマイナーチェンジ。EV基本構造の改良や軽量化、省電力技術・装備の採用などによって、満充電時の航続距離が従来の200kmから228kmへと向上。充電器を高電圧ユニットに統合したことで後席の後ろにあった充電器がなくなり、荷室が拡大。ヒーターを温水式から空気加熱式に変更し、ヒートポンプ式を設定。プラズマクラスターイオン発生器付フルオートエアコンを設定。電動パーキングブレーキを足踏み式に変更。ステアリング/運転席&助手席シート/後席クッションヒーター、寒冷地仕様、ヒルスタートアシストなどを全車に標準装備。廉価グレード「S」を追加設定している。
仕様グレードの「S」は、ハロゲンヘッドランプ、エコモード付電制シフト、メッシュフラットトリコットシート地、フルオートエアコン、オーディオレス・4スピーカー、205/55Rタイヤ&フルホイールカバー付16インチスチールホイールなどが標準装備のベーシックタイプ。
「X」は、EV専用カーウイングスナビシステム+カーウイングス専用車載通信ユニット、Bレンジ付電制シフト、クルーズコントロール、ヒートポンプ式ヒーター、スエード調トリコットシート地、ピアノ調ブラック加飾などを標準装備しスタンダードタイプ。
「G」は、Xの装備に、LEDヘッドライト、ソーラーセルモジュール付リアルーフスポイラー、オートライトシステム、バックビューモニター、プラズマクラスターイオン発生器付フルオートエアコン、6スピーカー、ETCユニット、215/50Rタイヤ&17インチアルミホイールなどを追加している。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
SZAA-AZE0MCFF
XZAA-AZE0MCFF
GZAA-AZE0MCFF
(MC:モーター制御変速)
●その後、2013年4月に価格改定。2014年1月に特別仕様車「エアロスタイル」を発売。2014年5月には、「X」をベースにした日産創立80周年記念特別仕様車「80thスペシャルカラーリミテッド」を設定している。

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